◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋信之

7月21日~31日

2017-07-22 16:12:26 | Weblog

7月31日(5名)

●多田有花
熱き茶を冷房の中で吹いて飲む★★★
ジェットスキー真夏の沖を疾走す★★★
大夕焼けコンテナ船は西へ行く★★★★
コンテナ船が西へ、大夕焼けの中に入っていくように進んでいる。それが絵になっている。(高橋正子)

●小口泰與
凌霄花の雨後の空さま蒼きかな★★★
分校の水場の陰の百日紅(原句)
分校の水場に陰を百日紅★★★★(正子添削)
分校の水場には、百日紅が咲いて、水場に陰を作っている。分校の校庭の隅だろう。少し時間が止まったような、分校の夏の雰囲気が伝わる。(高橋正子)

水漬く田の枚あるや閑古鳥★★★

●谷口博望(満天星)
蝉時雨足跡残し穴と殻★★★
白南風や白き潮目に舟二艘★★★★
梅雨が明けると、海は眩しく耀く。潮目に白浪がたち釣り舟か二艘の船が浮き、目に涼しさを呼んでいる。(高橋正子)

歩かねば俳句とならず夏の果★★★

●廣田洋一
胃手術跡きれいに治り7月尽★★★
雨上がり7月の草華やげり★★★★
7月のロケット飲み込む日本海★★★

●桑本栄太郎
初鳴きを聞いて家路や法師蝉★★★
かなかなの嶺に茜の日暮れけり★★★
風を待ち投句勤しむ涼夜かな★★★★

7月30日(5名)

●多田有花
熊蝉の朝日と競うごとく鳴き★★★
停車してドア開きどっと蝉の声★★★★
三割引蛸の刺身でカルパッチョ★★★

●満天星
烏瓜咲きあかときを彷徨へり★★★
金亀子物干し竿で昼の夢★★★
蝉の殻我を先にと枝の先★★★★

●廣田洋一
甚平をおしゃれと褒める人のゐて★★★
甚平に心はずませ散歩する★★★★
甚平の着心地の良さは、洋服にはない軽やかさだ。風が通り、腕や脚が自由だ。それでお洒落であれば、「心はずむ」。夏の衣を楽しむのもいいものだ。(高橋正子)

甚平や家の片づけすいすいと★★★

●小口泰與
赤腹や暁の露天の湯の熱き★★★
夕菅や榛名湖へ投ぐルアー釣★★★★
榛名湖へルアーを投げる釣の時間を夕菅ロマンチックに彩る。「ルアー」が現実感から少し離れているので、夕菅の花との取り合わせに効果がでている。(高橋正子)

えぞにうの霧ヶ峰より富士見ゆる★★★

●桑本栄太郎
蝉飛んでためらい探す庭木かな★★★
田草取る老いの背伸びや昼下がり★★★
かなかなの鳴いて逝きたる君想う★★★★

7月29日(5名)

●多田有花
ひぐらしや夕餉につくるカルパッチョ★★★★
カルパッチョ(Carpaccio)は、イタリアの画家であるヴィットーレ・カルパッチョの名に依頼する生の牛ヒレ肉の薄切りに、チーズもしくはソースなどの調味料をかけた料理の総称だが、日本においては、生の牛ヒレ肉の代わりに、マグロやカツオ、サケなどの刺身を使用したカルパッチョが和洋折衷料理(西洋料理の日本風アレンジ)の代表例となっており、カルパッチョの発祥国イタリアにおいても、世界的な刺身ブームの影響を受け、生の魚肉を使ったカルパッチョや、野菜やフルーツを使ったものも多くなってきている。(ウィキペディアより・高橋信之)

よく冷えし甘酒風呂あがりの喉へ★★★
部屋中に熊蝉の声満ちており★★★

●満天星
白南風や河豚の子釣つて放す人★★★★
おぞましき記憶薄れず青蜥蜴★★★
熊蝉の猫から逃げてアンテナへ★★★

●小口泰與
空さまの花の失せたる凌霄花★★★
行水や太古の日差し浴びておる★★★★
蝸牛分教場の長ろうか★★★

●廣田洋一
緑の野跨るごとく夏の山★★★
噴煙の人拒みたる夏の山★★★
雨強し家族まとまる夏の山★★★★

●桑本栄太郎
土かびの匂い立ち居り夕立風★★★★
懐かしい想いが蘇ってくる。「夕立」に見る、日本の懐かしい風景が浮かび、実感のある句だ。(高橋信之)

風にふと哀しくなりぬ涼夜かな★★★
かなかなのかなの間合いの途切れけり★★★

7月28日(5名)

●多田有花
もぎたてのトマトに残る陽の温み★★★★
父はサラリーマンだが、母が農家の出身だったので、家庭菜園での農作業で母の手伝いをした少年時代の思い出が懐かしい。私は、姉と兄がいた4人きょうだいたが、農作業の手伝いをしたのは、私だけであった。炊事などの家事の手伝いでも私だけであった。小学四五年生頃には、自家製のマヨネーズをよく作っていたのを鮮明に思い出す。算数理科が得意だったので、マヨネーズ作りは、理科の実験だと思ったのだろう。(高橋信之)

受診する母新しきサンダルで★★★
六地蔵のうえに影なす百日紅★★★

●廣田洋一
炎天下水売りの鈴響きけり★★★★
鈴の音に涼しさを感じたのだ。「水売り」という炎天下の涼しさがいい。(高橋信之)

陰一つ無き道を行くプールかな★★★
炎天下水道工事急ぎけり★★★

●谷口博望 (満天星)
被爆せしものみな捩れ夾竹桃★★★
マンホールの鳩影へ入れ油照★★
空家なる隣の蝉の賑はひよ★★★★

●小口泰與
凌霄花や牛舎の屋根の濡れそぼち★★★
夕映えの水面にぎわすえごの花★★★
夕河鹿宿はランプを灯しける★★★★

●桑本栄太郎
空蝉のふるさと想う遠眼かな★★★
一陣の風の立ち居り夕立来る★★★
魚跳ねて足に逆巻く簗の水★★★★

7月27日(6名)

●満天星
両の手は鶴翼となり青嵐★★★
追ひ越されすぐ路地曲る黒揚羽★★★★
長髪の振り向く女日焼顔★★★

●多田有花
朝涼のなかで一枚描きあげる★★★★
一枚の絵を描き上げた充足感が伝わる句だが、その充足感が、朝涼の空気のように、あっさりとして、さらりとした絵を想像する。(高橋正子)

蝉時雨の下自転車の女子高生★★★
夏の陽の余熱の洗濯物たたむ★★★

●廣田洋一
たどり着く神殿横に登山口★★★
親友と登山せし日の青き空★★★★
親友と登山した日は、若い日であろうと思う。頂上に憩ったとき見た青空は、さわやかな充実感を象徴しているようだ。(高橋正子)

バス降りて一礼したる登山口★★★

●小口泰與
雫ごとグラジオラスを供えける★★★★
上五の「雫ごと」に実感があって、作者の思いが伝わってくる。(高橋信之)

しのつく雨に簗守の欠伸かな★★★
大甕の目高四散の日照雨かな★★★

●桑本栄太郎
網戸越え何やら哀し夜気来たる★★★
ぽつかりと地の果てまでも蝉の穴★★★
三伏の熱き緑茶を点てにけり★★★★

●川名ますみ
うすうすと山の向こうに雲の峰★★★
葬儀より帰れば聞こゆ遠花火★★★★
身近な人の葬儀かもしれない。空虚感を埋めるように遠くの花火の音が聞こえる。遠花火は美しくもはかない。(高橋正子)

夏の夜にふうせんかずら誘導す★★★

7月26日(5名)

●谷口博望 (満天星)
桃の実の落ちて球体凹みたる★★★
天空の糸柳から蝉時雨★★★
被爆樹の周りに数多蝉の穴★★★★

●多田有花
にわか雨過ぎるコートの夜涼かな★★★★
土用鰻売れ残りたる夜のスーパー★★★
朝風や熊蝉の声高まりぬ★★★

●小口泰與
夏の鯉濡れ新聞に包みけり★★★★
「夏の鯉」には、戦後の高校時代の思い出がある。戦後流行した結核に罹った私は、「夏の鯉」を食した。近くに住んでいた少年が川底に竹筒のような「仕掛け」を沈めて獲ってくれた。(高橋信之)

畦川の川音高し夏つばめ★★★
湖の色忽とかわりし時鳥★★★

●廣田洋一
天ぷらの後のデザートメロン食む★★★
専用の匙で掬ひしメロンかな★★★★
音良さげ叩いて見たりマスクメロン★★★

●桑本栄太郎
風に添いうすき二匹や夏茜★★★★
風に浮く「夏茜」の姿に、病に明け暮れた少年時代を思い起こす。「夏茜」の姿に明日の希望を見たのであろう。(高橋信之)

露わなる白き肩見せサンドレス★★★
甘露忌の香具師の呼び込む露店かな★★★

7月25日(5名)

●多田有花
真っ先に蛇を見つける蛇嫌い★★★
気持ちよく山の汗かき戻りけり★★★★
夏山をおりシロノワールを食す★★★

●小口泰與
凌霄花や山の奇岩のそそり立つ★★★★
凌霄花は、中国原産の花で、平安時代には日本に伝わったとされている。橙色の大型の花で、どこにあっても目立ち、どくどくの雰囲気を作っている。山の奇岩の傍にあれば、南画のような風景が思い浮かぶ。(高橋正子)

夏ばてや良き物食べに旅心★★★
蓮の葉の血脈浮き立つ朝かな★★★

●廣田洋一
丑の日は行列長き鰻屋かな★★★
丑の日や買ひし鰻は鹿児島産★★★
老友と酌み交わしたる鰻茶屋★★★★

●谷口博望 (満天星)
河童忌や哀れカンダタ蜘蛛の糸★★★
偉大なる葉に囲まれて花カンナ(原句)
大いなる葉に包まれて花カンナ★★★★(正子添削)
凌霄やトランペットを吹き鳴らせ★★★

●桑本栄太郎
稜線のゆるむ遠嶺や炎暑来る(原句)
稜線のゆるむ遠嶺や炎暑なる★★★★(正子添削)
「炎暑」の実感を表すために、「来る」を断定の助動詞「なり」にしました。
炎暑に、空は煙ったようになる。遠山の稜線もくっきりとはしない。そこを「ゆるむ」と表現した。炎暑が極まった感じだ。(高橋正子)

阪急の駅のホームやカンナの黄★★★
見上げ居る土手にカンナの車窓かな(原句)
車窓より見上げて土手のカンナかな★★★(正子添削)
「カンナの車窓」は曖昧です。

7月24日(5名)

●小口泰與
甚平や里なまり湧くへぼ将棋★★★★
昼顔や唆されし椅子の女(ひと)★★★
凌霄花に浮つく風の朝かな★★★

●廣田 洋一
夏燕二羽顔出す朝の風★★★★
夏燕と朝の風が涼しさを呼んでいる。燕二羽というもの可愛らしい。(高橋正子)
長命や背筋伸ばして千日紅★★★
暑さをば吸ひ込み紅き千日紅★★★

●谷口博望(満天星
ヒーロー歩く大暑の夜の書斎かな★★★
空蝉の重なり合いて枝の先★★★
あかときや花開きたる烏瓜★★★★

●多田有花
摩耶山へ向かう真夏の徳川道★★★
分けあって胡瓜を食べて共にゆく★★★★
風涼し大阪湾を一望す★★★

●桑本栄太郎
河童忌の冷茶漬け食ぶ昼餉かな★★★★
河童忌と冷茶漬けの取り合わせにペーソスがあって、涼しさがある。それがいい。(高橋正子)

夕刻の風に目覚めや昼寝人★★★
目覚めいて居所定まらず昼寝人★★★

7月23日(5名)

●谷口博望(満天星)
現代の隙間の魔女や葛の花★★★
広島や山の上から遠花火★★★★
花カンナははそはの母恋しくて★★★

●小口泰與
そこばくの甕と目高の裏庭よ★★★
鬼百合の蘂の底ひの賢者かな★★★
日に晒す水をビニールプールへと★★★★
ビニールプールは子どもたちのためだろう。「日に晒す」がいい。ビニールプールに水を広々と入れると、水は日に晒される。ビニールプールの底の絵柄がよく見えてたのしいものだ。(高橋正子)

●廣田洋一
濃紫さつと開きしダリアかな★★★
店先のダリアの花の色崩れ★★★
道の端ダリアは紅し日高し(原句)
道端のダリアは紅し日は高し★★★★(正子添削)

●多田有花
あじさいや六甲森林植物園★★★
池埋めて紅白睡蓮の開く★★★★
蝉の声に始まる大暑の夜明け★★★

●桑本栄太郎
香水の香りうとましバスの中★★★
鈍行の扉開くたび蝉しぐれ★★★★
外は蝉時雨。鈍行電車が走っている間は、窓や扉はきっちり閉められ蝉時雨は聞こえないが、駅ごとに電車が止まり、扉が開くと蝉時雨がどっと入り込む。外の暑さ、蝉の元気さを知る時。(高橋正子)

裏返る白き葉裏や大暑の日★★★

7月22日(4名)

●小口泰與
空蝉や剥落続く六地蔵★★★

蓮の花遊船の声湧きにける(原句)
遊船に声湧きあがる蓮の花★★★★(正子添削)
蓮の花見の遊船。蓮の花は仏様の花としてのイメージもあって、極楽に遊ぶような蓮見の遊船だ。(高橋正子)

そこはかと夕日浅間へ道おしえ★★★

●廣田洋一
景色良き場所につかへる登山道★★★
山神に一礼したる登山口★★★

間伐の枝を手折りし登山杖(原句)
間伐の枝を手折りて登山杖★★★★(正子添削)
登山には、特に足腰が弱い人でなくても、ストックがあれば、歩行が安定するし、ずいぶん助かる。杖もいらぬと判断して登り始めたのだろうが、途中、杖があればと、枝を杖に折った。登山の様子が眼に見えて、楽しい。(高橋正子)

●桑本栄太郎
花びらの滴幾重やダリア咲く★★★
トンネルを出でて黄なりきカンナ咲く(原句)
トンネルを出でてカンナの黄がまぶし★★★★(正子添削)
待つことの聖者たりしや青ぶどう★★★

●川名ますみ
夏山の命盛んな道走る★★★★
夏山の中の道を車で走ると、「夏山の命」というような、勢いのある夏木立、夏草に出会う夏山に「命」というものを感じてしまう。(高橋正子)

横須賀の夏の岬に小さき艦★★★

夏服の防大生に女子添うて(原句)
夏服の防大生よ女子もいて★★★(正子添削)

7月21日(5名)

●廣田洋一
漣のきらきら光る夏の海★★★★
風待ちて白帆掲げるヨットかな★★★
砂浜の人影まばら梅雨明けぬ★★★

●小口泰與
硝子戸へ恐怖の雨やバンガロー★★★
凌霄花や浅間へ夕日近づかず★★★★
軽装でと言う会議の麦茶かな★★★

●谷口博望(満天星)
花葛の護岸に立てば厳島★★★★
厳島が見張らせる葛の花の咲いている護岸。世界文化遺産になっている観光地厳島であるが、護岸には葛が生い茂り、花を咲かせている。生い茂る葛が自然の力を見せている。(高橋正子)

高架橋の灯を点けに来ぬ夏鴎★★★
声もなく工事現場の夏雲雀★★★

●多田有花
夏朝日昇れば鳥の歌いだす★★★
海風(かいふう)の終日とおる夏の窓★★★
夏の日やぴんと乾きしバスタオル★★★★

●桑本栄太郎
少年のピアスきらめく朝涼し★★★★
「朝涼し」がいい。ピアスをした、手足のすらりと伸びた日焼けした少年をさわやかにしている。(高橋正子)

蝉殻を探し辿りぬ家路かな★★★
天道虫飛び翔つ前の間合いかな★★★
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3 コメント

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御礼 (小口泰與)
2017-07-23 15:52:54
7月22日の投句「蓮の花」の句を正子先生に添削して頂き有難うございました。これからもよろしくご指導のほどお願い申し上げます。
御礼 (廣田洋一)
2017-07-23 17:19:24
高橋信之先生
   正子先生
いつも懇切にご指導頂き有難うございます。
7月22日の投句「登山杖」を正子先生に添削して頂き有難うございます。お陰様にて、動きのある句になりました。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
御礼 (廣田洋一)
2017-07-25 10:21:14
高橋信之先生
   正子先生
いつも懇切にご指導頂き有難うございます。
7月23日の投句「道の端ダリアは紅し日高し」を正子先生に「道端の」と添削して頂き有難うございます。滑らかな句になりました。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。

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