徳島に住むカメさんのつぶやき

 さながらカメさんのような一老人が、小さな池(徳島県の片田舎)から覗き見た世の中の出来事や心象風景などを書き留めたもの。

過酷な運命にも、なお人の温かさ

2018年01月08日 | 随想
 ネットニュースに、「 31歳目前に『余命5年』 大切なもの知った女性経営者 」という見出しの
朝日新聞デジタル版の報道が載っていた。

 「約3年前、病気で突然余命宣告を受けた30代の女性経営者が、外見では分からない病気や障害があることを
周囲に知らせる「ヘルプマーク」の普及に取り組んでいる。
 家族らの支えに幸福を感じながら、「今日一日を大切に」との思いを胸に前へ走り続けている」

 その女性いうのは、三重県四日市市に住んでおられる小崎麻莉絵さん(34歳)。
骨髄異形成症候群(血液が正常に作れなくなる病気)に罹って余命宣告を受けた際、医師の言葉が強く心に残った
そうである。
 「泣いても笑っても同じ5年 出来るだけ笑っていきましょうね」

 察するに、辛くて悲しくて到底納得できるものではなかったに違いない。それでも、医師のその言葉が心に残り、
立ち直る切っ掛けになったようである。

 そして、病気を知った上で彼女の事を理解してくれる伴侶に恵まれ結婚し、今は「命が続く限り、世のため人の
ために働き、巡り巡って自分がもっと嬉しく過ごしていけたら素敵だと思います」と語られたとのこと。

 34歳にして、なんと気高い心境に到達されたことだろう。

 「ヘルプマーク」の普及に取り組むのも、外見では分からない病気や障害のために人知れず辛い思いをしている人が
多いことを知ったからだそうである。

 日頃だらしないカメさんも、この記事を読んで目が覚めた思いである。
 
 こんな素晴らしい人が、過酷な余命宣告を受けている。運よく八十路まで永らえたカメさんは、せめてそのことに
感謝し、社会に感謝し、周りの人々に感謝し、この「いのち」を大切にしなきゃなるまい。

 小崎さんに奇跡が起きることを、心からお祈りしたい。