★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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義腕の男2(80)

2017年05月11日 | 短編小説「義腕の男2」
 次に意識が戻ったのは、暗く湿っぽい部屋のベッドの上だった。
 ゴウン・・ゴウン・・と腹に響くような低音が部屋を揺すっていた。
 ほのかな潮のにおいがする。船・・いや、潜水艦だ。脱出プランに載っていたようにノスリルの潜水艦に辿りついたようだ。
 自分のいる場所はなんとか判別できたが、まだ意識は混濁しているし、何より全身が異様にだるかった。
「軍医、患者が眼を覚ましました」
 俺のベッドのすぐそばに立っている若い乗組員らしい男が、俺の足元付近にいる男に話しかけた。
 部屋の中には、俺とその二人しかいないようだ。
「ふむ、今起きられても手の打ちようがない。到着までまだ2時間もあるな。鎮静剤をあと5mm静注してくれ」
 どうやら俺には寝ていてもらいたいらしい。何かが俺の体に起こっているようだ。それにこんなに体がだるいんじゃ起きあがることは多分不可能だ。そんな俺の体のことよりも博士がどうなったか一番心配だ。
「あの・・」
 俺は、疲れ切った全身の中からしゃべる気力をかき集め質問しようと試みたが、そんなことは全く無視され、左腕に注射を打たれた。
 即効性なのか、瞬く間に意識が吹っ飛んでいった。
  
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小説
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