亀田司法書士ブログ

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控訴審の結果(3)

2017-10-02 13:57:52 | 債務整理

過払金を,以後の貸付金に充当するには根拠が必要です。借主が,過払金の存在を認識し,これをもって,貸付金に充当するとの意思表示をすれば充当されるのですが,借主は過払金の存在に気づいていません。

そもそも利息制限法自体を知らない借主の意思表示をまっていたのでは,過払金は,発生と同時に次から次へと消滅時効が起算されてしまいます。 消滅時効とは,本来このようにして成立していきます。債権者が,消滅時効の完成を意識して注意する必要があるのです。

さて,これからは,判例の趣旨解釈についての私の持論部分です。

最高裁は,基本契約に基づき貸付けと返済が反復継続して行われ,かつ,返済額が一つ一つの貸付けに対応して決まるものではなく,一定の時期の債務残高に応じて額が決まる方式の取引においては,一つの返済が,契約内おいて生じた債務の全体に対する充当意思を持つものとして,このような基本契約には「過払金充当合意」が含まれるとしました。

ただしこれは,当事者の意思解釈としては,かなりこじつけに近いものがあると思っています。なぜなら,過払金の存在を意識していない借主が,一つ一つの返済が,将来発生する債務に充当する意思を含んでいると認識することは困難ですし,貸主も,時効の起算点を遅らせることになるこのような借主の意思表示を認めて取引を開始する認識など持っているはずがありません。

ところが,こうして,過払金充当合意を含む基本契約の存在を認めたところに,最高裁の第1の意図がありました。

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