many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

作家の値段

2010-05-16 20:21:03 | 読んだ本
出久根達郎 2007年 講談社
きのうからは、本屋つながりで。(ってギャグマンガから飛んでくるのは邪道か?
古書店を営むという作者の、文学論というか作家論というか。
登場する作家は、司馬遼太郎、三島由紀夫、山本周五郎、川端康成、太宰治、寺山修司、宮澤賢治、永井荷風、江戸川乱歩、樋口一葉、夏目漱石、直木三十五、野村胡堂、泉鏡花、横溝正史、石川啄木、深沢七郎、坂口安吾、火野葦平、立原道造、森鴎外、吉屋信子、吉川栄治、梶井基次郎。
でも、文学史みたいなつもりで読んでくと、やっぱ違って、古本の値段の付き方のほうが目立つ。
本体の状態が美しいかどうかだけでなく、カバーとか、箱とか、帯とかの価値についての記述が、どうしても興味ひかれちゃう。
たとえば、三島由紀夫の章では、>昭和24年2月28日、講談社刊『宝石売買』は定価150円だが、帯付きは珍しく、あれば70万円、帯無しでも8万円。同年7月5日、河出書房刊、定価200円の『仮面の告白』は、カバー帯付きの美本なら50万円。帯無しで4,5万円。
 てな具合。
ちなみに、私自身は、前にどっかに書いたかもしれないけど、「本は、飾るもんぢゃなく、読む物」主義なので、ガキのころは本を買ってもらうと、うちに帰った瞬間に、箱とかカバーとかグチャグチャにして捨てちゃってた。
でも、読みたくて欲しかった本は、何回も読んで、いつでもどこに何が書いてあるか指し示せるくらいだったから、買い与えた親は喜んでくれて文句言わなかったけどね。
なので、本の価値は中味にあって、外観は関係ないと、心の底では思ってるんだけど、将来古本屋になりたいからには、こういう知識もちゃんと身につけなきゃなーと考えさせられる。
コメント
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