啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々 水原秋櫻子
昭和六年、秋櫻子はホトトギスを離反して、自らの求める道に進んでいったが、この句は、それまでに俳句では見られなかった西洋画風の色彩豊かで、洒落た感覚の句である。秋の日の当たる牧場の木々が、啄木鳥が鳴くたびに落葉を降らすのだ。何かに急かされるように落葉が降るのだ。冬への急ぎである。秋櫻子は、「萩の風何か急かるゝ何ならむ」の句があるが、ときに何かに急れる思いを抱くようである。
昭和六年、秋櫻子はホトトギスを離反して、自らの求める道に進んでいったが、この句は、それまでに俳句では見られなかった西洋画風の色彩豊かで、洒落た感覚の句である。秋の日の当たる牧場の木々が、啄木鳥が鳴くたびに落葉を降らすのだ。何かに急かされるように落葉が降るのだ。冬への急ぎである。秋櫻子は、「萩の風何か急かるゝ何ならむ」の句があるが、ときに何かに急れる思いを抱くようである。