東京大停電

12日の午後、首都圏で大停電が発生。信号が止まり、エレベーターにとじこめられた人、PCがダウンしたケース、影響を受けたのは約60万戸という。
今日の「サンデーモーニング」(HBC)の最後でこの問題が取りあげられ、ゲストが口々に「今こそ電気に頼り切る暮らしを見直すべき」「例えば江戸時代の日本人は行灯(あんどん)暮らしだった。このような状況下で暮らせるスベを身につけていた。これを見習うべき」などと発言していた。

たしかにそういう便利さになれている現代人が、いったん何か事が起これば右往左往するしか能がないという状態を反省する必要はあるだろう。
しかし今の都市部での暮らしから電気が完全に使用できないという事態を想像できるだろうか。またそういう事態もあり得ることを想定しての暮らし方の見直しなどあり得るのか。

いわゆる知識人が「もっともらしい」ことを言う。しかし誰もが抽象的な心の持ち方の改革をいうが、では都市部で電気がまる一日止まった場合を想定して、どういう暮らし方過ごし方、例えば交通・家の中での処理などを提言することなどできるのか。
 
私が昭和20年頃、まだ電気がなかった頃、ランプのホヤ磨きを子どもの仕事としてやっていた。そういう時代だったから子どもも皆それぞれの役割を果たすことができていた。
 
問題はどんなことがあっても決して電気が止まるなどということが起きないように万全の保安体制をとるためにどうするか、が問題なのであって、「今の便利さを見直すいい出来事だった」などという気楽な批評をいうことではないのでは、と痛感する。
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