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こころの天気図:授業で理解進めよう・・・プログラム開発

2016年10月11日 | ニュース(精神)
こころの天気図:授業で理解進めよう=東京大教授、精神科医 佐々木司

2016年10月9日 (日)配信毎日新聞社

 世界各国では近年、子ども向けの精神疾患教育が盛んだ。日本では指導要領との関係で、精神疾患に関する学校での正式な授業は一切行われていないが、複数の研究グループがプログラム開発を手掛けている。今回は私たちの考案した授業を、例として紹介したい。

 私たちの授業が対象にするのは、小学校高学年、中学生、高校生。小学生には、(1)体に病気があるのと同じく心にも不調や病気(精神疾患)がある(2)それは10代(思春期)から増え始める(3)精神疾患は誰もが(5人に1人)かかり得る(4)生活習慣が影響し、それを知れば予防にも役立つ(5)困った時は一人で抱え込まず早めに相談することが肝心――と教える。(2)~(5)はイラストで示した通りだ。

 中高生ではさらに、精神疾患で起こりやすい具体的症状を「うつ病」「不安症」「統合失調症」を例に教え、もし友達から相談されたらどのように対応したら良いかをアドバイスしている。相談への対応を教えるのは、中高生では悩みの相談相手のほとんどが友達か家族で、特に高校生では友達が最も多いからだ。

 この授業には二つ特徴がある。一つは、多くの学校で実施できるよう、精神保健・医療の専門家でなく、学校の先生が教えるのを前提としている点。教員はこのテーマには素人だが、授業ができるように勉強すれば、自分たちの知識も向上するし、一石二鳥だろう。このため私たちは、教員用の指導書を作り、講習会も開いている。

 もう一つは、小学校だと45分1回、中学と高校では50分2回という短時間で終わるようにした点。諸外国のプログラムを含め、子ども向け精神疾患教育は長いと10回以上と時間のかかるものが多い。教科書も、英国の中学生用では6ページにわたり詳しく記述されている。それくらい時間をかけるのが理想的ではあるが、行事などで忙しい日本の学校でそこまでするのは不可能だ。だから私たちは、既存の授業の構成で実施できるプログラムにした。

 その代わり、短時間でも効果が上がるよう、専用のアニメーション教材を作り、授業に活用している。4枚のイラストは、そこから抜粋したものだ。既に60校ほどで授業をしたが、子どもたちの反応は良く、効果も実証されている。

 現在、文部科学省では指導要領の改定が進んでいるが、予防と早期発見・対処に役立つ精神疾患教育を、保健体育などの単元にぜひ盛り込んでほしい。子どもたちのために。=次回は11月6日掲載
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