脱法ハウスを考えるブログ(脱法ハウスドットコム)

建築士の視点から脱法ハウス問題を取り上げてます。
違法ハウスを合法にするポイントも解説しています。

脱法ハウス マスコミの変な幕引きに警鐘(6/29管理人の意見)

2013年06月29日 04時37分24秒 | 最新情報
2013/6/27に、千代田区神田のマンボーレンタルオフィスが
今月末に閉鎖され、数十名の利用者が退去を迫られ、
るという問題に関して、東京地裁の和解がなされ、
向こう3ヶ月の退去期限の延長の措置とその間の家賃(?)
の減免にて和解が成立しました。

各マスコミがこぞって取り上げ、一緒に要請活動を行った
NPO3団体も声明と追加要望を出し「自分たちの成果」と
アピールに躍起です。

が?
これで問題解決でしょうか?

・3ヶ月後彼らは何処へいくのか? それは変わらないのでは
・国交省は、違反指導はするが、退去後の受け皿は作ったのか?
建築の部署以外、国からは何の対策も出されていない
・中野のマンボーの居住者は今どうしている?
・墨田の倉庫の居住者は今どうしている?
同じような追い出しにあっているのでは?
・中野のマンボーの元居住者は結局のところまた、
同じような別のグレーハウスにしか住めていないのでは?
(福祉事務所が似たようなグレーハウスを紹介していたら、
後ろ指を指されるでしょう。中野区はちゃんと調べたか?
当ブログ「脱法ハウスに行ってみた」の記事から、グレーな
シェアハウスが近傍にありえることの警告です。)
・墨田区の脱法シェアハウスは指導や是正はされたのか?
・今後国交省の調査で明らかになった脱法ハウスの居住者は今後どうなる?
・マンボーはまだ話し合いのテーブルにつくだけ、まだ、いい業者では?
・もっと劣悪、複雑、水面下で居住している人はいないだろうか?
・シェアハウスのオーナー&ユーザーは来るべき
「手入れ」にどう対応していくのか?

結局のところ
「今回のマンボー閉鎖期限の延長」
は問題を先送りしただけで、実は
「何の解決にもなっていない」
のです。


例のNPOが6/27に国交省に追加要請した、
把握している違法行為の恐れのあるシェアハウス等のリスト
を7/3までに開示するよう要求しているそうです。
劣悪な居住環境にいる人が少ないといいなと思う一方、
以前シェアハウス協会の方が言っていた、
「1700軒19000床を超えるシェアハウスのうち、
薄いグレーを除くとグレーが4割、ブラックが2割」
からすると、千件程度違法シェアハウスが出て来ていいのでは?
逆に報道された4区の4件だけだったら、「国交省何やってるん?」
と思ったりします。

法規のページでも今後紹介していきますが、
脱法ハウスを合法ハウス変えるには大変な手間と費用がかかります。
また「部屋の大きさを7m2にする」
「燃えやすい壁を燃えにくいものにする」
「廊下の幅を避難できるようにする」
と、このどの一つをとっても
「居住者を退去」させないと改造できないのです。
せっかく、オーナーと行政で解決の糸口を見つけても、
大臣が選挙対策で速やかに是正させると一所懸命になるほど、
NPOが劣悪な脱法ハウスは即効無くすべきと吠えるほど、
彼らの意図しないところで益々退去者が増えてしまいます。


弱いものを助ける振りをしつつ、本心はどこにあるのか
わからないマスコミやNPOを私は好きにはなれません。
(もっとも、建築士の仕事に繋げたい私も、近いかもしれません)
技術者の私にできる事は、自分の想いと技術を小さく伝えるだけ。
したがって毎日新聞とNPOの活動に期待せざるを得ないのです。



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