亀田司法書士ブログ

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控訴審の結果(5)

2017-10-13 09:52:48 | 遺言・相続

最高裁は,過払金債権者が,過払金の存在に気づかぬまま過払金を時効消滅させてしまう結果になることに,懸念を抱いていると推測できるのではないでしょうか?

なぜなら,仮に借主が過払金の存在に気づいた場合,そのまま続けて返済を行うことは一般常識で考えられません。 そこで,取引中は過払金の存在に気づいていないのであるからその間時効は進行せず,過払金の存在に気づく可能性のある,取引の終了時から時効が起算されるとしたのです。すごく簡単な理屈だと思います。

また,過払金充当合意が,合意という名の下,契約に付着するものであると理論構成している関係から,異なる契約間には合意は及ばないことになってしまいます。

そこで,平成20年1月18日判決で,契約が異なっていても事実上一連の取引と判断すべき6つの事情を挙げました。これは,経済的弱者である借主が,貸主の指示に従って契約書を書き換えることが頻繁に行われていた実情があるからです。

こう考えれば,時効の起算点を左右するものは,借主の過払金の存在の認識可能性の有無に絞れば良いことになります。

ところが,貸主らは,判決文が取引の終了時としている文言をとらえて,一つの基本契約の中でも完済した時に取引が終了したと主張し,この場合にも平成20年1月18日判決の判断基準を採用すべきだとし,これに沿う判決も存在するのです。

そもそも,過払金返還請求をしないまま同じ基本契約により再度貸付けを受けようとする人が,過払金の存在に気づいているはずがありません。ですから,同一の基本契約内において取引をした場合,最後に完済した以外の完済時から時効が起算されるとするのは,明らかに最高裁の判断に反します。

過払金充当合意は,契約に付着する合意なのですから,理論上も契約内の取引が皆無にならない限り,合意が消失することはありません。

このように考えてくれれば,少なくとも一つの基本契約に基づく取引については,最終の取引日から時効が起算されると考えられるはずです。

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