花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

東京都美術館「バベルの塔」展の感想(7)

2017-04-29 23:08:42 | 展覧会

今回、嬉しいことにヒエロニムス・ボス作品が2点来日している。

ヒエロニムス・ボス《放浪者》(1500年頃)ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館

ヒエロニムス・ボス《聖クリストフォロス》(1500年頃)ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館 

ボスや作品についての解説は公式サイト(見難いけど)に書いてあるのでご参照あれ。

で、今回も私的にしみじみ凄いと思ったのは、やはりボスの線と点と色彩についてだった。去年のプラド美術館「ボス展(EL BOSCO)」を観ながら、真作と模作の違いを自分の眼(美術ド素人眼だけど)で確かめようとしたのだが、ボスの迷いのない鋭い極細線描にこそ「ボスらしさ」があるのではないかと思えた。

ボスの描く植物でも怪物でも、曲線の先端は硬質で鋭く尖がっており、指で突いたら刺さりそうな程だ。ボスの鋭い神経が先端まで張り巡らされているのだ。その線と同じように極ミクロ点描が造形を色彩と共に装飾する。その造形感覚も色彩感覚もやはり「奇想」と表現するしかないだろう。これは誰にも真似ができない。

例えば、今回展示されている《聖クリストフォロス》を観て欲しい。壺の家のある木の枝の鋭く伸びた先端表現を、熊の吊るされた木を。また、クリストフォロスの前垂れの濃紺色から淡珊瑚色に微妙に溶け合う色調の美しさ、それを装飾する超ミクロ点描の効果!こんな胸がざわざわするような描写ができるのはボスしかいないのだ。

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