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薬物、罰より社会で回復を 再使用に異例の猶予判決・・・覚せい剤取締法違反罪

2017年05月15日 | 一般ニュース
薬物、罰より社会で回復を 再使用に異例の猶予判決
2017年5月15日 (月)配信共同通信社

 覚醒剤使用事件で執行猶予期間中にまた覚醒剤を使ってしまい、あらためて執行猶予判決を受けた青年が今春、依存症回復支援施設の見習いスタッフになった。薬物事件で、こうした「再度の執行猶予」となるケースは異例という。担当弁護士は「依存症は病気であり、刑務所に行くよりも治療を受けて社会で回復を続ける方が有効。彼が何よりの証拠だ」とし、同様の対応を増やすよう訴える。
 3月下旬、奈良県大和高田市の回復支援施設「ガーデン」に、2度の猶予判決を受けたユウスケさん(22)を訪ねた。
 当事者同士のグループワークで、積極的に発言したり、口数が少ない仲間に話を振ったり。はつらつとした笑顔が印象的だが、「もともとは人と話すのが苦手でした」。18歳で覚醒剤に手を出した。「使うとしゃべれるようになる。なりたい自分になれた」と明かす。
 一方で、ずっと「やめたい」とも思っていた。親や友人に相談し、自ら警察に出頭。覚せい剤取締法違反罪に問われ、2015年3月、大阪地裁で懲役1年4月、執行猶予3年を言い渡された。
 判決の2カ月後。介護施設で働く道を選んだが、友人と近所の商業施設に行った時、顔見知りの売人に偶然、声を掛けられた。「スイッチがバンと切り替わるみたいになった。1回だけなら、と」。でも、すぐに罪の意識にさいなまれた。職場の上司に打ち明け、警察に自首。再び覚せい剤取締法違反罪に問われた。
 この間に母親が探したガーデンへ。施設長の酢谷映人(すや・えいと)さん(26)は「薬を使わない生き方におびえているように見えた」と振り返る。自身も経験者として「葛藤から逃げるために依存症になる。回復には抱えている問題と向き合う必要がある」と指摘する。
 「1人が嫌で、さみしくて使った。生きづらさが原因だった」。ユウスケさんは施設の仲間と対話を繰り返し、友人関係や親子関係の悩みが依存の根っこにあると気付いたという。
 せっかく回復を続けているのに、実刑判決による刑務所行きで中断させてはならない―。2度目の事件から担当した菅原直美(すがわら・なおみ)弁護士は、ユウスケさんの姿を見てそう考えた。施設の仲間に公判の傍聴に来てもらい、酢谷さんに情状証人になってもらった。
 国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦(まつもと・としひこ)薬物依存研究部長は、本人と面会した上で「服役は治療の変化を後退させることになる」と意見書に記した。「罰を与えるよりも地域での治療を重視すべきだという考えは、さまざまな研究に基づく世界の流れだ」と話す。
 16年1月。大阪地裁は懲役1年、保護観察付き執行猶予5年の判決を言い渡した。実刑を求めた検察は控訴したが、同年9月に棄却された。
 今、ガーデンで見習いとして働くユウスケさんは、再度の猶予判決を「刑務所に行くよりも重たい」と受け止める。薬をやめ続けることができるのか―。「社会にいるからこそ、しっかりしなきゃと思う。自分の回復を最優先に、仲間の支えにもなりたい」と話し、自分に言い聞かせるように続けた。「過去には戻りたくないですから」
 ※再度の執行猶予
 刑法は、以前に禁錮以上の刑に処せられ執行を猶予された人が、その期間中に1年以下の懲役などの言い渡しを受けた時、情状に特に酌量の余地があれば再度、刑の執行が猶予されると規定している。法務省の統計によると、2015年に覚せい剤取締法違反事件で再度、猶予判決を受けたのは2人。警察庁によると、15年に覚醒剤が絡む事件で摘発されたのは約1万1千人だった。薬物依存を巡っては社会生活の中での治療効果が注目を集めており、国は16年6月、実刑判決になる薬物使用者らを対象とする「刑の一部執行猶予制度」を始めた。
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