千代田法律・会計事務所 弁護士上條義昭

千代田法律・会計事務所 弁護士上條義昭日記

市民感覚では「遺産分割協議書」の偽造だが、市民感覚を欠く裁判官は遺産分割協議書偽造と見ない例

2017-05-17 12:28:16 | 政治・行政

今の裁判官の少なからずが消費者に売れない商品でも、売れると思って、構わず製造する生産者」の姿勢に似ているといえる消費者すなわち裁判所利用者の不満など「意に介さない」姿勢だからです。

「謙虚に消費者の学ぶ姿勢」が無いと、製造業者のケースでは商品を製造しても売れずに残り、倒産の危機に陥るが公務員である裁判官は、最高裁事務総局の型にはまった製品(判決)である限り、消費者が「とんでもない製品(判決)である」と不満を持っても倒産すなわち失業の不安も無く、「製品(判決)に不満を持つ方が間違っている。」という偏った独善の考え方が通用する世界です。

  彼らとしては、司法研修所で教えられたとおりの「要件事実への当て嵌め作業を忠実にした職人の作業に、何の文句があるか。」という発想しか出来ない人たちである。自らが消費者の感覚(市民感覚)を持っていないことの自覚が無く、強気の上からの目線丸出し です。

  彼らとしてこの「当て嵌め作業」の過程では、「良心に基づく判断」など入り込む余地無い。ただただ、当て嵌めた結果の完成品を「判決」という形で世に出せば、責任を果たした認識です。

 「要件事実への当て嵌め結果がおかしい」と感じる人もいるが、「判決で負けるよりも有利でしょ」と当事者を脅かして、その若干修正で和解させてれば事足りるという発想です。

  紛争の本質が何処に起因し、どういう形で収めるのが社会正義に叶うものかなど、彼らには及びもつかない発想です。 

 だから、裁判所を利用した者の18.6パーセントの人しか、訴訟制度の満足しないというアンケート調査結果が出てます(司法制度改革審議会「民事訴訟利用者調査」の2次分析。日本評論社)

 裁判所を利用した人81.4パーセントの人は、訴訟制度に満足していないのです。 

ところで、「遺産分割協議書」が出来上がるためには、相続人間で、どのような方法でも、被相続人の残した遺産に付いて、相続人全員が話し合って出来上がるものです

 「相続人全員が話し合い」の事実が存在しない限り、「遺産分割協議書」は出来上がらないものです

これは、市民社会の常識です。

 「遺産分割協議書」の例で見れば、今の一部の裁判官(東京地裁、そして東京高裁)の発想には、「相続人全員が話し合って出来上がるもの」という市民感覚から見たら常識である部分に関する重要性の認識が抜けてしまっているか、明らかに軽視しています

 それはやはり、机上の空論の発想だからであり、ケースによっては、殺人事件まで起きている市民社会の醜い争いを、裁判官の身の回りに起きる出来事として体験していないおめでたい存在になってしまっているからです。 

その意味で、「裁判官の身内」にそういうことでの被害者的人物が出て、初めて気づき、漸く市民感覚を身につけた裁判官のケースを目撃しました。

 これも、要件事実教育の欠陥が出ている典型です。

法律要件への機械的当て嵌め作業をすれば良い」仕事環境では、私人間の紛争が起きたのは、「何処に本質的な原因」があり、「どのように解決すること」が「当事者の合理的納得」の観点で適切なのか、という発想が基本に無い

そこのあるのは、「法律要件への当て嵌め作業」最優先であり、紛争の根本的解決は二の次の発想ゆえに、裁判所を利用したものには不満が残ってしまうのです。

 「眼光紙背に徹する見方」をし、「良心を最大限働かせる手法での判断」をする場合と決定的に異なる結論になってしまう。

 

平成7年に父親が死亡し、相続人が母親と男二人女一人のケースで、借地(時価1億円はする借地権)とその上にある建物の相続の件で、相続人4人で正式な遺産分割協議書が作られました。

そのときの協議では、借地権も建物も母親と長男、長女が3部の1ずつ相続し、母親が死亡したら母親の分は次男が相続する合意でした。借地権も建物も母親と長男、長女が3部の1ずつ相続することだけは文書にし、母親が死亡したら母親の分は次男が相続することは口頭の約束で済ませました。

当時は、母親も生きており、兄弟みんな健在であったために、長男を除いては皆兄弟だから、兄が弟妹を騙したり、出し抜いたりしないであろうと信じていました。 

その後、平成13年に、長男がその息子の歯科医院開業に必要な資金が無いことから、父親から相続した借地権と建物を、500万円位の銀行借入担保に入れることの協力を頼まれ、母親と弟妹は、兄貴を疑わずに実印と印鑑証明を預けました

 そうしたら、腹黒かった長男平成10年に地主を騙して借地契約書を長男単独名義にしてしまっており兄貴を疑わずに預けられた実印と印鑑証明を悪用して、平成13年に「全ての遺産を長男一人が相続する内容の遺産分割協議書」を偽造して、建物を長男名義にしてしまっていました。

 腹黒かった長男は、地主との借地契約書も、平成13年に偽造した「遺産分割協議書」も、他の相続人に見せずに居ました。長男は母親よりも先に死亡してしまい、その子が居る状態です。

 他の相続人が、長男による「地主を騙した上での借地契約書を長男単独借地人名義にしていたこと」「平成13年の遺産分割協議書で、全ての遺産を長男が承継すること」の偽造文書の存在を知ったのは、母親は死去した平成23年以降のことでした。

 他の相続人は、「長男による全ての遺産を長男が承継する遺産分割協議書の偽造」など予想も付かないことでした。 

この事案では、「平成13年の遺産分割協議書偽造」前に、相続人間で「遺産分割協議のやり直し」を行った事実は全く無かったのです

平成7年に、「借地権も建物も母親と長男、長女が3部の1ずつ相続」する内容の協議書が出来上がっているのですから、その後に、長男が一人で1億円は下らない遺産を承継するためには、6千万円、7千万円相当の多額の代償金を支払わなければならないこと、社会常識です。

そういう再分割の協議の事実が全く無いケースで、存在した事実は、長男の息子の歯科医院開業資金のために、銀行借入のため一時不動産を担保に入れることの協力依頼だけでした。

 この事件での裁判官は、「「遺産分割協議のやり直しを行った事実の損存否」には全く無関心です。

それは、民事訴訟法228条3項で、「私文書に本人の押印があるときには真正に成立したものと推定する。」という規定があるために、「平成13年に偽造された遺産分割協議書」に相続人全員の実印が押捺され、印鑑証明が揃っていること、を最優先する考えでの当て嵌めを優先するからです。

 平成7年の遺産分割協議書には、相続人全員の肉筆のよる署名の上で全員の実印が押捺されている事実が存在し、その後に「遺産分割協議のやり直し」の話し合いがされた事実が全く存在していなくても、不自然と感じない鈍感さです

 ここに「真相究明の姿勢ゼロ」であり、「要件事実当て嵌め最優先の発想」が読み取れます

「平成13年の遺産分割協議書が果たして偽造されたかどうか」には関心なく、その後の時間経過を重要視し、「平成13年に、兄貴を信用して、書面も見ないで実印を貸し、印鑑証明を渡した弟妹が悪いのだ。」という発想です。

 しかし、「兄貴にだまされたことを知らずに、兄貴を助ける意思で協力した弟妹」は、確かに「兄貴を信用した」落ち度があるけれども、「血のつながりある兄弟だから、兄貴が弟妹を騙したり、出し抜いたりすことはしないであろう」という信頼感から、兄貴の求めるとおりに協力したことでした。 

そうであるのに、兄を信用して書面も見ないで実印と印鑑証明を渡しのであるから、「平成13年の遺産分割協議書は偽造では無い。」とする発想が、今の官僚化した市民感覚の無い判決書き職人に堕落した裁判官の発想です。

 市民感覚からは、平成7年の父親死亡した年に、全員で話し合い、その後に署名押印した遺産分割協議書があるのだから、「再度の遺産分割協議」が全くなされたことも無いまま、長男以外の兄弟は「平成13年の長男により偽造された遺産分割協議書」が有効になることなど、予想つかないことです

市民感覚からは、長男偽造の遺産分割協議書が有効となってしまうと、弟妹は「亡父の遺産が1円も貰えない」著しい不合理さがあるから、いかに「兄貴を信用した落ち度がある」としても、「偽造された遺言書が有効になる」という論理には、納得がゆかないことです。

 これでは、「実印押捺された遺産分割協議書の存在」を最優先して、「真相究明」を遮断してしまうことであり、「ずる賢いもの」が裁判所でも結果的に保護され、得することであり、兄貴を信じて騙された弟妹は踏んだり蹴ったりの被害です。

 「遺産分割協議書の成立」過程には「相続人間の話し合い」の必要不可欠なことです。

 しかし、今の裁判官は「相続人間で遺産分割の再協議の内容の存否」は全く見ようとせず、「署名押印の整っている遺言書」と全く同じ発想で「相続人全員の実印押捺」があり印鑑証明があるならば、文書成立前の必要不可欠な存在たる「相続人間の分割協議の存否」は余計なことであると見る発想です。

 「遺言書」は作成者一人で完成出来ますが、「遺産分割協議書」は複数の作成者により完成するゆえ必ず「どのような形でも複数相続人間の協議の実態」が存在しないまま完成することあり得ないこと、弁護士のように現場体験があれば「常識」として分かることです

その話し合いで、取っ組み合いの喧嘩も起こるほど深刻な協議内容が存在するのです。 

本件事案でも、平成7年の遺産分割協議書があることから兄貴を疑わず、兄貴に頼まれて実印を兄貴に預け、印鑑証明を渡した弟の話は信用されず、「預かった実印を悪用して遺産分割協議書を偽造して死んでしまった兄貴の相続人」が喜び、偽造被害を受けた弟たちは、「偽造が証明されない」という結論になり、泣き寝入り状態になります。

 これも、裁判官が「真相を見抜いて、勇気ある判決を書く姿勢」があれば良いのですがそれが無いために、弟妹が、偽造被害者として過去の事実を供述するだけでは、はなから信用されません

従って、偽造した長男の相続人は大喜び です。

 これは、「裁判所は、ずる賢い者に味方する機関になり下がってしまった」ことを意味します。 

この典型例は、今の裁判所は「ささやかな正義」さえなかなか守って貰えない国家機関になっていることの実態例です。

こういう例が沢山あります。裁判所が正義を守るところではなく、「紛争を機械的に処理する機関(歯車)」に堕落し、判決書く立場の人間は「裁判官」と称していても「紛争の機械的処理をする歯車の一つ」に過ぎません

  裁判官が、完全に官僚化してしまい、上(最高裁の人事権を持っているところ)しか見ない、事件の機械的処理する公務員(行政官)化してしまいました

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