隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

かっこ悪い「青の時代」ソング?~スピッツ「名前をつけてやる」

2006年06月19日 01時00分55秒 | スピッツ
■青くてダサイ日々

●人気あるんだよね、アルバム『名前をつけてやる』
 スピッツのセカンドアルバム『名前をつけてやる』が好き!というファンは案外多い。メンバーは「ツルッとできちゃったから、あんまりレコーディングの頃のことを覚えていない」とインタビューで話していたが…。
 なんでなんだろう、とよく考えるのだが、アルバムとしての統一感が特にあるという感じでもないし、やぱり収録曲のよさなんだろうな。私も「聴けば聴くほど」好きになったアルバムです。「プール」「日曜日」「ミーコとギター」(「ミーコの彼はミーコの彼じゃない」って、じゃ、なんなんだ?)、インディーズの頃のスピッツの転機のきっかけとなったという「恋のうた」「魔女旅に出る」などなど。やっぱり佳曲ぞろいだ。これでもかこれでもか、と感動を押しつけない代わりに、聴く者を必ずどこかにつれていってしまう不思議な曲たちばかりだ。
 どれをとりあげても、何か一言は書けそうな気がするけど(笑)、今回はとりあえず、アルバムタイトルになった「名前をつけてやる」。

●青いだけで爆発しきれない男の子たち
 まさしく「青い」「青臭い?」男の子の心情が描かれている。強がってはいるけど男としても人間としてもまだまだな感じで、かっこ悪くて、女の子の気持ちをイマイチつかみきれなくて、ダサクて…。そういう男の子が自分の気持ちの動きや訳のわからない欲望に、ま、ちょっとうろたえているわけですね。
 だから、「くだらない駄ジャレ」や「まぬけなあくび」なんて、ふやけた言葉が生きてくる。そんな男の子に「ふくらんだシャツのボタンをひきちぎるスキ」なんかくれる女の子がいるわけもなく(この年代の女の子は一枚上手です。よね?)、結局「回転木馬」も「駅前のくす玉」(ロックに「くす玉」って…)も不発に終わり、とうとう最後の夜が来て「むきだしのでっぱり」がごまかせなくなってきた(あらら)。そういう不器用な情けない男の子、そういう時代、決してキライじゃないけど。
 この、まだ男になりきれない、どっちつかずの男の子のむきだしの心情が、一つ一つの単語に表れていて、そういう日々が思い当たる人には、たぶんたまらない曲だろうな。

●まさしく「名前をつけてやる」!
 そして、このタイトル「名前をつけてやる」…。これがすごい。日常生活で「名前をつけてやる」という場面って、案外思いつかない。ペットに名前をつける、とか? 人間に対して「名前をつける」、まして「つけてやる」という状況がいろいろ想像をたくましくさせる。
 いろんなシチュエーションは考えられるけど、結局、狙っていた女の子をおとせずに落ち込む思いの中で、チャンスがめぐってこなかった「でっぱり」に「誰よりも立派で 誰よりもバカみたいな」名前をつけちゃう、なんてことを「本気で考えちゃった」自分を軽く自嘲気味に歌っているんだろうな、と私は勝手に想像したのです。
 だから私には「エロイ曲」というよりむしろ、すごくせつない曲です。そういう青い時代って、誰にでもあるしね。
 でも、反面、気に入っている女の子に勝手に「名前をつけてやるよ」と、ちょっとSっぽく言っている、暴走気味の男の子もうかんできて、それはそれでおもしろいな、とも思ったりする。
 草野の歌詞は、わかりやすい言葉で、わかりにくいことや、幾とおりにも解釈できることを伝えてくるから、飽きることがない。聴くたびに、そしてそのときのこちらの心境しだいで、違った印象の曲になったり、ちょっと違う風合いの景色が見えたり…、それもおもしろい。
 「名前をつけてやる」は、草野のボーカルがなんともかわいくて、だから歌詞の内容とのアンバランスも絶妙です。私は聴くたびに、あんたは詐欺師か?と言いたくなります。詐欺師というより、やっぱりサディストなんだろうな、とか。


 今日も勝手なこと、書きました。改めて、スピッツって、おかしなバンドだな、なんて思ったり。
 そうそう、クロアチア戦、引き分けでした。疲れましたー!!


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