★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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義腕の男2(77)

2017年03月27日 | 短編小説「義腕の男2」
 ヤツの生存を確認した俺は、ニードルガンの残骸のニードルだけを握り締め、注意深くコンテナの奥に進んだ。銃火器がほしいところだが仕方ない。
 白いドアがひとつある。雰囲気的に金属製ではなく何か軽い樹脂製のようだ。空飛ぶコンテナだから軽量化を図っているのだろう。
 他に出入り口らしいものは何もない。コンテナのサイズから考えて、他にスペースは無い。博士はこのドアの中にいる。
 だが、俺の第六感が何かを訴えかけてきた。今まで数多くの危険を潜り抜けてきた警戒心のアラームが頭の中で鳴りだしたのだ。
 その時、ドアの中から女の子の悲鳴が聞こえた。
 咄嗟に、俺はドアノブに右手をかけた、、と同時に乾いた連続音とともに胸部に強烈な衝撃が走り、後ろに吹き飛ばされた。
 息ができない。胸に3箇所ほど燃えるような痛みが広がってる。
 白いドアの方から、狂ったようなけたたましい笑い声が聞こえてきた。
「ひゃ、ひゃ、ひゃ、ひゃ、、やったぜ~~」
 聞き覚えのある声だ。
 痛みに視覚がぼやけながら声のする方を見ると、白いドアの丁度俺の胸の高さ辺りに、横一列に銃跡があった。ドア越しに部屋の中からマシンガンで撃たれたのだ。
 その穴だらけの白いドアがゆっくりと開くと、サブマシンガンを構え興奮で顔を紅潮させた男が立っていた。
Mr.Rだ。
 パワードスーツを着ているせいで他の部分の状態はわからないが、顔中がガーゼやら、絆創膏やらでミイラ男のようになっている。


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