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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ダイホンヤ DAI-HONYA

2010-05-14 21:34:26 | 好きな本
とり・みき/田北鑑生 2002年早川書房版
(初出は「月刊アスキーコミック」92~93年で、単行本は93年にアスキー出版局から出てたらしい。)
えーと、唐突ですが、マンガだけど「好きな本」に入れたくなる一冊です。
ちょっと前に実用書としての“手紙の書き方”をとりあげたんですけど、本作品中に、主人公である「書店管理官」のつくった同人誌『実用手紙文通信』というのが出てくるんで、まあ敢えて言えば、そんなつながりです。

書店管理官というのは、書店を舞台にした犯罪を防ぐ存在ですね。
どうして書店犯罪が増加したかっていうと、本を憎んだり、非合法化して地下にもぐった同人誌の一部がゲリラ化して、本屋に対してテロ行為を行うようになったからで。
なんで、同人誌つくるような本好きが非合法化したかっていうと、大資本が出版権・販売権を独占して著作権を強化したからに他ならない。
なんで大資本の巨大書店が独占をするかっていうと、「書店法」が施行されて出版物の管理が進んでしまったからで。
なんで「書店法」なんて法律ができたかっていうと~…。

ほら、ギャグマンガの設定を解説してみても、おもしろくもなんともない。
わざと逆からいってみたけど、やっぱりわけわかんない。
ま、大事な設定であることは確かなんだけど、そんなこと理解できなくても、このマンガは面白いです。
要は巨大書店を舞台に繰り広げられるドタバタなんですが。
なんせ本筋とはちょっと違う感じで、2ページに1回くらい、特有のボケがかまされるんで、スピーディーにあちこち振り回されて笑わされます。

また敢えてギャグマンガの一部を抜書きしても面白くも何ともないのを承知で抜粋すると、私の好きなのは、つぎのようなボケ。
主人公が身分証明書を提示して、「まず私に与えられている権限から説明させてもらう」と捜査官なりの挨拶をするかと思いきや、
次のコマで“天正三年五月二十一日 織田信長・徳川家康の連合軍は新兵器・鉄砲を有効に用い、武田勝頼率いる一万三千の騎馬軍団を打ち破った 世にいう『長篠の戦い』である”と唐突に歴史の講釈が語られる。
そこへ、「長くなるからやめてください」と、フツーのツッコミが入って、本題に戻るんだが、これのどこがおかしいかというと、私も笑ってはいるんだけど、ちょっと説明できない。
でも、その11ページあとに、書店の社長が出てきて、朝の開店前の訓示を社員に述べる。
「では最後に当社創業の際の逸話をひとつ紹介して、今朝のあいさつのしめくくりとする」
と言った次のコマで“2億年前、地球にはまだパンゲアと呼ばれるひとつの大陸しかありませんでした”と古生代の地球について語りだす、上には上のボケが出てくると、やっぱ私は爆笑しちゃうんである。
私は、これがかなり気に入ってるんで、自分で使っちゃうことがあります。(ウケるウケないはどうでもいい。)
たとえば、競馬について何か教えてくれと言われたときに、「どっから?最初っから?」って言って、相手がうなずくと、「近代競馬の発祥は、18世紀のイギリスに端を発すると言われています…」とか言う。
ただし、知識が浅薄なので、早いとこ「そこからですか!?」とつっこんでもらうのを待っているんだけど。
コメント
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