所長日記

現場での出来事、日々思うことをつづっていきます。

shu-ru4

2008-07-14 19:16:53 | Weblog
古民家を訪ねると、台所の土間や板の間にがっしりと木で組んだ水屋ダンスを目にする。囲炉裏のすすで黒々しており風格と威厳すら持つ。M邸もそのイメージがあったが、キッチンカウンターの背面となるこの部分は白く光を反射させる素材と色が必要だった。この現代の水屋ダンスは中央部分がハッチとなり手前に開きカウンターを作る。コーヒーメーカーやポット、電子レンジなどの格納庫となっている。
上下の扉は引き違い。柱に引き戸が当たる音は薄っぺらな枠と違い落ち着いた音がする。多分下と上の引き違いの戸を閉めたときの音は違うはずだ。
そういえば枠とドアが一体化している既製品を今まで使っていないので厳密なことはいえないが、枠は大工、ドア、引き戸は建具屋と人の手によるオーダーメードの場合、家中のドア、引き戸、その閉めたときの音が全部違う。従い音を聞けば何処のドアが閉まったか見なくとも分かる。これも不思議といえば不思議。
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shu-ru3職人芸

2008-07-10 11:31:26 | Weblog
 前回階段を上から見たところ。昼間はこのように明るい。
白木の階段が折り重なりこのようにピンクの絨緞のように見える。
階段の脇を支えるササラ桁に注目して欲しい。普通は直線だが、M邸では両サイド曲線、弓なりに反らせている。右手前の壁側は数回前のブログ「バーズアイメープル?」にも写る。こちらの方がカーブの度合いが激しく出ている。また件の画像に戻ると、梁と階段柱とが「込み栓」(中央柱下部、丸いへそのように小さく見えている)で緊結されている。これを応用して階段手摺も「込み栓」で柱から数センチ浮かし固定している。単純なことのようだが現代では職人芸に入る。
 幾つかの職人芸を必ず住宅に盛り込むようにしている。
職人たちは元来凝った仕事がしたいのである。コストの手かせ足かせで出番をなくしているが、これでは職人のなり手がなくなる。腕を発揮させるべく現場で融通を効かせられるのはCMのメリットだ。
設計者はむろん、職人も建物に魂を込める。M邸ではほとんどのベンガラ塗りを建築主が行い施主も魂を込めている。
そのせいか家全体に不思議な魅力が宿っている。
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shu-ru2

2008-07-07 11:15:38 | Weblog
今回は建築主のMさんから送られてきた画像。説明なしだと不思議な空間。
夜間、階段の上り下りの際、足元灯があると便利だが、下階の照明を利用してその役割を果たす工夫がこの画像。下階は玄関。以前の外観ブログ写真でお分かりいただけるか?玄関ポーチの庇は照明ボックスも兼ね外のポーチと玄関内部を同時に照らす。が自然豊かな土地柄、虫が集まる。そこで玄関内部側の補助照明をつけ、外灯を消したところ、この画像が現れて来た。階段板はベンガラで塗装せず白木のまま。昼間も目立つが夜間は又別の表情を見せる。階段スペースをやさしく安全に浮かび上がらせ明暗で広がりを与える工夫でもある。
廻り階階段部分を美しく見せるのには職人の技術が不可欠。この点でも恵まれた現場である。
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