我が生家にとって、重い「10月13日」・・・そして警察庁広域重要指定113号 勝田清孝事件 〈来栖の独白2016.10.13〉

2016-10-13 | 日録

〈来栖の独白 2016.10.13 Thu 〉
 本日(10月13日)は、私の父(藤原)の祥月命日である。享年34歳。長く患っていたカリエスに腹膜炎を併発して、逝った。私が小学校6年生の時だった。
 その3年前、祖母が亡くなっている。祖母は10月13日に倒れ、10日間、意識不明のなかで苦しみ、病臥していた私の父(祖母には息子)を親族が布団ごと祖母の所へ運び、父(息子)が「母さん、すまんな、俺のために」と声をかけた、その瞬間、息が切れた。10月23日。
 過去のエントリでも書いたと思うが、私の父は、母が妊娠に気づいたのと同時期に結核を発症し、その後、徐々に寝たきりとなった。
 母は姑と折り合い(仲)が良くなかったこともあって、やがて幼い私を連れて実家(倉敷)へ戻った。私は義理の家で、子供心にも複雑な思いの中、遠慮して育った。母の実家には、戦争未亡人となった母の姉とその娘も居候していた。私には、「戦争遺児」である従姉が羨ましく見えた。「戦争遺児」という単純さに比して、「生別」という複雑さに、私は喘いでいたのだった。
 そんなある日、藤原家の祖母が、倉敷へやってきた。母たち、倉敷の家の一同に頭を下げ「どうか、帰ってきてほしい。医師の云うところでは、息子が『長くない』のです」と言った(そうである)。
 母は、相当迷い、倉敷の家族は「出たり入ったりするな」と怒ったそうだ。私の母は、倉敷で公立学校の教員をしており、藤原家へ帰るとなれば、転勤であり、簡単ではなかったろう。
 私に記憶はないのだが、唐突に「お母さん、御父さんの所へ帰りましょう」と言ったらしく、母はびっくりして、帰ることを決心したそうだ。年度が新しくなろうとしていた。
 藤原家は、倉敷に比して貧しかったが、私はやっと伸び伸びと日々を過ごせるようになった。祖父母は可愛がって尊重してくれたし、当然、家族・親族への遠慮は解消された。自分が主人公だった。
 その秋、10月13日、祖母が脳卒中で倒れた。後になって、祖父が述懐したところによると、祖母は一つの願い事をしていたそうである。「自分の命を3年縮めて、その分、息子を生きさせてやってほしい」と。「息子に、嫁と子との生活を、送らせてやってください」と。
 神様が存在するのか否か、私には分からない。が、祖母が倒れ、意識不明になった10月13日から3年後、父は亡くなった。
 聖書は云う。「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない」(ヨハネ15章13節)と。命も意地(プライド)も諦めて息子の幸せ(親子の3年の生活)を祈った老母の一途を、神は無視できなかったということだろうか。・・・
 祖母も父も10月に亡くなったことで、私たち藤原家所縁の者(祖父や父の妹)は、10月を何やら重い、特別な月と考えるようになっていた。私の生誕日は、10月30日である。
 「10月」に拘っていた私だったが、後年、勝田清孝を母の養子として迎えたころから「10月というのではなく、①と③に縁があるのではないか」と、こだわりにやや変化が生じたようだ。
 藤原(勝田)清孝死刑囚は、11月30日に刑執行されている。彼の事件は「警察庁広域重要指定113号」である。生前、彼自身、数多の①と③に縁のある自己の事例を私宛の手紙に書いて寄越したことがあった。
 思わせぶりな(?)10月だけれど、私はこの季節が好きだ。暑い夏がようやく過ぎ、木々が紅葉する・・・、そんなこの季節が大好きだ。我が家の庭に、秋明菊が咲いているのを本日、発見。なんと、清楚で愛らしく、美しいのだろう。

   

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「遺言書」藤原清孝 ■ 最期の姿 ■ プロフィール
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2 コメント

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Unknown (ひろ)
2016-10-15 11:58:44
こちらのブログを読ませていただき
深い想いの庭に咲く秋明菊の白さが心に響きました。

私にこの花をくださった方は姉妹共に障害1級の方。
状況に負けない花のように清々しい方達です。
人それぞれ違った道を歩いているのだなぁと思う
この頃です。
Unknown (ゆうこ)
2016-10-15 20:15:42
ひろ様
 コメント、ありがとうございます。

>私にこの花をくださった方は姉妹共に障害1級の方。
状況に負けない花のように清々しい方達です。

 それぞれの人生、尊いと感じます。教会に、ALSに罹患している友人がいます。周囲に遠慮して生活しています。「神様、どうして?」と問わないでいられなくなりますが・・・、彼女の人生なのですね。

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