仮名日記

ネタと雑感

やすいはなし(異常行為前夜)

2008年06月06日 | 社会
 世界禁煙デーの5月31日から始まった禁煙週間は6月6日までということなので、前回に引き続き、公共の場における喫煙への憤怒と憎悪をぶつけてみたいと思います。

 公共の場での喫煙がいくら法的に規制されたところで、喫煙者の規範意識が変わらないことには、その実効性は常に薄弱なものとならざるを得ない。しかしかれらは、薬物依存症に冒されていながらその病識がないために、喫煙への欲求が異常なことであるとは気づかず、罪悪感など感じないおそれがある。簡単にいえば自覚のないヤク中なので、まともに是非を判断することができないのだ(したがって、ことタバコに関して喫煙者が正しいことをいうはずがないのであって、かれらの意見は基本的に無視してよい、むしろ無視するべきだ、ということになる)。
 おまけに、タバコという暴力を手にしている心理的優位から、他人の痛みなど想像するべくもない頑迷さ・傲慢さに陥っている者もいる。まさに既知外に刃物。狂気+凶器=虐殺である。加害者としての自覚をこれっぱかりも持たずに「禁煙ファシズム」などと口走る、度し難いほどに醜悪で愚劣で自己中心的な反社会性人格障害の持ち主たちが、臆面もなくのうのうとしていられるのもそのためだ。
 そこで、単に罰金などで規制するだけではなく、それが嫌悪され忌避されるべき迷惑行為であることをかれらに理解させ、破廉恥漢としての自己認識を促すために、さまざまな策を講じていかねばなりません。そのことが、無残な畜生道に堕ちた、生存の価値なき者どもに、正道に立ち返るための一筋の光明を投げかけることになるでしょう。
 まずは、タバコの商品名を改めます。
 今後、イメージが先行した片仮名の商品名をタバコに付けることなどいっさい許さない。漢字を使う場合は、
「屁・尻・屍・死・癌・病・糞・愚・悪・醜・垢・尿・膿・腐・劣・痰・汚・蟲・臭・厭・嫌・屎・葬・痛・痒・苦・悲・卑・猥・雑・粗・毒・疣・瘡・喪・駄・廃・恥」
などネガティブで不快なイメージを催す文字を使用させる。「病苦」とか「糞蟲」とか「腐臭」とか「死屍」とか「醜女」なんてタバコが店頭に並ぶわけさ。買うだけで恥ずかしい思いをするし、町中で取り出す気も失せるだろう。
 もちろん、いま売られているタバコも容赦なく改名してしまう。
「ハイライト」は「クロンボ大会」
「セブンスター」は「転落」
「マイルドセブン」は「打撲」
「ホープ」は「絶望」
「ピース」は「不安」
「セーラム」は「屁糞葛」
「ラーク」は「毒マムシ」
「ラッキーストライク」は「不運続き」
「パーラメント」は「変態集団」
「キャメル」は「瘤」
「ケント」は「ほくろ毛」
「マールボロ」は「助平人間」などなど。
 「メンソール」と付く場合は、すべて「インポテンツ」と言い換える。同様に「ライト」は「できそこない」、「マイルド」は「ごまかし」で統一。例えば、「セーラム ライト メンソール」などは「屁糞葛のできそこないのインポテンツ」と呼ばなければならない。
 このような恥ッ晒しの名前を考えるために、嫌がらせが三度の飯よりも大好きな、超人的なドSで性格のねじ曲がりきった人々を有識者の中から選んで、「醜名審議会」を組織しよう。喫煙者たちにより不快な思いをさせるために、審議会の委員たちは悪知恵をふり絞るのだ。
 また、タバコを持ち歩くのが問題なのだから、パッケージを物理的に携帯「しにくく」せねばならない。ペラッペラの茶封筒にご飯粒で封をし、中途半端にへたくそな文字で商品名を書いておく。使われている紙がたいへん粗悪で破れやすいので、不用意に開けようとすると、十中八九は中身を盛大にぶちまけてしまうことになる。とてもじゃないが、屋外で開けることなどはできない。タバコケースに入れ替えればそれまでだが、ある程度は抑制的効果があるだろう。
 もっと直接的に、路上で喫煙しているような輩を見かけたら、即座に水をぶっかけて火を消して良い、という慣習を定着させるのもいい。これは単なる正当防衛なので、法的には何ら問題がない。都合良く咄嗟に水を調達できない場合は、喫煙者の持つタバコに、つまり多くの場合は顔面付近に向かって唾を吐きかける。文字どおり唾棄すべき存在にはふさわしい扱いだ。
 これらの嫌がらせ策の最大の欠点は、マゾには効果がないどころか、逆に喜ばせてしまうことである。ヘタすると喫煙者にその素質を開花させてしまいかねない。そもそもかれらは、体内に毒物を摂取するのを好む破滅的傾向の持ち主たちなので、心の奥底にそのような素質を潜ませているおそれは十分にある。そうなったら完全に逆効果で、わざと街頭で「蛆虫」(商品名)を吸った挙げ句に、人々に唾をひっかけられ罵られ白眼視されて恍惚とする輩が続出してしまう。
 正々堂々と心ゆくまで差別を楽しみたいという向きもあるかも知れないが、あくまでも喫煙による被害を防ぐのが第一の目的であって、勢い余って沼正三ばりのSM世界が築かれてしまうのはいただけない。もっとも、公共の場での喫煙がほぼ野放しの現状だって、悪臭を吐き出して嫌煙者を虐待して喜びに浸っているドS喫煙者様や、その逆に悪臭を吸わされて被虐の快感に悶え震えているドM嫌煙者が潜む異常世界なのかも知れないのだが。