俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

8月8日(火)

2017-08-08 09:47:04 | 日記
★おみなえし山の葛垂る庭先に  正子
共に万葉の昔から親しまれてきた2つの秋の七草を優美に詠い上げげられた御句かと思います。
山の葛垂る庭先」の措辞がこれらの植物の枕詞を兼ねた、生態描写のように感じられ、実に素晴らしいと思いました。(河野啓一)

○今日の俳句
黒光りして児の掌にかぶと虫/河野啓一
子ども、特に男の子は、虫の中ではかぶと虫がとりわけ好きだ。黒光りする胴体、たくましい角、決して敏速には動かない堂々とした様子。そのかぶと虫を掌に乗せて、王者の気分だ。(高橋正子)

●台風5号が太平洋上に生まれて18日と何時間かになる。観測史上3番目の長寿とのこと。奄美大島など、和歌山北部、滋賀県、など大雨になった。姉川が氾濫。前線と台風の影響で、日本中、あちこち大雨の被害。

横浜で35度。残暑ぎらぎら。エアコンをドライから自動運転に切り替える。

●台風裡えのころ草の流線形/正子

今朝は、大変涼しい。台風5号が近づいているせいかもしれない。ここ数日の炎暑とは打って変わって。
 台風5号は、8日午前11時半現在、新潟・糸魚川市の北の海上を北北東に進んでいる。台風が近づく新潟市から中継で伝える.新潟・上越市では、降り始めから8日午前10時20分までに32.5ミリの雨を観測している。新潟県内の雨は、徐々に東へと移動していて、新潟市も午後には本格的な台風の雨となる見込み。
 新潟地方気象台によると、台風5号の速度はゆっくりで、新潟市へ最も近づくのは8日夜になる。風や雨の強い状態は9日昼過ぎまで続く見込みで、長い間警戒が必要だという。

毎日毎日、ネットの日本語の俳句を読んでいる。小池百合子さんが、都知事になってよかったと思うこともあるせいか、「俳句民主主義」というようなことを感じてしまう。伝統文化と民主主義は矛盾しないか。
英語俳句でいえば、初期の英語俳句は、イマジストの詩人たちが作り始めた。まず、彼らの俳句の「言葉」の質が基本的にいまの英語俳句の言葉違うと感じる。(2016)

○尾花(おばな・すすき)

[薄(すすき)/横浜日吉本町]

★何ごともまねき果たるすすき哉 芭蕉
★おもしろさ急には見えぬ薄かな 鬼貫
★山は暮れて野は黄昏の薄かな 蕪村
★夕闇を静まりかへるすゝき哉 暁台
★猪追ふや芒を走る夜の声 一茶
★古郷や近よる人を切る芒 一茶
★箱根山薄八里と申さばや/正岡子規
★一株の芒動くや鉢の中/夏目漱石
★金芒ひとかたまり銀芒ひとかたまり/高浜虚子
★穂芒のほぐれ初めの艶なりし/能村登四郎
★穂を上げし芒に風の触れはじむ/稲畑汀子
★薄野を来て一山の夕日浴ぶ/小澤克己
★今日を尋めゆく落日の川すすき/千代田葛彦

 薄について書こうと思えばありすぎる。いたるところにあるけれど、夏の青い薄が風になびくのもよい。城ケ島に4年ぐらい前だったか行ったときに、はるか大島の影が見える崖に青薄が靡いていた。月があがればどんなに素敵だろうかと思った。その青薄も真夏の暑さに鍛えられ、青々とした色が幾分か抜けると紅むらさきのつややかな穂が出る。出始めの穂の色、はらりとほどける穂の具合は、初秋の風情としては一品。秋も深くなると穂が白くほおけて、銀色金色に輝く。小諸の花冠フェスに出かけた折、追分のあたりから景色はぐっと高原らしくなるが、薄は金色だった。それから、鎌倉の二階堂の虚子記念館を訪ねたときに、薄原があった。虚子がこの薄原を詠んだのではないかと思わせる雰囲気があった。
薄について風情の良さばかりを言ってはおれないのだ。薄は、別な呼称で萱なのだ。生家には家の前に広い畑がある。両親がいたころは、いろんな農作物がよく育っていた。父が亡くなり40年がたち、母がこの5月に亡くなったが、畑の隅に徐々に萱が生え始めた。畑の手入れが行き届かない。おそらくこの萱が広がって、何年か経つうちに荒れた野に戻るだろうと、寂寥とした思いにもなる。

★追分の芒はみんな金色に/高橋正子

 ススキ(芒、薄)とは、イネ科ススキ属の植物。萱(かや)、尾花ともいう。野原に生息し、ごく普通に見られる多年生草本である。高さは1から2m。地下には短いがしっかりした地下茎がある。そこから多数の花茎を立てる。葉は細長く、根出葉と稈からの葉が多数つく。また、堅く、縁は鋭い鉤状になっているため、皮膚が傷つくことがある。夏から秋にかけて茎の先端に長さ20から30cm程度の十数本に分かれた花穂をつける。花穂は赤っぽい色をしているが、種子(正しくは穎果・えいか)には白い毛が生えて、穂全体が白っぽくなる。種子は風によって飛ぶことができる。日本には全国に分布し、日当たりの良い山野に生息している。夏緑性で、地上部は冬には枯れるのが普通であるが、沖縄などでは常緑になり、高さは5mに達する。その形ゆえに、たまにサトウキビと勘違いする観光客がいる。国外では朝鮮半島・中国・台湾に分布するほか、北米では侵略的外来種として猛威をふるっている(日本にセイタカアワダチソウが侵入したのと逆の経路で伝播)。植物遷移の上から見れば、ススキ草原は草原としてはほぼ最後の段階に当たる。ススキは株が大きくなるには時間がかかるので、初期の草原では姿が見られないが、次第に背が高くなり、全体を覆うようになる。ススキ草原を放置すれば、アカマツなどの先駆者(パイオニア)的な樹木が侵入して、次第に森林へと変化していく。後述の茅場の場合、草刈りや火入れを定期的に行うことで、ススキ草原の状態を維持していたものである。


◇生活する花たち「山萩・鬼灯・蓮の花托」(横浜・四季の森公園)

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