所長日記

現場での出来事、日々思うことをつづっていきます。

保存され長生きする建物とは

2006-01-23 10:27:57 | Weblog
先日早稲田で教鞭をとられた吉阪隆正さん設計の八王子セミナーハウス(1965)を訪れユニットハウス棟に宿泊する機会を得ました。これはDOCOMOMO100選(日本のモダニズム建築100選)に選ばれた建物群ですがその一部取り壊しが行われたと聞いたからです。。

建物の寿命が問題とされるとき機能性や耐久性、経済性、審美性などにスポットが当てられます。
すべての建物には文化的な側面があるので残す価値はすべての建物にあるとしますと、上記以外に建物の寿命を決定する要素、それは愛着ではないかと思います。どれだけ愛され、多くの人に影響を与えたか。保存のためなら一肌脱ごうと言う気持ちにさせる、あるいは、運動にまでなる程なのか。それによって建物の寿命が延びるわけです。

八王子セミナーハウスの場合運営上支障となっていたのがわれわれの宿泊したユニットハウス群です。
これは100ほどの個室(2から3ベット)が離れのように点在しており、各部屋には暖房設備があるのみで洗面所、トイレ、浴室は外部。まことに不便と女子学生からも不評のようです。
機能性から見るとまさにその通りなのですが、周りの自然と触れ合うテント生活、あるいは汲み取りトイレが外にあるような自然の中の農家を設計者はそもそも意図していたのではないかとも思います。
セミナーハウスですから、カリキュラム内容に自分自身と向き合う必要が出てくると思います。そのときトイレに出かけよう!と外に出、道すがら浮かぶアイデアだってあると思います。つまり根源的なセミナーハウスの機能そのものを狙っていると思うのですが、今の学生の時代感覚からは、ずれるのでしょう。

建物がどれだけ愛されているかは、設計者がどれだけ情熱を注いだかが、まず目安になると思います。
ここには本館、長期セミナー館、講堂、図書館、など点在しますがすべてに情熱を感じます。
マンションなど今日、建物の多くは縦横、垂直水平の空間ですが、ここは壁が斜めだったり屋根が円弧を描いていたり、一坪の屋外トイレにも気を抜いた様子が見られません。
卵形リングを繋げた手摺があります。同行の早稲田出身者によれば「学生がよく勉強するようにとの願いが込められている」。その親しみやすい形は気分転換を促します。手摺ひとつとっても手間、暇のかかっている作品。実に発見の多い建物たちです。
この設計デザインは作りながら現場で最終決定されていったのでは!
手間隙掛けていい物を作り上げたい。その姿勢の表れで
私達の設計活動もかくありたいと思います。
無論コスト、工期、人間関係など、壁を承知で。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

玄関錠

2006-01-13 12:31:39 | Weblog

 2006年の今年、鎌倉設計工房は鎌倉の自宅で開業以来25年目を迎えます。
 その間、設計した建物に訪れることは、その当時の自分を目の当たりにすることに他なりません。
 昨年は10年ほど前に設計した蓼科の山荘を訪れ、詳細をチェックしていると、玄関ドアのレバーハンドルにはオーシマ製台座プレートつきの立派なものを取り付けています。
 また今年玄関ドア修理に立ち会った20年前の住宅にも、やはりオーシマ製の砲丸型のノブとサムターン、これも凝っています。
 そもそも築35年の我が家のドアには、新橋、堀商店のレバーハンドルが!設計については駆け出しのころとは言えドア金物にはかなりの思い入れがあった事に気づきます。
 最近、玄関戸は引き戸のケースが多いこともあり少し錠前には関心が薄れているような気がしていました。
 その点を若いころの自分から指摘された!わけです。

東橋本の現場見学会が来る1月22日(日)行われます。
(詳しい内容はニュース欄を)

この住宅の玄関はドアです。さてどんなハンドルが付いているのでしょう?お楽しみに!

コメント (1)
この記事をはてなブックマークに追加

今年のテーマ

2006-01-06 11:12:24 | Weblog
新年明けましておめでとうございます。

今年も皆様のご多幸を祈念しております。

さて、今年に入って大雪のニュース、日本もなることながら、雪でスケート場の屋根が落下11名の犠牲者を出したドイツ、オーストリア国境のリゾート地、バートライヒンハルの名前が出てきたことには驚きました。
昨年12月24日のこの所長日記で紹介したばかりでしたから。

それにしても昨今の異常気象、地球温暖化への地球自身の警告とも受け取れます。

昨年末には「夏涼しく冬暖かい快適な住まいづくりセミナー」(神奈川県地球温暖化防止活動推進センター主催)に参加、断熱、遮熱、気密,換気、結露について建築家サイドの真剣な取り組みの必要性を、いまさらながら痛感しました。

設計と現場への反映を、今年試みます。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加