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東京発世界行

written by Ken
 



『モヒカン族はなかった』
蟹江ケンゾー著

冗談社 2005年10月刊

■編集部による書籍紹介
二〇〇五年、ブログ界を揺るがせた「モヒカン族」ブーム。しかし、その現象は、捏造された歴史だった!?謎のカリスマ・ブロガー、蟹江ケンゾーがネットとリアルの関係性を暴く問題作。ついに登場。

■レビュー
センセーショナルなタイトルとは裏腹に、本書は、著者の地道なフィールドワークに基づく、人間観察の記録となっている。
某月某日、私は吉祥寺のホルモン焼の店で秘密裡に行われたモヒカン族のオフ会に潜入することに成功した。しかし、そこでは、和気藹々とした雰囲気の馴れ合いが横行していたのである。驚きのあまり言葉を失った私に向かって、「楽しんでる?」、「つまらないの?」と、気をつかって声をかける偽モヒカン族たち。真のモヒカン族はどこにいるのだろうか。
 「第3章 - 殺伐を求める者たち」より
モヒカン族ブームとは、「モヒカン宣言」に共感したネットワーカー達が、「宣言」の理念とは関係なく、かっこよさを求めて起こしたムーブメントであったと、著者は主張する。
 ・ブログの常連さんからコメントをもらえなくなった
 ・結局、ムラ子さんに振られてしまった
 ・いつの間にか、自分が非モテに分類されていた
著者は実例を挙げながら、「彼らは所詮、ムラビトにすぎない」と指摘する。抽象的な理念のみが一人歩きした結果、「議論によって物事は解決せず、却って揉め事の本質を際立たせることになった」と喝破している。ユニークな視点による分析だが、著者自身の感情が露わになっている部分が見られ、ムラ社会に対する批判的な視座に欠ける記述が目立つ。
さらに、著者はモヒカン族グループについて、1章を費やし、いくつかの問題点を指摘している。
 ・グループのメンバーに似非モヒカン族が多く含まれていること
 ・北米大陸の先住民族に対するリスペクトが感じられないこと
 ・実存主義とは相容れない思想であること
 ・しかし、実は女性同士の泥仕合であったこと
などなど。また、モヒカン族用語の多くが定義づけられているにも関わらず、正しく理解されにくいことを、著者は強調する。
正当なモヒカン族を表わす言葉として、otsune 氏は「真のモヒカン族」という表現を多用するが、「真のモヒカン族とは誰なのか」については、全く言及しない。結局のところ、「真のモヒカン族」は存在せず、メシア信仰のみが、集団幻想によって捏造されたのである。
 「第7章 - 約束の地」より
モヒカン族について語る者は多いが、「我こそは真のモヒカン族」と名乗った人間はいない。真のモヒカン族は到来するのか、それともモヒカン族はこのまま滅亡へと向かうのか。真実は、未来の歴史家によって語られるべきであろう。
著者の次回作、『Web2.0 はなかった』に期待したい。

■あわせて読みたい
モヒカン族とはなんだったのか

焚書社新書


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※フィクションです。


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コメント
 
 
 
誤字脱字の訂正 (otsune)
2005-10-17 20:36:37
s/吉祥寺のホルモン焼の店/吉祥寺のホルモンが上手い焼酎専門店/



書評blogにコメントしても仕方が無いのですが、著者に伝わる事を期待して。

第二版からの訂正が出来るといいですが、いつの間にか書評での引用文が訂正されている不思議現象が起こるかもしれません。
 
 
 
こんにちは。 (Ken)
2005-10-17 20:48:44
>otsuneさん

誤字脱字の訂正。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/otsune/20050626/p3

「ホルモンが美味い」が正しいようです。

著者に伝わると良いですね。
 
 
 
Unknown (:))
2005-10-17 20:56:15
:) x 1pt.
 
 
 
Hi. (Ken)
2005-10-17 21:03:05
Dear :),

I beg your pardon?
 
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・実存主義とは相容れない思想であること ・しかし、実は女性同士の泥仕合であったこと 【書評】 『モヒカン族はなかった』 http://blog.goo.ne.jp/kanimaster/e/5fdc1836c35822dc2c4dbd0361b2b6e7 # Emulator 『
 
 


 
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