所長日記

現場での出来事、日々思うことをつづっていきます。

映画「かもめ食堂」

2007-04-09 18:42:16 | Weblog


久しぶりのフィンランドが見られるかもと思い、仕事の合間出かけた。

映画登場の街並み、波止場近くなどアアルト建築を見に行った25年前の光景とあまり違わないようだが!

「フィンランド人はあくせくせずゆったりと落ち着いている。」
「それは森があるからさ」
かもめ食堂最初の客となった青年がつぶやく。
「あした、世の終わりが来るとしたら何する?」
暫くして、 「おいしいものをいっぱい食べる!」
そうだよな!
繰り広げられる食堂の日常に観客も入り込んでいる感じ。
特に山があるのでもなく中庸な感じがいい。

 ここのキッチン、カウンターで客席と仕切り、中央に島状のバーナーカウンター。盛り付けはここで行う。その後ろ、中庭に面するハイサイドライトの下にダブルシンクが組み込まれたステンレスカウンター、バーナー横のカウンター収納は客席から見えるのでオーク材のオイル仕上げとかなり凝ってる。
 小林聡美の料理する姿や湯気がハイサイドライトからの光で浮かび上がる。硬い木の床をゆくリズミカルな靴音、こんな感じのキッチン&ダイニングスペース暖かく、いいね。
 最初でてきた書店内ティーラウンジ、白の大理石と金色のペンダント、あそこ!アアルトのアカデミア書店内、カフェアアルト。
「かもめ食堂」内のイスもアアルト、映像からコーヒーの香り、おにぎりをほおばったときの感触なども伝わってくる。

ところで「かもめ食堂」ではないがヘルシンキ駅の北に「ユトゥトゥパ」というパブがありヘルシンキ駅を起点にしてアアルトの建築を、くたくたになるまで見て回った夕暮れ、晩飯はたいていここに来た。
 一人で食べていると男の子がテーブルの向こう側から顔を覗かせ、こちらをじっとみている。その子を注意しながらも母親に誘われテーブルを移した。
 お母さんのカリタは劇作家。フィンランディアホールと湖を隔てた反対側にあるシレン設計の演劇専門ホールを俳優のマイサと共に、控え室にいたるまでつぶさに案内してくれた。
 後にここで見た劇はソ、フィン戦争を扱っていて、ステージに張りぼてだけれど戦車が出てくる。フィンランド軍が勝つとやいのやいのの拍手、昔からロシアの脅威にさらされ当時はKGBもヘルシンキ市内に潜んでいる?頃で露骨にソビエト批判は出来ないが、絶えず大国の脅威にさらされているうさを演劇で晴らしているように思えた。
 そういえばフィンランディアホールのコンサートトイレ休憩の際も並んで用を足している老人が話しかけてきた、あなたの国はすごい、小さな国なのに大国ロシアを打ち負かしたと、日露戦争時代のことをさわやかな顔で語りかける。
 「ユトゥトゥパ」はカリタ,ヨルマ夫妻の仲間が集まるところ、カメラマンや弁護士、鉄道技師など多くの仲間と知り合いに。暫くクリスマスカードを通じて文通したが今は行方知らず、写真は25年前よく通ったサーリネンのヘルシンキ中央駅。今もまず変わっていないと思う。

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引き続き東京見物

2007-04-05 11:10:13 | Weblog
東京見物
六本木を移り有楽町へと向かう。

同じ3月30日、解体のため閉鎖されたビルがある。
日比谷公園前の三信ビルがそれで、今年77歳、人間の寿命到達前にこの世を去る。
一階回廊に面する唯一残った喫茶店、マスター?に別れを惜しむ人が引きもきらない。トラバーチンの編み込みパターンの床、吹き抜け天井アーチ部の装飾、二階吹き抜けの木製手
など、人に近い部分のデザインが行き届いている。
またビルの周辺は、丸の内から整然と区画された街区が途切れ、シネマコンプレックスなどと界隈を作り、歩いていてホッとするエリアに。
その界隈は三信ビルを貫く二層吹き抜けの回廊にまで持ち込まれている。
少し離れてビルを眺めると最上階各側面の中央には彫刻的なつくりを見つける。建物が出来たのは装飾を排するモダニズム建築の時期に入るが装飾表現を捨てきれない、或いは建物の顔として力を持つと建築家は位置づけていたのかもしれない。
ビルの足元に解体工事の仮囲いが巡らされて来ても、なお時代の波にながされずにきた誇りのような表情をその外観に感じる。ヒューマンな親しみ、三信ビルからメッセージとして伝わってくるものは形を継承することにとどまらない。
 三信ビルの東側入り口前の歩道に、一本だけ桜の木がある。木の下に立ち桜の枝越しにビルを眺める。同じ桜でも先ほどの東京ミッドタウンの桜並木は華やかに見え、こちらは、散るまいぞ!とけな気に咲き放っている。
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ちょっと「東京見物」

2007-04-02 11:10:29 | Weblog
3月30日午前中で元麻布での打合せが終わり外は晴。花金だし東京見物と決め込む。TV朝日交差点の六本木TUTAYA、建築関係の洋書が実に多い。場所柄、外国人が目に付き、フロアの一角にスタバ、コーヒーの香り、食器の音もアットホームな雰囲気を作る。街角には人の通行量調査。そういえば防衛庁跡に東京ミッドタウンが今日オープン。六本木ヒルズ側での人の動きは興味深い。
 アマンドの交差点はミッドタウンに向かう人がほとんど。どんな新しい空間体験をさせてくれるのだろうか、ともかく人の流れに載ってみる。まず建物裏手に広がる公園がすばらしい。折りしも桜は満開、安藤忠雄設計のデザインサイト周辺は森のよう。著名建築家アトリエ周辺の緑とつなげようとする意図か。神戸ローズガーデンの頃はH鋼を樋に活用、シンプルに納めていたが、今回は屋根の肉厚鉄板の一部をへこませて樋にし三角屋根の先端から排水している。屋根の三角は樋排水から来た発想か?超高層、巨大なボリュームを和らげようとした格子マリオンのデザインには親しみが持てる。
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