亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

取締役会非設置会社の役員増員登記

2012-06-11 14:25:42 | 商業登記

先日役員増員登記を受任しました。会社法になって有限会社は無くなり全て株式会社に統一されましたが,旧有限会社類似の組織として,取締役会非設置会社が有ります。取締役会設置会社は,取締役三人以上+監査役等の組織が必要ですが,非設置会社は最低取締役一名のみの組織でOKです。一つ変更になったのが,有限会社時代では,取締役が一名の場合は代表取締役と名乗れなかったのが,会社法になってからは,一名でも代表取締役と名乗れることになりました。ここが,混乱の元です。この会社は,取締役一名の典型的な有限会社型=取締役会非設置会社でした。この会社に,取締役が一名加わり,代表取締役は変わりません。ですから,登記の事由は,取締役の変更のみです。この会社の定款には,取締役二名以上の場合は,取締役の互選により代表取締役を選任するとあります。私は,定款の規定に従って,取締役の互選により新たに代表取締役を再任する書面を作成し,取締役二名の印鑑を押印してもらいました。しかし,代表取締役の変更登記は登記の事由となりませんので,当初この書面は登記申請に不要なのではと考えていました。添付書面=登記の事由が実体的に生じたことを証する書面と考えれば無理からぬ事です。ここに落とし穴がありました。旧有限会社の場合,取締役=代表権のある取締役と考えます。それを代表権のない平取締役とするには,何らかの手続きを要するとの考えがあります。取締役一名の場合,何らの手続きを要せずして代表取締役(以下「当然代表」とします)になりますが,取締役が複数のときの代表取締役の登記を行う場合,本来は代表権があるはずの取締役を平取締役として登記するための手続きが必要になります。これは、実質的には,取締役の代表権剥奪ですが,外形的には代表取締役選任(以下「選任代表」とします)という形を採ります。ここの所は,取締役会設置会社の手続きに類似します。これを実質面から考えますと,同じ代表取締役でも当然代表から選任代表に性質を変えたと考えることができます。ですから,代表取締役(の氏名)に変更は無くても,当然代表から選任代表に変わったことを証明せよ。という考え方に行き着くのです。今回のケースも,選任を証する書面を添付することにしました。ただ,個人的には,代表取締役の変更が無いまま登記を申請するのだから,定款の規定に則ってこのような選任(実質的には自己のみが引き続き代表取締役であることの承認)があったと善解(推定)して,添付書面まで必要ないのではという考えが捨てきれません。会社の登記にとって,最重要事項は,代表権を有するものは誰かということで,ここの部分だけは,個人の印鑑証明書を押した書面の提出により,厳重チェックを行っています。これは会社にとっても,代表権の無い者による会社代表のなりすましを防ぐため重要なことです。特に代表取締役に初めて就任する際は,その確認を厳格にすべきでしょう。でも,これ以外の変更事項は,全てと言っていい程,会社の申請した内容に委ねられます。会社の登記事項につき変更があった場合は,本店においては2週間以内の申請を義務づけ,虚偽の登記があった場合罪に問われます。代表者の登記以外は,厳重な書面の添付を求めない=申請が正しいものだと推定することで,登記の申請を速やかに行う事ができるようにしています。この思想と平仄を合わせれば,代表取締役が変更にならないなら添付書面も求めないとしても良いのではないかと思うのです。
なお,有限会社の時代は,取締役一名では,代表取締役を名乗れませんでしたので,代表取締役と名乗るためには,取締役を複数選任し,かつ,選任手続きを証する書面を添付して,登記の事由「代表取締役の変更の登記」とする必要がありましたから,登記の事由と添付書類がリンクしていました。

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