国際子ども図書館の講座

国際子ども図書館の講演録で、自分に関係のあるものを取り寄せて読んでいます。
平成30年度の「絵本と子どもの原点を見つめる」
令和元年度の「絵本からヤングアダルト文学まで」です。

特に気に入ったのが

30年度の冊子から                       
 ●「子どもの発達と絵本・読書」(秋田喜代美)の中で。
 児童期の発達と読書、の項目です。絵本の読み聞かせがどういう風に子どもの読書につながっていくかとか、言語能力とか論理能力への影響について書かれた部分。

 ●「絵本を読みあい育ちあう」(村中李衣)の中で。
 淡々と読むか抑揚をつけて読むかについて、指示を出しても意味がない、という部分。淡々と読んでも抑揚をつけて読んでも聞き手の脳の反応は変わりがない、という脳への機械を使っての調査結果。
それから、この作品に一番似合う額縁を考える、という部分。絵本を額縁の絵に例えて、きっちりした額縁が良いのか、流木で作った素朴な額縁が似合うのか、という見方。似合うという判断は人それぞれですが、その例えがとても好きです。「声の道」というのも、声の道は語る人によって違う、というのはとても合点がいきます。昔私が良書主義でやっていた頃、「声が先生みたいだね」と息子に言われてぎょっとしたことがあります。指示命令の声だったのですね。

  ●「絵本と子どもをつなぐ国際子ども図書館の実践」(福島清裕)の中で
 実演プログラム例を見て。今、私たちが絵本の会で学校訪問をしているときのプログラム構成に合っていたので、安心しました。とりあえず、この方向で進みます。

 

令和元年度の冊子から       
  ●「多彩なテーマで幅広い読者をつなぐ絵本の魅力」(細江幸世)の中で
 赤ちゃん絵本を「児童サービス」と「子育て支援」とに分けるということを聞いて、今までの自分の  もやもや がすっきりしたような気がします。林明子の『はじめてのおつかい』を見るときに、なんだか割り切れない気分だったのですが、これは「子育て支援」の絵本ではないかと思うのです。

 それから、絵に引きずられないように、というようなメッセージもわかりました。
 昔、絵本学会ができたときに、「今までの絵本の評論は児童文学に偏っている」などということが書かれていました。それを読んで「ああ、やっぱりそうだ」とうれしく思いました。これからは、絵や構造についての研究が表にでてくるのだなと思いました。
そしてそのあと、物語性よりも絵や構造で工夫された本がたくさん出てきて、今、反動として「物語を大切に」という主張が出てきました。だから、前に書いた児童図書館研究会の『子どもに定番絵本の読み聞かせを』という本の、言いたいこともわかります。
 でもね、昔の定番絵本は、言葉が古いんだと思います。新しく言葉を直して出版し直せばいいのに。ドン・フリーマンの『くまのコールテンくん』なんかもね、話はいいんだけどね、今の30歳くらいの人たちには、言葉がとても違和感があるみたいですよ。新しく言葉を直して出版しても、新潟市の図書館は55冊も買ってあるから、子どもに届かないんじゃないのかなあ。どうしてそんなにたくさん買ったのだろうかと思います。

 

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