所長日記

現場での出来事、日々思うことをつづっていきます。

1年を振り返って

2009-12-31 18:12:53 | Weblog
今日は大晦日
年を納めるに当たり一年を振り返ってみる。
まずは京都行脚。
今年は集中的に回った。特に大徳寺塔中の大仙院や龍源院、また実相院などに直接的な刺激を受ける。南禅寺金地院大方丈の開放感。延暦寺根本中堂、堂内から回廊で囲まれた中庭に至る建物の切り口、断面図があれば是非欲しい。
3月にはdocomomo(近代建築保存の世界的組織)の韓国支部と日本支部の交流を兼ね
4日間韓国を巡る。仁川は国際空港で有名だが、ここは旧日本租界やチャイナタウン地区の歴史がしっかり保存されていた。
6月には長野県林業総合センターを訪問。木の柱表面や内側の割れが少ないといわれる人工木材乾燥技術「高温セット法」の詳細と「自然乾燥の実態」についての講義と見学。通常柱材の中心近くの赤みは強く周辺のしらたの部分は弱いと思っていたが根拠はなく15年以下が未成熟材、30年分の年輪があっても中心15年分は未成熟のままで弱い、従い15年を越える年輪が何本あるかで柱の強度が決まる。耐朽性(腐りやすさ)は赤みの方があるといわれこの点混同していた。
8月にはdocomomo選定建物を見るべく大先輩とレンタカーで四国を回った。
丹下健三の香川県庁舎に隣接して新しく高層棟が建つが、圧倒的な力強さで旧庁舎は新庁舎を睥睨している。
3年ほど前に訪れた愛媛県八幡浜市の日土小学校。1958年築、木造2階建て、松村正恒の設計。保存が懸念されていたが見事に改修され内外の塗装もオリジナルに戻っている。
7月と9月は伝統的木造建築の耐震性についての講義を受ける為2度山梨を訪問。
11月、茅野市で行われたくらフォーラムin八ヶ岳に参加。茅野市内には集落として板倉(壁が板でできた蔵、柱の間に6センチ厚の栗の板を落とし込んだ工法)が残っている。板の部分は年月によって赤黒い独特の色彩に変化し、スイス山岳集落での体験が蘇る。建築以外では10月には12と25日山梨と藤沢で2度別の合唱団でモーツアルトレクイエムを歌った。同じ曲だがメンバーとホールのつくりでその差歴然。
年の暮れにちなんで画像は伊豆赤沢の家、一番高い小屋裏部屋からの夕暮れ。木々の頭を越えて海が見える。その向うには大島。見えてよかったー!計画時、2階用の梯子を使い木に登ってみたが海を確認できないままオーナーを説得しこの物見台的スペースを作った。空には月!小さすぎて見えないかぁ。今年もブログをご覧戴き有難うございました。良い年をお迎えください。


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2階黒紫のインテリア 伊豆赤沢の家

2009-12-25 14:44:52 | Weblog

中央の梯子をのぼると外を眺める小屋裏スペースがある。ここから朝日が入り
画像右下のガラス面を通して階下のバスルームへと光が導かれる。
左右の大黒柱を繋ぐ梁の上に小屋裏の床を組んでいる。
この床面、以前はツインポリカーボネート版だった。
下から見上げると光を浴びて輝いていた(11月27日のブログ写真をご覧ください)
 このインテリア実際はもう少し暗め。
 天井を見上げてもなかなか頂部が分からず次第に眼が暗さに慣れてくると、囲炉裏の煙を天井で貫く煙出し部分の薄明かりでそれと分かる。茅葺民家を訪れた際、そのような体験をしたかたも多いのでは。
それに近い暗さを求め、そこから感じられる、落ち着きや包まれ安らぐ感じを狙っている。



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屋根が下がりきったところにバスルーム 伊豆赤沢の家

2009-12-20 15:49:07 | Weblog
前回バスルームの記述で「傾斜天井が上っていったところにハイサイドライト、、、、」としたが理解しづらいと思い今回はバスルームあたりの外観をご覧戴きます。画像の左上がハイサイドライトのある小屋裏部分、中央の白い窓がバスルームとなっている。小屋裏部には壁しか見えないが、ハイサイドライトは反対の東側に付き傾斜天井に沿って西にあるバスルームに光を取り入れる。その仕組みが多少イメージ出来るといいのだが。屋根はガルバリュウム、葺き方を変えて上部瓦棒葺、下部一文字葺としているが上部にはセルロースファイバー用の通気層がある。和風モダンデザインの構成要素は水平線と垂直線であり、それに基づく屋根デザインとしている。屋根の先端がジグザグしている。平面プランの様子がそのまま出ているのだが桂離宮を引き合いに出すまでもなく、雁行の美しさを今回、再認識。
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伊豆赤沢の家 バスルームその2

2009-12-11 18:39:13 | Weblog
今回は少し角度を変え、実際浴槽に入った角度で外を眺めてみる、とこんな感じである。
照明器具は玄関やダイニング同様既製品であるが、数ある中から設置場所に合う物を選び出そうとすると意外に少ない。天井は垂木が見えているが垂木の厚みは6センチ巾は20センチある。セルロースファイバーの断熱層が15センチあるので4センチほどが見えている。壁は杉板大和張り、天井とともにベンガラ塗装。腰壁は伊豆の青石でと思っていたが、品薄で十和田石としている。床にも張っているが、タイルや御影石などの冷たさがなく滑りにくい。独特の風合いを持っている。
さてお気づきのことと思うが、このバスルーム天井が低い、浴槽の底から窓上までの高さが約1.3m、手前側で1.8m従い窓際で立つと頭が当たる。普通は屈みながら湯船から出るので支障はない。低くする目的は電車の窓際に座った時の様に、お湯に浸かった際、浴槽の縁に腕を預け、ゆったりと外を眺める工夫である。また家の中でも最も天井の低いところであるが、天井の傾斜なりに上っていった天辺にはハイサイドライトがあり、そのおかげでこの西に位置する浴室には朝日がさす。
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伊豆赤沢の家 バスルーム

2009-12-01 22:36:21 | Weblog
昭和30年代鎌倉の家に越してきた当時、浴室には木で出来た小判型の浴槽が置いてあった。浴室の広さはタタミ2畳半ほど。壁は腰までが漆喰。その上の壁と天井も檜の板張り。腰の漆喰壁にぽんと載せたように木製ガラス戸が設けられ、引き違いの2枚戸を中央で合わせれば左右両側からすがすがしい風が入る。したがい換気扇は要らない。いたってエコである。これを見習い駆け出しの頃、設計した現在の我家の浴室にも換気扇はない。トイレにも、、ない。用を足したあと窓の両端を開ければよい。画像の赤沢の家浴室に換気扇は付く。引き違いの窓とせず蔀戸のように上に跳ね上げる開口部。急勾配の屋根の傾きをそのまま浴室天井まで下ろしているので手前、洗面所側に湯気が入り易い。画像には写ってないが手前入り口上の換気扇はその対策。浴槽は「高野槙」。岐阜郡上八幡の知人に製作してもらった。
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