ヤスの駄文部屋

今からあなたの目はあなたの体を離れ私のブログの世界に入っていくのです。

大っ嫌いだ!『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』について

2017-03-23 20:00:37 | ウルトラマン
皆さんどうも、ヤスでございます。

今回は私が大嫌いな映画、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』について語っていきたいと思います。




滅茶苦茶ボロクソに言う記事になっているので苦手な方はご遠慮ください。












ストーリーについて
個人的にこの映画で一番気に入らないのはストーリーです。
具体的に言うと、「ウルトラマンベリアルとの戦い」、「レイオニクスの物語」、「ウルトラマンゼロの物語」が上手く噛み合わずかなり薄味な話になっていること。
ウルトラマンベリアルはウルトラマンであると同時にレイオニクスです。つまり光の国とレイの双方にとっての因縁の相手ということになります。
かつてプラズマスパークの光に手を出し、光の国を追放されたウルトラマンが再び復活し、光の国を壊滅に追い込む。そして生き残ったウルトラマン達が、光を取り戻すべくベリアルに立ち向かうというのはとてもヒロイックで良いのですが、問題はレイの方です。
レイはウルトラマンとセブンによってレイオニクスであるベリアルを倒すために必要な人材として紹介され、今回の戦いに身を投じることになります。しかしよくよく考えてみれば明確にレイオニクスであるレイの力が必要だったと思わせる描写が弱すぎる。
もちろん、最後にレイがギガバトルナイザーを通して怪獣達に呼びかけることにより、べリュドラに隙を作ったのは確かですがあれがウルトラマンとセブンの言う所のレイが必要に当てはまるか? と言われば微妙です。
そもそもウルトラマンとセブンが何の目的でレイを呼んだのかがはっきりしない。べリュドラの件はどちらかと言うと偶然の部分が大きいし、それ以外でレイがいなければならなかった理由がわかないため、結果的に同じレイオニクスが必要だった理由が曖昧なままになってしまっているんです。
それだけでなくレイはテレビシリーズで何度もやって克服したはずの暴走を引き起こし、足手まといと言われても仕方がないような姿まで見せてしまっています。あの暴走はベリアルにより引き起こされたものであるからレイのせいでなはないというのもわかるんですが、何度も苦しい思いをしながらレイブラッドに打ち勝ち、ベリアルに「お前とは違う!」とまで言っておきながら、またしても暴走してしまうのはあまりにも情けないと思わずにはいられない。
そもそもゼロとベリアルのように心なき力の危険性を知らなかったキャラクターがメインである作品で、心なき力の危険性を知っているレイがその力に飲まれてしまう展開は物語的にかなり大きなポイントのはずなのに、結果的にただセブンを瀕死にして、ゼロを呼ぶくらいしか物語的な意味を持たないのが個人的に気になってしまいます。
暴走によりウルトラマン達を苦しめ、克服したはずの暴走を引き起こした挙句、セブンを瀕死に追い込む。しかもそこに与えられた物語的な意味は弱い。これではレイはただの足手まといです。
もう一つ気になるのが本作がデビューの「ウルトラマンゼロ」。
彼はウルトラセブンの息子でありながら、ベリアルと同じくプラズマスパークに手を出そうとしたために光の国を追放され、ウルトラマンレオに鍛えられていました。
ベリアルと同じ過ちを犯しそうになりながら、その寸前で父親に助けられたウルトラマンゼロ。最初はそれに気づかなかったゼロがピグモンを助けたことを通し、そのことに気づく。そして限りなく近い存在であるベリアルに引導を渡すという流れはそれだけならかなり熱いものです。
しかし、こちらにもよくよく考えてみると腑に落ちない点があるんです。
メビウスがセブンに「彼を呼びましょう。」と言った時、セブンは「全ての修行が終わるまで会うわけにはいかない。」と言いました。
にも関わらず、セブンがゼロを読んだのは自分が瀕死になった時。
この時セブンはゼロがピグモンを助けたことも、ゼロが自分の行動の意味に気づいたことも知らなかったはずです。
結局セブンの言っていた「すべての修行」はなんなのか、どうしてセブンはあの時点でゼロを呼んだのかがかなりフワフワしたものになってしまったように思います。
またセブンとゼロの関係についての描写が少ないのも気になります。
終盤のかつて息子の罪を咎めた父親がその息子に助けを求める展開や、ゼロが「セブンの息子だ!」と叫ぶシーン等親子であることがかなり重要になるストーリーにも関わらず、何故親子であることが秘密だったのか、何故ゼロは闇堕ち寸前まで追い詰められたのか等がわからないため親子の物語として全く面白みがありません。
アイスラッガーを手に飛び立つ、「セブンの息子だ!」、最後のハグ等そこだけ切り抜けば熱いんですが、いかんせんそこまでのもっていきかたが全然面白くないのです。
このようにストーリーのメインとなる部分がしっかりしていないせいか、銀河伝説のストーリーは個人的にかなり微妙だと思います。





演出について
個人的にこの映画はどうしても好きになれない演出が一杯あります。
まず第一に過去キャラ描写。最初のベリアル脱出後の飛び立つシーンで何故かセブンが手をグーにしている、何故かスペシウム光線が金色、エースと80の光線のポーズがそれぞれ逆、手を広げたまま飛んでいる初代ウルトラマン、ボロボロの状態でダイナマイトを使用するメビウス、チャージして放つソルジェンと光線のポーズを間違うダイナ等本編のイメージとはかけ離れた描写が目立つんです。
そして物語冒頭のベリアルの無双シーンと終盤のゼロの無双シーンの演出に関しては完全に失敗だったと断言できます。
まず冒頭のベリアルの無双。演出がアクション映画でよくあるモブが一掃されるシーンのようである為に、ベリアルが強いというよりは戦いを挑んだウルトラマン達が弱いように見える。本作のボスとも言える存在の強さの表現にモブ相手の無双シーンのような演出をするのは大きな間違いでした。作品における最強の敵のポジションにベリアルを置きたいなら、最低限敵も味方も全力を尽くしているように見える描写を入れて、その上でベリアルが圧倒しているように描写すべきだったと思います。ですがベリアルは一部の相手を除き殆どのウルトラマンを軽く殴ったり、蹴ったりで倒してしまいます。軽く殴ったり、蹴ったりするだけで倒すシーンからベリアルの強さに説得力を感じることが出来るか?答えはNOです。
ゼロの無双シーンもまた酷い。そもそも前述の光の国のウルトラマン達同様、怪獣軍団がちょっと投げられたり、切りつけられたら死んだりで全く強そうに見えません。ウルトラマン達を苦戦させる怪獣軍団という設定のはずなのに、演出上は弱そうに見えてしまっているのです。そしてそこにゼロ無双が加わるせいで強い怪獣軍団をゼロが倒したというより何故か初代ウルトラマン達が苦戦する弱い怪獣軍団をゼロが無双したように見えてしまい、結果としてゼロが強いというより初代ウルトラマン達が弱かったのではないかと思えてしまうのです。
そしてこの映画は、序盤で演出を失敗してしまったベリアルをゼロが倒してしまうという大失敗をやらかしてしまうのです。このせいで光の国を倒すほど強いベリアルを強いゼロが倒すというより描写的に強くなさそうなのに何故か光の国を壊滅出来たベリアルをゼロが倒すという形になり、ゼロが強いというより光の国のウルトラマン達、及びダイナが弱かったように感じてしまいます。
そもそもゼロもベリアルもそんなに他のウルトラマンより強いという扱いにしたいなら、もっと他のウルトラマンと何が違うのかを描写すべきだったのです。この点を疎かにしたのはこの映画において間違いなく失敗でした。
このように設定や劇中での扱いと演出に齟齬があるのが、この映画の根幹の部分を揺るがしているのです。
今思えばこの時から坂本監督は怪しかった...。




映像について
本作では従来のミニチュア特撮ではなく、グリーンバックによるCG合成が主体となっています。その恩恵として宇宙空間での戦闘や、光の国の描写等の所謂漫画っぽい映像を見ることが出来ます。またパワーレンジャーで有名な坂本監督を起用することで、ワイヤーアクションを主体としたこれまでにないアクションを実現出来ていたと思います。私も初めて見た時は目新しい映像に心を躍らせたものです。
ただ、実は気になっている部分もあって例えば前述のベリアル無双とゼロ無双の説得力の無さは、間違いなくワイヤーアクションを主体とした映像による弊害です。
また折角宇宙という広い舞台があるのに、中盤あたりで怪獣墓場に行ってからは殆どそこでの戦闘が主体になってしまったのも非常にもったいない。肝心の怪獣墓場での戦闘も、本来は広い空間での戦闘なのにあまり広さを感じず、等身大ヒーローの戦闘シーンの背景をそれっぽくしただけのようでイマイチだと思います。
光の国のウルトラマン達や、怪獣軍団が戦闘員のように後ろでワチャワチャしているのも見ていて苦痛でした。あんな風に一点に集中している様子を何の工夫もなく真横から撮ったりするから、広さを全く感じないのです。
結局宇宙空間やワイヤーアクションを生かせたのは冒頭のメビウスVSベムラーと最後のゼロ無双がくらいだったと思います。
個人的に銀河伝説の映像は、目新しい部分やアクションは良いけど他はイマイチでした。





過去キャラの扱いについて
悪い意味でこの映画を語る上で欠かせないのが過去キャラの扱いです。銀河伝説は怪獣もウルトラマンも全て、新キャラであるゼロとベリアルの踏み台にしたのです。
メビウス以来3年ぶりに新キャラであるゼロを際立たせたいという制作の意図はわかります。
しかしそれにしてもあまりにも酷すぎる。ベリアルが光の国のウルトラマン達相手に無双できるならそれを納得させるだけのフォローをするべきですし、ゼロが怪獣軍団と光の国を壊滅させたベリアルを倒すなら、やはりそれに対するフォローをするべきだったと思います(たまにギガバトルナイザー持ってないから勝てたという意見も聞きますが、結局ギガバトルナイザーを取り上げたのもゼロなので殆どフォローになっていないと思います。)。なぜなら過去キャラには必ずその作品のファンがいるからです。ファンが自分の好きな作品のキャラがなんのフォローもなくあっさり倒されて、納得出来るわけがありません。
また過去の作品はそのシリーズにおける大切な歴史の一部です。それをないがしろにするのはシリーズへの冒涜です。
過去の作品を扱うなら最低限それを作り上げた人や、応援してきた人に敬意を払うべきだと思いますし、それが出来ないなら批判されても仕方がありません。
昭和の時代からあったとしてもそれは当時から批判されていた部分であり、今の世の中でそれをやる意味がわかりません。
怪獣もウルトラマンも全て雑に扱った本作を見た時、私はウルトラマンシリーズを見限ろうかと思いました。
パワード好きは泣いていい。



まとめ
当時大怪獣バトルをそれなりに楽しみながら、「やっぱりウルトラマンが活躍する作品が見たいな。」と思っていた時に公開された本作。当時は映画館に行くのが恥ずかしくて、見たのは公開後でしたが映画館で見なくて良かったと思います。
この映画を見た直後はゼロもベリアルも大嫌いでしたし、一時期ウルトラマンシリーズからも遠ざかってしまいました。今ではゼロもベリアルも大好きですが、大好きだったものが好きになれなかったのが当時とても苦しかったです。
またこちらの記事で述べた通り私は坂本監督のウルトラマンがあまり好きではないのですが、今思えば私は初めから坂本監督との相性が悪かったのかもしれませんね。
もちろん良い部分も沢山あるとは思いますが、私はこの作品を全く面白いと思えません。ストーリーは適当だし、演出も雑、映像もアクション以外はイマイチで、おまけに過去キャラの扱いも酷い。
私は基本好きなものには甘いので、ウルトラマンでここまで嫌いな作品は非常に珍しい。もう二度とこんな作品が世に出ないことを願うばかりです(ファイトビクトリーが怪しかったけど)。
最後にこの作品への思いを一言で表して、この記事の締めとさせていたただきます。


銀河伝説なんか大っ嫌いだ!!!



では皆さん、またいつか。


最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
6年越しのつっかえが取れた気がします! (geta)
2018-07-11 09:54:11
ヤスさん

getaでございます。
最新の「R/B」記事から流れついて参りました。

なるほどなるほど、「銀河伝説」。
つぶさのコメント、確かにおっしゃる通りですね。

私もこの作品の存在を全く知らず、ふとしたことで実家の兄から「今、ウルトラマンってこんなことになってるんやで」と移動中の車中で見せられたのが最初でした。
(車中って、どんだけリスペクトないんだか…)

完全にウルトラマンから離れていた自分にとって、久々に観る「すげー!父も強えし、母もハイキックがめっちゃ高い!」とアホなところで狂喜乱舞していたのですが、ふと冷静になると、おっしゃるようにある違和感に徐々に気付いていきました。

つまり、「このアクションって、ウルトラマンがやることじゃないよね」ということ。

まさに、特撮ヒーロー達がどういう訳かみんなで肉弾戦を最初に挑んで、殴る蹴るを試みる。あれです。

古い古い話で恐縮ですが、初代ウルトラマンの闘いの凄さは、おそらくは凄く考えられた演出の妙だとは思いますが、あのウルトラマンでさえ最初に対峙する時は、”常に手探りだった”という感じでした。

派手に登場したはいいが、いきなりパンチは繰り出しません。どっしりと低く構えて、相手の怪獣がどういう特徴を持っているのか、どのあたりが弱点か等、そういうのをじりじりとした緊張感の中で推察してから最初の一手を踏み出す、という、いわゆる相撲や格闘技などの真剣勝負における凄みがちゃんとあったように思うのです。

とにかくどうしようもないので、相手の首ねっこ捕まえてなんとか暴れないように押さえつけようとするのなんか、ほんとに初代ウルトラマン、真剣です!

翻ってこの作品は、確かに言われてみれば「ベリアルが殴る蹴るして、なんで歴代のウルトラマン達がひるんじゃうの?」という点に明確な答えがなかったのも違和感の要因だったのだと、こちらのエントリーで改めて気付かされました。

なんだったら、ギガバトルナイザーのとんでもない威力を見せつけて、格闘も光線もまったく歯が立たない、としてもよかったのかもしれませんね。

「ギガバトルナイザーを手にした、あのベリアルと止めろ!」と。
初代やセブンが持っていた、「下手したらやられる!?」感が、あの格闘シーン中にはないのですよね、悲しいかな。
ぬいぐるみショーを観ている感じでした。

で、結局殴る蹴るの攻防関係なく、「はい、お前ら凍らせちゃえば一貫の終わりー」って。そんなら早く凍らせましょ。(ま、凍らせまいとしてみんなが頑張ってたってことは分かるんですが。。。)

さらには、レイが闘う必然性と暴走(船長の「いい加減に目を覚ますんだー」パンチで決着。じゃあ、ベリアルより船長の方が精神強いんじゃん、ってことにもなりかねない)のくだり、初代やセブンの危機感のハテナ感と「まだ早い」台詞の意味あいの薄さ、などなど、ほんとにおよそ6年を経過して「我が意を得たり!」と膝を打ちたい思いです。

なお、ペンドラゴンの皆さんはいわゆる「語り部」の役どころですよね。ドラマとしては変でしたが。
ちなみにアスカ・シン=ダイナ登場のシーンは、意識よりちょっとサブイボ出ました。

「ウルトラマンってこんだけいるんだよー。で、今回ベリアルとゼロが仲間入りしたよー。これからもウルトラマン頑張っていくんでよろしくー」という、新しい世代に子供達へのご紹介という意味では、かなり成功したものと思うのですが(現にうちの子供達はこの作品からウルトラマン世界にどっぷりハマり始めました。。。)、いかんせん初代からのファンからすると、ご指摘の通り、数々の問題が浮かび上がってしまう作品ですね。

しかし、この熱さ!
ぜひ直接ご教示いただきたいほどです!

ヤスさんご自身による講演会のご予定とか今後ありますか?w

以上、長々と失礼しました。

p.s. 
ちなみに息子共に、往年の初代とセブンを見せると「こっちも面白い!」と夢中になるから、いやはや凄いもんです。
Re:6年越しのつっかえが取れた気がします! (kamenridermatsu)
2018-07-11 19:42:46
コメントをいただいておいてなんですが作品同士の比較は荒れる要因にもなるのでお控えください。はっきり書かなかった自分が悪いのですが…。今度からブログのどこかに明記することにします。
面白いアクションと面白い戦闘はまた別問題だと私も思います。そういう観点で見たときに銀河伝説は若干の物足りな さを感じてしまいますね。
めっっっっちゃ共感できます (クレナイリク)
2018-12-06 22:49:39
記事を読ませていただきました。あなたのおっしゃるとおりです。
正直私も銀河伝説はあまり好きではありません。書かれていたとおり、歴代ウルトラマンを噛ませ役にして、新キャラのベリアルとゼロを引き立たせておけばいいみたいな感じでしたからね……
あんなに大勢のウルトラマンを出演させるなら、怪獣軍団と戦わせたらめっちゃ盛り上がってたはずなのに、実際戦ったのはマン、セブン、メビウス&ゴモラだけ。リトラは何がしたかったのかわからなかったし、レイとゴモラは途中から役立たず… 本当に惜しいことをしたもんです…
ただ、1つ評価するとしたら、それまで6兄弟と比べたら不遇だったレオがゼロの師匠ポジションになって、その後優遇されるようになったことですね! 坂本監督の思い入れもあって、レオの扱いが良くなったのは嬉しかったです!
…とまぁ私もこんな感じですね…
この点の反省があったのか、後の映画やTVで歴代ウルトラマンが客演する際は、噛ませになることがだいぶ減りましたね
以上長文失礼しました!
Unknown (ウルトラマンオタク)
2024-02-10 18:13:44
あなたみたいなウルトラマン知らない人が銀河伝説の文句言う価値も資格もありませんよあんたはなにいってるんすか
あなたの感想でかってな文句言わないで下さいよ。ファンから打撃をそんなに受けたいんですか。全員を敵にまわしてますけど。あと、好きなものをかくサイトに嫌いな物かくとか、矛盾ありありじゃないすか。はい論破。
Unknown (Unknown)
2024-02-10 18:15:35
てめえらコメントかいて暇潰ししてる連中はなんも知らねえくせに文句言うなやお前らふがいなさすぎてイライラしてきたわ

コメントを投稿