脱原発 阻む「事務局」 官僚が結論誘導/ 人事権で政治主導を

2012-02-25 | 政治(原発)

脱原発 阻む「事務局」 梶山恵司・元国家戦略室員に聞く
中日新聞 特報 2012/2/17日Fri.
 「脱原発依存」が空文化しかねない状態だ。原発をめぐって政府は有識者会議を数多く設け、原発批判派もメンバーに加えたが、その効果がなかなか見えない。「それは事務局を原子力ムラの官僚たちが握っているためだ」。昨年10月まで2年間、内閣官房国家戦略室で民間任用の審議官を務めた梶山恵司氏(現・富士通総研主任研究員)はそう語る。民主党が掲げた政治主導がいかに色あせたのか。梶山氏に聞いた。(小倉貞俊)
【官僚が結論誘導 人事権で政治主導を
 「民主党政権の掲げた政治主導が危機にさらされており、官僚主導に戻りつつある。脱原発の行方も危うい」。梶山氏はこう切り出した。
 梶山氏は約10年間、外務省職員を務め、民間へ転身。林業再生で意気投合した菅直人前首相(当時は国家戦略担当相)に請われ、2009年11月から11年10月まで戦略室に在籍した。
 戦略室は「省益」の壁を越えて、政治主導をけん引するはずだった。だが、官僚の壁は厚かった。それは「脱原発依存」という民主党政権の看板が事実上、換骨奪胎されている現実に重なる。
 梶山氏が官僚側の思惑を貫く装置として強調するのは、各種有識者会議の事務局の存在だ。「政府が意思決定をする過程で、最も注目すべきなのが会議体のあり方だ。一般には雑用係とみられがちな『事務局』にこそ権力の源泉がある」
 裏方を官僚が仕切る限り、会議メンバーの人選や検討課題の設定を通じて、結論まで操られてしまうのだという。
■存続が前提に
 脱原発をめぐる議論においても例外ではない。エネルギー政策を見直すため、政府が設けた3つの会議で見てみよう。
 エネルギー基本計画を各省の壁を越えて見直すことが狙いだった「エネルギー・環境会議」。本来、原発の存廃という白紙状態から論議されるはずだったが、昨年7月末の中間報告では、脱原発への具体的な道筋は一切示されなかった。
 7月の会議での「当面のエネルギー需給安定策(案)」という事務局作成の文書には「再起動も含め原子力安全対策を徹底するという国の姿勢を明示する」と記されており、事実上、原発の存続を明確にしている。
 同会議の事務局は国家戦略室にあるが、10人ほどいる事務局のメンバーのうち、トップの内閣審議官以下、過半数が経済産業省からの出向組だ。梶山氏は「いわば経産省の別動隊が、会議の方向性を誘導した」とみる。
 次に内閣府が所管する「原子力委員会」。原子力政策大綱の見直しなどを委員会内の新大綱策定会議で進めている。
 ここには脱原発派の委員もいるが、昨年10月の会議では、事務局作成の「安全確保に関する議論のポイント」という資料に「日本として原発の安全性を世界最高水準に高めていく首相方針は、どのようにして達成していくのか」と明記されていた。結論ありきだ。
 事務局には現在は五人の経産省出向者が在籍。電力会社や原発メーカーからの出向組職員もおり、梶山氏は「福島原発事故などなかったかのごとくだ」と憤慨する。
 経産省自体が運営する「総合資源エネルギー調査会基本問題委員会」はいわずもがなだ。野田佳彦首相の「可能な限り原発への依存を減らす」との方針に基づき、エネルギー政策の見直しを討議するのが狙いで、複数の原発批判派委員も選ばれている。しかし、「実際はただのガス抜きだ」と梶山氏は酷評する。
 12月の会議で配られた事務局作成の論点整理には「原子力発電への依存度をできる限り低減させること」で「概ね見解の一致を得た」と書かれており、原発批判派委員から批判が噴出した。
■時間切れ狙い
 とりまとめは廃止と維持の両論併記になる見込みだが、梶山氏は「時間切れを狙うのが、官僚の常套手段。会議は事務局の設定する議題に沿って進められる。描いたシナリオ通りにもっていこうとするのが官僚のいつもの手口」と推測する。
 黒子こそが黒幕であるという実態に、梶山氏は「政治主導ならぬ“事務局主導”だ」と話す。これは原発関連の会議に限らない。最近では、八ッ場ダム(群馬県)建設の是非を検証する各種有識者会議で、国土交通省が委員を建設推進派で固めたケースもあった。
 こうした官僚主導を制御することは容易ではない。象徴的だったのは、長妻昭元厚生労働相だ。長妻氏は「役所文化を変える」と官僚に次々と指示を出し、猛反発を受けた。結局、信頼関係を築けずに、丸1年で省外へ去ることになった。
 官僚に対抗し、政治主導を貫くにはどうしたらよいのか。梶山氏はチームを強調する。「首相や大臣が一人で対応するのは不可能。役所の内外から信頼できるスタッフを集めることが必要だ」
 さらに「事務局主導」の手法に対しては、人事権の行使が欠かせないという。「大臣は自らの権限で、事務局トップに省益に固執しない人物を選ばねばならない。官僚は政治家が人事に介入することを恐れる。常に人事権を行使できることを示しておく必要がある」

            
■各組織で仕切り役
 梶山氏が挙げた3つの会議以外にも、政府内にはエネルギー政策や原発事故関連の組織が乱立している。仕切り役はいずれも経産官僚だ。
 エネルギー政策では昨年11月「電力改革及び東京電力に関する閣僚会合」が発足。事務局は内閣官房だが、検討課題の設定は経産省内の「電力システム改革に関するタスクフォース」が担当している。
 ここが昨年12月にまとめた論点整理をたたき台に、二日に初会合を開いた総合資源エネルギー調査会・電力システム改革専門委員会が、電力制度改革の具体策を詰める段取りだ。
 高速増殖原型炉「もんじゅ」などがトラブル続きの核燃料サイクル政策は、原子力委員会の小委員会がコストを再検証しているが、事務局が経産省の影響下にあることは梶山氏の指摘通りだ。
 原発の再稼働をめぐっては、経産省内の「意見聴取会」がフル活用されている。再稼働に必要な安全評価(ストレステスト)の報告書を審査する聴取会には後藤政志・芝浦工業大講師、井野博満・東京大名誉教授の2人の脱原発派が名を連ねているが、圧倒的多数は推進派の学者。原子力業界から寄付を受けていた一部委員が批判されたが、同省は「利益相反には当たらない」とかばった。
 唯一、なかなか主導権を握れないのが、再生可能エネルギーの買い取り価格を算定する第三者機関「調達価格等算定委員会」のようだ。
 委員5人の人選には国会の同意が必要。だが、政府が民主、自民、公明の3党の意見を踏まえて提示した人事案には、再生エネルギー促進に後ろ向きな経団連幹部が含まれていた。このため、他党が反発し、同意は得られていない。(佐藤圭)
<デスクメモ> 政治家の決意とともに、梶山さんは官僚に省益を優先させない制度変革が必要だと説いた。官僚が政策変更を嫌うのは、天下り先を損なう恐れがあるためだ。天下りは彼らの人生設計の一部になっている。しかし、役人の老後が政策の柱ではたまらない。梶山さんは公務員制度改革が不可欠だと訴える。(牧)
*かじやま・ひさし
 富士通総研主任研究員。外務省職員を経て、富士通総研などに勤務。規制改革会議専門委員などを歴任後、2009年11月から2年間、国家戦略室で民間任用の室員を務めた。専門は森林・林業再生、エネルギー問題など。1954年生まれ。
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民主党大会 小沢氏演説=この理念に沿った政治をこの国が渇望しないはずがない2010-09-15 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 民主党代表選に於ける小沢一郎氏演説
〈前段略〉
 さて、今回の立候補にあたっては、今日の危機的な政治経済事情の中で、果たして自分にその資質があるだろうか、政治の最高責任者として国民の生活を守るというその責任を果たすことができるだろうか、と本当に悩み、自問自答いたしました。それにもかかわらず立候補を決意をしたのは、今、政治を変えなければもう間に合わないという、私の切実な思いを正々堂々、世に問いかけたかったからであります。
 思い起こせば、私は27歳で衆議院議員に初めて立候補した際、選挙公報にこうつづりました。「このままでは日本の行く末は暗澹たるものになる。こうした弊害をなくすため、まず官僚政治を打破し、政策決定を政治家の手に取り戻さなければならない」と。意志なき政治の行き着く先には国の滅亡しかありません。日本は敗戦を経て本質は変わっていないのではないか。若かりしころの、感じたその思いは初当選以来、いまなお変わっておりません。
 今日、わが国はデフレによる経済の収縮、少子高齢化の既存の社会制度のギャップによる不安など、経済も社会も危機的な状況に陥っております。
 世界で最も層が厚かった中間所得層が解体され、ごく少数の富裕層と数多くの低所得層への分化が急速に進んでおります。日本が誇った社会保障制度も崩れつつある中、2年後には団塊の世代が年金受給者となる日を迎えます。
 今、日本は、最も大事にされなければならないお年寄りがいなくなっても誰も気づかず、また、就職できない多くの若者が絶望感にさいなまされ、若い親が育児を放棄しわが子を虐待する。もはや高度成長がいろいろな問題を覆い隠してくれた時期はとうに過ぎ去って、社会の仕組みそのものが壊れています。そしてまた、日本人の精神風土も興廃し始めていると思います。
 今、ここで政治を見直し、行政を見直し、国のあり方を見直さなければ、もう日本を立て直すことができないのではないかと思います。多くの国民の皆さんも同じように感じていたのだと思います。昨年、われわれ民主党に一縷の思いを託し、政権交代を実現させていただきました。しかしもう1年が過ぎ、残された任期はあと3年であります。
 私たちは今、直ちにこの3年間を国の集中治療期間と位置づけ、徹底した改革を断行し、実行していかなければなりません。しかしその改革は明治維新以来140年続く官僚主導の政治を、根っこから国民主導、政治主導に変えなければとても成し遂げられるものではありません。私の頭の中を占めているのはその思いなのであります。
 しかし、私は官僚無用論を言っているわけではありません。日本の官僚機構は世界に冠たる人材の集まっているところであると考えております。問題は政治家がその官僚をスタッフとして使いこなし、政治家が自分の責任で政策の決定と執行の責任を負えるかどうかということであります。
 私は40代でたまたま国務大臣、自民党幹事長に就任するという機会があり、国家はどう運営されているのか、その実態を権力の中枢でつぶさに見続けて参りました。そこで見た官僚主導の、例えば予算作りでは、各省のシェアが十年一日のごとくほとんど変わることがありませんでした。官僚組織というのはそういうものであります。
 その中で私は、自民党の中にいながらこの改革は無理であることを骨身に染みて分かりました。だからこそ、政権与党である自民党を飛び出して、真にしがらみのない政党を作り、政権を変えるしかないという決意をもってこの17年間、政治活動を続けて参りました。
 改めて申しあげます。昨年、政権交代が実現したのは、こんな日本を何とか変えてくれ、という国民の悲痛なまでの叫びからだったはずであります。この声に応えようと、菅総理大臣始め閣僚の皆さんが一生懸命に取り組んでおられることを否定をするものではありません。
 しかし、政治と行政の無駄を徹底的に省き、そこから絞り出した財源を国民の生活に返すという、去年の衆院選挙マニフェストの理念はだんだん隅においやられつつあるのではないでしょうか。実際に来年度の予算編成は、概算要求で一律10%カット。これではこれまでの自民党中心の政権と変わりません。財政規律を重視するという、そういうことは大事なことではありますけれども、要は官僚の抵抗で無駄を削減できず、結局マニフェストを転換して国民に負担をお願いするだけではないでしょうか。これでは本当の意味で国民の生活は変わりません。
 私には夢があります。役所が企画した、まるで金太郎あめのような町ではなく、(地域の特色にあった町作りの中で、お年寄りも小さな子供たちも近所の人も、お互いがきずなで結ばれて助け合う社会。青空や広い海、野山に囲まれた田園と大勢の人たちが集う都市が調和を保ち、どこでも一家だんらんの姿が見られる日本。その一方で個人個人が自らの意見を持ち、諸外国とも堂々と渡り合う自立した国家日本。そのような日本に作り直したいというのが、私の夢であります。
 日本人は千年以上前から共生の知恵として、和の文化を築きました。われわれには共生の理念と政策を世界に発信できる能力と資格が十分にあります。誰にもチャンスとぬくもりがある、豊かな日本を作るために、自立した国民から選ばれた自立した政治家が自らの見識と自らの責任で政策を決定し実行に移さなければなりません。
 そして、霞ヶ関で集中している権限と財源を地方に解き放ち、国民の手に取り戻さなければなりません。そのため、国のひも付き補助金を順次すべて地方への一括交付金に改めます。これにより、地方では自主的な町作りやインフラ整備が可能になります。国、地方を通じた大きな節約効果と、そして地域経済の活性化が期待できます。また、地域での雇用が生み出され、若者がふるさとに帰り、仕事に就くこともできるようになります。
 国民の皆さんにご負担をお願いするのは、ここにいる皆さんがありとあらゆる知恵を絞って、できることすべてに取り組んでからでいいはずであります。そしてそれが、昨年の総選挙で民主党と国民との約束でなかったでしょうか。
 衆議院の解散総選挙はこうした改革に与えられた任期を費やして、その結果を出してからのことであります。官僚支配の140年のうち、40年間、私は衆院議員として戦い抜いてきました。そしてようやく官僚機構と対立できる政権の誕生にかかわることができました。われわれは国民の生活が第一の政治の幕開けにやっとこぎつけたのであります。
 官僚依存の政治に逆戻りさせるわけにはいきません。それはとりもなおさず、政治の歴史を20世紀に後戻りさせることになるからであります。私は代表になってもできないことはできないと正直に言うつもりであります。しかし、約束したことは必ず守ります。
 こう断言できるのは官僚の壁を突破して、国民の生活が第一の政治を実行するのは、最後は政治家の志であり、改革のきずなで結ばれている皆さんとなら、長い時代の壁を突破できると信じるからであります。そして私自身は、民主党の代表すなわち国の最終責任者として、すべての責任を取る覚悟があります。
 今回の選挙の結果は私にはわかりません。皆さんにこうして訴えるのも、私にとっては最後の機会になるかもしれません。従って最後にもう一つだけ付け加えさせてください。
 明治維新の偉業を達成するまでに多くの志を持った人たちの命が失われました。また、わが民主党においても、昨年の政権交代をみることなく、志半ばで亡くなった同志もおります。このことに思いをはせるとき、私は自らの政治生命の総決算として最後のご奉公をする決意であります。そして同志の皆さんとともに、日本を官僚の国から国民の国へ立て直し、次の世代に松明を引き継ぎたいと思います。
 そのために私は政治生命はおろか、自らの一命をかけて全力で頑張る決意であります。皆さんのご指示、ご理解をお願いいたしまして、私のごあいさつといたします。ありがとうございました。
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 憲法第13条
 「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする
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