kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

死神の骨をしゃぶれ/超犯罪ハイクライム

2009年01月01日 | よく分かる解説
この欄は「kamacci映画日記」はマニアックすぎて分からないという閲覧者のための項目です。
よりマニアックな人は「この程度かい!」などと揶揄しないように。

死神の骨をしゃぶれ/超犯罪ハイクライム
原題:La Polizia incrimina la legge assolve(警察は逮捕し、法は逃がす)

ジェノバ警察のベッリ警部(フランコ・ネロ)は、新たに進出してきたマルセイユの麻薬コネクションの捜査を進めていた。重要参考人を激しいカーチェイスの末逮捕するが、護送中、彼の目の前で爆殺される。警察は捜査を進めるが、一方でコネクションの進出を疎ましく思う地元の犯罪組織との抗争も激化し、殺人事件が多発する。地元の犯罪組織のボス、カフィエロ(フェルナンド・レイ)もベッリに協力し、コネクションの壊滅を狙うが、その最中、事件の深い闇を知った上司のスカヴィノ警視(ジェームズ・ホイットモア)が暗殺される。執念の追跡の末、暗殺犯を逮捕するベッリ。しかしカフィエロがコネクションによって撃ち殺され、遂にはベッリの娘もコネクションの手で轢き殺される。復讐に燃えるベッリは銃撃戦の末、コネクションを一掃する。しかし事件の黒幕の存在に気付き、さらに強大な敵に向かって行くのだった。

オープニングのカーチェイスから迫力あるシーンの連続で、テンポのよい編集と音楽があわさって最後まで飽きさせないカステラーリの傑作の1つ。70年代のキーワードともいえる「ダーティー」と「バイオレンス」が満ちた作品で、この後、イタリアではマカロニ・ポリスものがブームを迎えた。ただし、同時期のハリウッドの刑事ものにも傑作が多かったことや、マカロニ・ウェスタンの何でもありの世界に比べ、現実世界の制約が生じたことなどから、マカロニ・ウェスタンほどのブームにはならなかった。ちなみに、OPのカーチェイスの曲は、「デス・プルーフ in グラインド・ハウス」でも、ここぞ!という時にかかる。

カステラーリの盟友、フランコ・ネロの刑事はマカロニウエスタンとはうって変わって「熱い」。(銃の扱いは下手だけど。)「「ブリット」を見て、無性に刑事アクションが撮りたくなった。」とインタビューで柳の下のどじょうを公言するカステラーリが、正直すぎて好き。
ベッリの娘アニー役はカステラーリ監督の娘、ステファニア。そんな彼女を無残に轢殺するカステラーリは鬼である。

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