神から人へ、人から神へ。
祈りのことばも、人の思いも、必ず実現し、
やがては神の休まる国に、神の集まる世とならん。
さにて本日何を問うや。
(記紀の奥義をお教え下さい)
さにても答えに答えがたし。問いの真の意味はいかに。
神代の世界のあやまてる記録の中にも真はあり。
真の歴史を伝えずとも、人は心し学ぶべし。
神代のあやまち、間違いを、人は学びて直すべし。
過去の出来事、事象にも、人の心の糧となる、
今世の学ぶべき、多くの教えは残るもの。
なれど、細かい史実には、こだわることこそ、迷いの素なり。
人の知りたき全てのことを、知りて何の役に立つ。
かえりてますます欲望目覚め、好奇心のみ募るもの。
人には、身丈に見合う、ことのみ知れば、それでよし。
多くの知識は邪魔なもの。かえりて今を生きる邪魔なり。
今こそ生きて悔いを残さず、明日に備えて今日を終われよ。
それさえなせれば、それにてよからん。
奥義というも、人それぞれに、己の器に見合いしもののみ。
全ての人に共通の、奥義はなければ問うも無駄。
己を磨き、己を深め、読み取る意味を深めればよし。
奥義は人から与えられ、他から頂くものにはあらず。
自ら求め、生きるものには、自然に生まれ、芽生えるものなり。
なれば、外に求める者は、我がまま勝手の怠惰の者なり。
求める思いは改めて、与える思いに変わるべし。
与えることこそ最も多くを手に入れるための最善の道。
無欲無心を範とすべし。
今に満たされ、豊かな者は、
己の内の神の恵みに、何の不足も不満もなし。
さなりて初めて神は人に、次なる教えも与え行かん。
さなりしまでに己を鍛え、静穏の境地で動じるなかれ。
器の小さき者ほど、小さき嵐にうろたえるもの。
器を浄め、静寂を、心の声に耳傾けよ。
教えは己の内より生まれ、己の生に力を与えん。
外から得られるものに頼らず、まずは己を見極めよ。
己を見つめ、省みよ。それのみでよし。
それさえ難し。高き教えも意味もなし。
器にあふれてこぼれゆかん。
神は人に見合いしことを、必要なだけ与えるもの。
今ある教えに満たされて、それさえ日々に行えばよし。
さにて本日、生きる根源、最も大事のことを教えし。
記紀の奥義もそのことならん。今ある位置を過つなかれ。
地に足を付け、根を張れよ。
浮草の如漂いて、流さる生に実りなし。
本日これにて教えを終わらん。さらなる精進、教えを祈らん。
さにて。
神の声を伝える人
ひふみともこさん著書 「続神誥記」より抜粋
※記紀(きき)とは、古事記と日本書紀の総称。
古事記の「記」と日本書紀の「紀」を併せて「記紀」という。
奈良時代に編纂された日本の神話、古代の歴史を伝える
重要な歴史書。序盤は神話そのものであり、執筆年代に
近づくにつれ歴史書としての性格が強くなる。
大神神社 狭井神社 三輪山の巫女
「三輪の祈り・ひふみの祈り」 http://kukurihime.blog.jp/