俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

7月2日(日)

2017-07-02 12:56:16 | ネット句会
★松林に白百合まばら富士裾野  正子
富士の裾野なので、松林も広々としたところなのでしょう。その広々としたところにまばらに咲く白百合。大きな自然と小さな自然の共生がそこにあると感じます。(高橋秀之)

○今日の俳句
せせらぎの木陰のめだか動かずに/高橋秀之
せせらぎの木陰はすずしそうだ。涼しさを喜んで、目高が活発に泳ぐかと思えばそうではない。じっとして、木陰の水の涼しさを体で享受しているようだ。(高橋正子)

○横浜・箕輪町の大聖院へ雨の中、蓮を見にゆく。今年は花が早いような気がする。花が散って花托だけになっているものもある。花弁の先だけが薄紅の蓮があるが、初めて見た気がした。(2015.7.2)

○夾竹桃

[夾竹桃/横浜日吉本町]          [夾竹桃/大船植物園]

★引き寄せし記憶夾竹桃咲きぬ/稲畑汀子
★安房の海夾竹桃の燃ゆる上に/瀧春一
★何か炒める音して夾竹桃咲けり/岡本眸
★夾竹桃散る三叉路に雀の子/松崎鉄之介
★夾竹桃爆風めける風受けて/片山由美子
★持ち前の強さ明るさ夾竹桃/小澤克己
★夾竹桃高きに白し仰ぎ見る/高橋信之

 じりじりとした暑さがやってくる。海を見ればどぼんと飛び込んで泳ぎたくなる。ちりんちりんと鐘を鳴らしてアイスキャンデー売りが自転車にアイスボックスを載せてやってくる。ボンネットバスが埃を巻きあげて通る。夏休みに精一杯遊んでいると、夾竹桃が校庭の隅で赤い花を咲かせる。ブランコの鎖の鉄の匂いが汗ばんだ手に移る。そうこうするうちに原爆忌やお盆が来る。戦没兵士の慰霊祭が校庭でとり行われる。夾竹桃はそのころ必ず咲いている。6月ごろからぽつぽつ咲き始め、9月、夏休みの宿題を抱えて登校するころまで咲く。 その葉で笹舟のように舟をつくったこともあるが、水に浮くわけではない。一花一花は可愛いが、強靭な花である。夾竹桃と言えば、暑さときらめく海と戦死者たちを思うのが私の常だ。

★わたくしのぶらんこ夾竹桃にふれ/高橋正子

キョウチクトウ(夾竹桃、学名: Nerium oleander var. indicum)とは、キョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑低木もしくは常緑小高木である。和名は、葉がタケに似ていること、花がモモに似ていることから。インド原産。日本へは、中国を経て江戸時代中期に伝来したという。葉は長楕円形で、両端がとがった形。やや薄くて固い。葉の裏面には細かいくぼみがあり、気孔はその内側に開く。花は、およそ6月より残暑の頃である9月まで開花する。花弁は基部が筒状、その先端で平らに開いて五弁に分かれ、それぞれがややプロペラ状に曲がる。ピンク、黄色、白など多数の園芸品種があり、八重咲き種もある。日本では適切な花粉媒介者がいなかったり、挿し木で繁殖したクローンばかりということもあって、受粉に成功して果実が実ることはあまりないが、ごくまれに果実が実る。果実は細長いツノ状で、熟すると縦に割れ、中からは長い褐色の綿毛を持った種子が出てくる。


◇生活する花たち「のうぜんかづら・月見草・百日紅」(横浜・四季の森公園)

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