隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

懐かしい夜~新宿ロフト30周年ライブ、スピッツ・The ピーズ・The GROOVERS~

2006年08月07日 11時41分38秒 | ライブリポート(スピッツ)
★タイムスリップ?★
 1989年って、どういう年だったんだろう、世の中的には。バブル真っ只中で、浮かれた大人たちがたくさんいたのかもしれない。私的には、まだまだホントに若くて(幼くて?)、それでももういっぱしのつもりで人生をかじった気でいたような。でも、若いからこそ見えていた部分もあるんだろうな。
 なんとなく聴く音楽は洋楽専門で、邦楽は鼻にもひっかけないような生意気な子が偶然つれていってもらった新宿ロフト(以前は新宿西口にありました)で、スピッツという不思議なバンドを運命的な出会いをしてしまったわけです。浮気な私がなぜかスピッツの作る曲には一度もあきずに、ずっと新しい発見や思いをもらっているわけで、これはほんとうに1989年の出会いに感謝しなくちゃいけないな。
 そういうファンサイドの感慨なんかとは比較にならない思いを、The GROOVERSのヴォーカル+ベースの藤井一彦がHPのGROOVOICEで語ってくれています。「あんなにブレイクしてるのにあんなに気さくでデヴュー前の印象と変わらない人たちをオレは他に知らない」とスピッツを評してくれているけど、そういうことを言える藤井さんの生き方や自分のバンドへの思いが伝わってきて、そっちがかっこいいよと思ってしまったのです。
 今はライブハウスツアーとかいうと、全国のZeppを回ったりすることでお茶を濁しちゃうところあるし、私もいつの頃からか、こういう「ライブハウス!」然としたところに行かなくなったけど、やっぱ「これがライブハウスでしょ」ということを改めて思ったのです。
 かなり後ろにいたって、手を伸ばせば届くところにバンドがいて、汗の流れるさまや息づかいまで伝わってくるような。ビックになってしまうとなかなか難しいだろうけど、きっとメンバーもいろいろ感じることの多い夜になったのでは、なんて勝手に。

★熱いパフォーマンス★
 The GROOVERSがトップで、昔より数段パワーアップした演奏で、こっちもワクワクしたよ。相変わらず心にグサグサくる感じのギターソロ、ベースのうねり。昔からうまく表現はできないけどなんとなく「色気」のあるバンドだと、きっと私は思っていたんだよね。それをたしかに確認しました。
 The ピーズも相変わらずハル君のMCが個性的で絶妙で、たたきかけるようなインパクトの強い短めな曲が心地よくて、久しぶりに理屈なく楽しいステージを見せてもらったな。
 The GROOVERS も The ピーズも若いファンはもちろん若いバンドにもリスペクトされてて(The ピーズはいろいろ聞くけど、The GROOVERSも、The BUNP OF CHICHKENらが思いを寄せているらしいよ)、でも全然止まっていないところがかっこいい。やんちゃなままなところと、いろんなものを見てきた大人な部分があるからこそ、ずっとやってこれたんでしょうね。
 「チケット、とれたんかい。よかったな」とファンに話しかけている藤井さんの感じがとても温かくて、「兄貴っ!」って感じだったよ。
 そして最後にスピッツ登場。本来なら「The GROOVERS~スピッツ~The ピーズ」の順番が妥当なんだろうけど、ま、現状を考えるとこれがいちばん妥当なのかな。盛り上がりはハンパじゃなかったですから。草野が最近のツアーでの「盛り上がれる定番曲」をアレンジをかえて歌い始めると、もうそれだけでヒートアップ。いつもツアーでいちばん盛り上がっている客席だけを張り合わせたような、そんな熱気でした。
 演奏もサウンドももちろん、インディーズの頃とは比べものにならないくらいにグレードアップしているけど、でもすごくロックな部分と、そこにふりきれない不可思議な感じ、そういうものは変わらないんだなと実感。そして、今回のライブで、なぜか、いろんな表情をもったカラフルなメロディーの宝庫、という印象を改めてもったのでした。こういうロックバンド、」貴重なんだな、と。
 今回はメンバーのコーラス(某メガヒット曲の「チュチュチュ…」とか。あ、わかっちゃった?)も生々しく(笑)聞こえて、新鮮でした。

★だってスピッツのものだもん★
 セットリストはやっぱり夏のイベントだし、コアなファン向け、というより「スピッツ、大ファンじゃないけど嫌いじゃないよ」層をターゲットにしているんだろうな。そういう層がいちばん多そうだし(オリコンのアンケートで「2006年好きなアーティスト総合2位」に輝いちゃったしね)。「CYCLE HIT」からの新しめのやら、チョイ古めのものまで。それからインディーズの頃、方向転換の契機となった曲や、最近の何年かの話題作。彼らの場合、いい曲ばかりだから、ファンは「ああ、○○をやってくれなかった」「なんで最近△△やってくれないの?」という不満がでやすいんですよね。わかるけど。
 今回も、ロフトのHPに藤井さんが「スピッツに『おっぱい』をリクエスト」と書いてて(ここから見て)、期待しちゃった人もいるだろうけど(実は私もそう)。でも、いくら「ファンあっての…」と言ったって、曲のすべては作った彼らのものだもの。それをいつどんな形でパフォーマンスするかは彼らの自由だよね。そういうこだわりをたくさんもっていて、「いちばんやりたいこと」と「絶対にしたくないこと」への対処は徹底してて、でもあとはすごく柔軟に活動してくれていますよね。そういうところを心地よいと思っているファンは多いはずだし。だから希望はあるし、いろいろ言ってもいいとは思うけど、基本的には「スピッツ、自由にやって」と思っています。たぶん自分たちの欲求だけに突っ走れない人たちだから、むしろ「たまには欲望のまま、どーぞ」と言ってあげたい。自分たちの今の気分だけでセットリストを考えるといたら、どんな感じになるんだろう。それを想像するのはおもしろい。

★ちょっと苦言。失礼します★
 どうしたってスピッツファンが多くなることは必至で、しかたないんだけど、でもスピッツ目当ての「お嬢さんファン」の中に、ほかの2バンドには一切反応せず拍手もせず、という人がちょっと目立って(たまたま私のまわりだけだったらいいんだけど)、それはなんなの?と悲しかったな。対バンのライブの場合はもちろん好きなバンドだけ応援すればいいんだし、おざなりの拍手なんかバンドだってほしくはないだろうけど。でも今回は20年も活動を続けているバンドの演奏を聴けるチャンスなんだし、心を閉ざさず敬意を表しつつ、ライブを楽しんでほしかったな、なんて老婆心から。スピッツ登場以降のその人たちのはじけぶりは、もう「お見事!」なものでした(笑)。
 それから「おばさん五人組」。いえいえ、「おばさん」であることを標的にしようとは思っていません。でも、あいまに声高に「オークションでいかに高価なチケットを手に入れたか」を語り合うのはどうなんでしょ。それからスピッツ登場後、リーダー格っぽい人が「見える?見える? 大丈夫? 見えなかったらこっちに来る」と一人一人に大声で聞く。あれもやめてくれ! 「見に」きたのか!とつっこんでしまったほどです。だれだって見やすいところに行きたいから、微妙にずれたりして努力はしてるわけだけど、大声で「見える? 見える?」はロックじゃねーぞ! 恥を知れ!つうとこです。は~、すっきりした。

●MC、こぼれ話あれこれ
The GROOVERS
・今回30周年記念のライブにもう一回出たくて(1度目は MOTOR WORKSと一緒)、ピーズとスピッツというすごいメンバーに加えてほしくて、で、この上のキャバクラにロフトの店長と、ピーズのハル君と、スピッツのマサムネを招待して、無事OKをもらいました。
・昔全国ツアーにスピッツと一緒にまわったとき、名古屋のホテルでみんなでエロビデオ見たんだよね。コインのかわりにギターを弦が反応しやすいってことで、いろいろやってその部屋だけじゃなくフロア全部を停電させちゃったのはスピッツの三輪テツヤという男です。(これはあとで、草野が「さっきのエロビデオの話だけど、ギターの弦を使ったのはテツヤじゃなくて田村です」と訂正し、「スピッツ4人とグルーバーズの藤井君たちで、体育座りしてみたんだよね」と付け加えてたな。

The ピーズ
・あぶさんとテツヤは飲み友達です。
・マサムネには、ボクが寄り添おうとすると避けられるな(そんな仲です)。
・インディーズの頃、俺らのライブでグルーバーズが照明をやってくれたこともあったな。

スピッツ
・かっこよく登場した草野は、かっこよくマイクをつかもうとして「ん?」となりました。マイクスタンドが異常に高くて(笑)、マイクをつかみそこねたわけで。苦笑いしてスタンドをギュッと下げていました。
・胸の中央に緑のクローバーがかわいい白いTシャツのに、白いシャツをはおっていた草野、キャップがばっちり決まってたテツヤ、ヘッドバンキングのベーシスト田村…、それを見守るかのような崎ちゃんの笑顔に、こっちまで微笑んでしまった。

 こんな感じで終えちゃっていいんだろうか。これじゃあ、レポとかレビューとかいえないですよね。
 でも懐かしさもあり、だけど決して懐古的ではない、「今を生きる」バンドたちの「生きている音」が聴けて、幸福な一夜でした。そういう思いが伝わればOKかな。
 よくスピッツのメンバーが言っているけど、「続ける」ことのすごさを見せてもらったのかもしれません。音も曲も進化しつつ、多少若さと「ハチャメチャ」は減ったとしても、それでもはじけるものが確かにあったから。
 懐かしさと「元気」、もらったから、またこの10年を歩いていこうかな、そんなふうに思えたことを、あの夜の10人のバンドマンに謝謝!



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