自燈明

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三十八番 右近

2014年04月20日 | 百人一首
忘らるる身をば思はず 誓ひてし人の命の惜しくもあるかな

忘れられる私の身のことはなんとも思いません。
ただ神永遠の愛を誓ったあなたの命が罰を受けて失われるのが惜しまれてなりません


忘らるる 忘れられる。「わすら」は動詞「わする」の未然形。「るる」は助動詞で連体形。受け身を表す。
身をば思はず 自分の身のことは気にしない。「身」は作者自身の身の上。格助詞「は」は「ば」となり、強意を表す。「ず」は終止形で打消しを表す助動詞。ここで意味が切れる、二句切れ。
誓ひてし 永遠に心変わりはしないと神に誓った。助動詞「て」は「き」の連体形で完了を示す。
人の命の 「人」は相手の男。二句の「身」と対照させている。
惜しくもあるかな とても惜しまれる。結語を詠嘆の終助詞「かな」として、余韻を残す。

うこん (生没年不明)
醍醐天皇の皇后穏氏に仕えた。恋多き歌人として名高い

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