絵本と人との関係

「第一回日本絵本研究賞受賞作品」の「長期入院児のための絵本の読みあい」という論文を読みました。
入院児のための研究ではありますが、とても興味深いものがありました。

「読み聞かせ」でなく「読みあい」での子どもとの交流について書かれています。私は、これは入院児だけでなく、一般の子どもでも関係のあることだと思いました。
その140ページから引用します。
「こうした研究・実践を重ねて、30年以上の時を経たが、絵本と人との関係性についてのまなざしは、どれだけ変化しただろうか。子どもの本についてはいまだに、よい本と好ましくない本の線引きに囚われた議論がなされ、読む者と聴く者との関係性や、そこから生み出される物語の意義は、十分に理解されていないことが多い。実践者がこのような絵本観に留まるなら、型にはまった読み方に陥ったり、子どもとの人間的な関係の深まりよりも表面的な反応の良し悪しのほうに流されるようなことが起こってくる。」

ほんとうに、いまだに本や読み方の良しあし、固定化した解釈、おまけに特定のお局様の顔色をうかがう様子、などが新潟市のボランティアに広がってしまっています。図書館が変わらなければと思うのですが、いまだに東京の方を向いて市民の方を向いていない。
ストーリーテリングも、完全に「良いものが分かる自分たちだけの、大人の集まり」として延々とお稽古発表会が続いています。そこに疑問をもつ人はいないのだろうか。

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