kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

雑感2

2013-10-11 | 陸上競技
前の記事の続き。ちょっと私の話を書きます。これは「めったにない例」だと思ってみてください。「1%の確率」で上手くいった例です。万人に当てはまるとは到底思えません。

私自身それほど「才能」があるとは思いませんでした。高校時代は故障もありインターハイには出場できませんでした。高校時代の最高順位は中国新人6位。「普通」よりは少し上のレベルという感じでしょうか。同学年に「才能」あふれる選手が何人もいました。練習をほとんどしなくても速い。全く練習をしなくても大学になりいきなり大幅ベストを更新して中国四国の学生記録を樹立。遠い存在でした。

それでも私は必死に練習をしました。とにかく勝ちたい。この一心です。誰からも指導を受けることなくがむしゃらに強くなりたいと遠回りをしながら進んでいき、2年生になった時点で始めてそのライバルに勝つことができた。これは「記録」ではなく「順位」でしたが・・・。記録的にはまだ1秒以上差があった。「努力すればきっと勝てる」と信じてずっと練習し続けました。

3年生になったとき、ライバルは陸上を辞めました。「勝てない」ということで陸上に対する想いもなくなったのかもしれません。それでも私は「強くなりたい」とだけ考えて練習をした。結果、4年生になったときにそのライバルのベスト記録を超えることができ全日本インカレ、全日本選手権に進むことができた。「強くなりたい」という想いが原動力となったのだと思います。当時の全日本インカレのB標準記録が52秒30、私のベスト記録が52秒29。これも何度かblogには書いていますが「神様がくれた0.01秒」だと思っています。この記録が出せなければ私が全国大会に出場することはできませんでした。たった「0.01秒」ですが、人生の中では本当に大きな「0.01秒」です。

もともと「才能」のある選手はそれほど努力をしなくても速く走れます。ここに「平等」は存在しません。努力をしなくても走れる。きつい練習をしなくても「勝てる」から試合に出る。努力をして記録を短縮しようという感覚ではなく「勝てるから試合に出る」という部分があると思います。だから勝てなくなったら面白くない。別に「陸上に全てを賭ける」という感覚ではないので「勝てる=面白い」「勝てない=面白くない」という関係が成り立ち、力はあってもそれを最後まで引き出して引退するという話にならないのだと思います。

こういう選手を数多く見てきました。現役時代も指導者になってからもです。

私は大学時代、ハードルの先輩の背中を追いかけていました。運動能力が高く誰からも慕われる素晴らしい先輩でした。しかし、実際のスプリントは11秒5前後だったと思います。100mがめちゃくちゃ速いという選手ではありませんでした。しかし、「絶対に強くなってやる」という姿は他の誰よりもありました。自分が強くなるためには何でもやるという姿勢があり、自分も負けないようにやらないといけないと常に思う存在でした。

その先輩、4年生のときに大きく記録を伸ばし14秒76の当時の県記録を更新し、国体に選出されました。全日本インカレの標準には届かなかったと思いますがそれでも当時の記録的には素晴らしい記録でした。「努力をすれば目標に近づける」というのをずっと見続けていたからこそ私自身も「もっと練習をしなければいけない」という気持ちになれたのだと思います。

私や先輩のケースは実際は「稀」だと思います。「努力すれば夢は叶う」というのは理想論であり幻想的な部分があります。努力をしても勝てない相手がいる。それが現実です。それでも自分が最大限の努力をして力を付け、相手がそれなりの努力であまり力が付かなかったら「勝てる可能性があるかもしれない」というレベルです。1%かもしれません。その少しの確率に賭けて努力をすることができるかどうか。普通の選手にはできないでしょうね。それでも「強くなりたいならやるしかない」と思えれば何でもできると思います。

強い選手を指導する。これが全国入賞するための一番の近道だと思います。当然です。しかし、全てにおいてそのような条件がそろうことはありません。強い選手だけを集めて指導できる環境というのは存在しません。強い選手が一人でも目立つとそのチームは「すごく強いチーム」という印象付けがされます。しかし、それだけは面白くないと感じています。もちろん強い選手だけを集めて勝ち続けることが面白くないというわけではりません。いつかそのような環境で全国で戦えるチームを作ってみたいという気持ちはあります。いつか・・・ですが(笑)。

今私自身が目指すチーム。それは全員が最大限の努力をするチームです。力があるないは基本的に関係ない。口だけではなく心から最大限の努力をするチームにしたい。それができなければどのような選手がいても結果的には同じだと思います。力がない選手が努力をしなければいつまでたっても追いつくことはできない。これが現実です。自分たちが本当に目指すものがあるならやるべきことは見えてくる。そう思っています。

ここ最近強く思っていることです。良いチームとは何か?指導スタイルを大きく変えて選手に合わせてそれなりにやるというのは今の私にはできません。本当に強くなりたいと思う選手と一緒に競技をしたい。それだけです。

なんとなく思っていることを書いてみました。お許しを。

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4 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-10-11 12:38:13
強い選手は適当に練習する?
本当にその選手は強いのですか?
Unknown (Unknown)
2013-10-11 16:38:24
クラブチーム作ればいいのでは。部活動でしょ。
そちらの県はクラブチームってないんですか?
Unknown (Unknown)
2013-10-11 20:51:31
面白いブログを見つけたと言われて見にきました。

これからの日本のスポーツ。部活動のあり方とは、。と言う感じで論文書く参考にさしてもらいます。

部活動が盛んな、先生独りよがりなスポーツは世界で通用してませんね。
一部分 (kaneko)
2013-10-14 08:14:26
「強い選手は適当に練習する」 → これも全員に当てはまる話ではないと思っています。強い選手の中には全力で練習をする選手もいます。実際の所、それほど練習をしなくても強い選手がいるという事実はあると思います。

「クラブチームを作れば・・・」 → 部活動は教育活動の一環として考えています。ここの部分は以前から非難されています。「学習指導要領」の中にも「部活動」は位置づけられています。「楽しくやりたい」「強くなりたい」というのが部活動なのかクラブチームなのかどちらなのか。私自身も考えていきたいと思います。

「部活動のあり方とは」 → サッカーなどは小さい時からクラブチームで活動を行うのが多いですね。硬式野球は中学から硬式、高校は甲子園を目指す。クラブチームの実態は私には分かりません。勉強します。

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