私は東京は浅草の蔵前で生まれ育った。
「隅田川で産湯をつかり・・・」とはいかないが、18歳まで、多感な青春期を過ごした。
向こう三軒両隣の、下町人情に包まれて大きくなった。
その蔵前が、今、クリエーターの聖地のようになっているらしい。
蔵前は、どちらかというとおもちゃの問屋街で、材料のお店なんて、昔はなかった。
それが今は、隣町の「御徒町」と「浅草橋」とトリオで「カチクラバシ」と言われているという。
布や皮、パーツ・・・あらゆる物の問屋、小売店、工房が連なる通りを抜け
路地裏に入り込めば、心と技を尽くした、作り手たちの熱い心意気に出会う。
築6、70年の木造の一軒家。1階がアトリエ、2階が居住スペースなんて家が点在する。
表には慎ましやかな手書きの看板、そっとのぞきこめば、なにやら専門的な道具が美しく並ぶ。
そのわきに、こだわりのバッグや、財布、陶磁器、生活雑貨も並ぶ。オーナーは、皆若い。
ディスプレーもシンプルで「感じるもの、作ることが生きること」そんなメッセージを感じる。
私のルーツです。
そして、納得なのです。