「ここに地終わり、海始まる」とは、ポルトガル最大の詩人といわれるルイス・デ・カモンイスの 「ウズ・ルシアダス」の第3詩(Canto Terceiro)にある“Onde a Terra se acaba, e o Mar começa ”のことです。原文は、インターネットからPDFファイルで入手することができます。ユーラシア大陸最西端にあるポルトガルのロカ岬に、この詩句を刻んだ石碑が建っています。宮本輝の小説でも、この題名のものがあります。この壮大な叙事詩は1572年に出版されましたが、大航海時代のポルトガルの気運をよく表していると感じさせてくれます。以前、ロカ岬を訪ねたときに、この碑を見て感動した記憶があります。
ロカ岬のような絶壁ではありませんが、鎌倉の七里ヶ浜から相模湾を眺めていると、ふとカモンイスの詩句を想い出しました。現代のポルトガルは低体温症のようになっていますが、かつては熱い時代を迎えていたのでしょう。現代の日本でも、私を含めて疲れ切った人が多いようですが、季節の夏に、時代の夏を思うのは懐古趣味のせいでしょうか?潮騒の響きは、新しい世界へ誘ってくれるように聞こえます。きっと、カモンイスも海の響きを耳にしていたはずです。寄せては返す波は、未知の世界へ手招きしているように見えるのです。
ロカ岬のような絶壁ではありませんが、鎌倉の七里ヶ浜から相模湾を眺めていると、ふとカモンイスの詩句を想い出しました。現代のポルトガルは低体温症のようになっていますが、かつては熱い時代を迎えていたのでしょう。現代の日本でも、私を含めて疲れ切った人が多いようですが、季節の夏に、時代の夏を思うのは懐古趣味のせいでしょうか?潮騒の響きは、新しい世界へ誘ってくれるように聞こえます。きっと、カモンイスも海の響きを耳にしていたはずです。寄せては返す波は、未知の世界へ手招きしているように見えるのです。