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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

男の編み物、橋本治の手トリ足トリ

2008-12-16 23:39:43 | 好きな本
タイトル、「編み物」と書いて「ニット」と読みます、ルビが振ってあります。
1983年初版らしいですが、私の持っているのは1989年新装初版。河出書房新社。

読んで字の如し、男のための編み物の本です。
編み物なんて、やったことのない男の人にも、セーターが編めちゃう本です。
まちがいありません、私は、書いてあるとおりにしてセーターを編みました。

この本を買ったのは、平成3年か4年ころか、
当時(今もたまに読むが)橋本治を読んでたのが先だったか、
漠然と“編み物やってみたいな”と思ってたのが先だったか、
経緯は定かぢゃないけど、この本を見つけて、
そして編み棒と毛糸を買ってきて、私はセーターを作りました。

どうすればセーターを編めるか、この本以上にわかりやすいものはありません。
その後、セーターのデザインとかの参考にするために、
いわゆるフツーの編み物の本をいくつか買いましたが、
(それにしても、編み物の本なんてえのは、たいがい女性が
「彼のセーター」か何かを作ってプレゼントするためようのものなので、
タイトルとかもそんな感じで、男が買うのがこっ恥ずかしいもんです。)
そーゆーのを見ても編み物はできるようにならないことがわかりました。
でも、この本は読んで、書いてあるようにすれば、
セーターができちゃうのがすごいところです。

どーして、できちゃうのかというと、
具体的には、バカでもわかるようなイラストが描いてあることと、
編み物なんて伸び縮みするから適当でもいいんだよとか、
初心者はヘタなんだからヘタでしょーがないじゃんとか、
って考え方が語られてるところだと思う。
マフラーなんてつまんないもの編んでるから、
ひとつのものを完成できないんだよ、っていう感じのところも面白いです、
やるなら、やっぱいきなりセーターからだよなって思わされます。

それでいて、ときどき、「社会性のない男ってゴミ」とか、
「セーターの模様と“戦後の自由”との関連」とか、
実用書のふりして隠されている哲学が垣間見えます。
そのへんのとこ、どーしてこんな本書いたのかってことは、
同じ著者の『「わからない」という方法』(集英社新書)に書いてあるのを、
最近になって読んで知りました。詳しくはそちらを。

で、また改めて、このセーターの本を久しぶりにひも解いてみる気になって、
読んでたら、また久しぶりに編み物をやってみたくなってきた、今日この頃。

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