1 孫なきも曾孫に会える嬉しさよ絵本ボランテア図書館にて 清水 佳子
2 風光る笑み爛漫と曾孫新一年生親の手かりず軽かろと行く 久保田一恵
3 上を見る息を吐ききる手を開く 怒鳴りたきこと堪えんとして 智理 北杜
4 楡若葉戦ぐ国道のはて遠く十勝岳の尾根に残雪は見ゆ 石山 宗晏
5 子育てに迷ひ間違ひあるなれどまわりの人の眼温くあれかし 井上 敬子
6 グランドに運動靴の棄てられて三年間を汚しゆくらし 土蔵 寛二
7 朴の木に藤づるからみこんもりと枝もたわみて花しだれ咲く 遠藤 貞子
8 夜をこめし雨の雫をこぼしやる指に触れてさむき牡丹 橘 幹子
9 病床に届けし水仙首かしげなぐさめられると友が喜ぶ 山田恵美子
10 戦没者の流す涙か護国神社招魂祭に今年も雨ふる 上野 節子
11 安宿も過ぎしと思ふわが旅ぞスイートルームが常の人はや 鎌田 章子
12 ちらほらとほころびはじむ牡丹花クマンバチ寄り来とき惜しみいる 白岩 常子
13 セールスマン我が家の外壁直せとう共に朽ちると丁寧に断つ 金子 美恵
14 陽がさせば誘われるごと人らい出稚内の街に初夏近づけり 杉本稚勢子
15 けんめいに母ガモを追いし子ガモらのその後は知らず アカシア匂う 柊 明日香
16 六月の野にそよぐ風サワサワと草食む牛らとなにを語りぬ 櫻井 若子
17 くれないの花の輪あまた石楠花に蜂一匹の羽音し弾かる 丹呉ますみ
18 香しき花の香運ぶ薫風よ悪しき噂は連れてくるなよ 清水紀久子
19 除雪車が役場の車庫に並びいて冬を迎うる日まで眠れり 桑原憂太郎
20 来し方は問わず互いの時うめるただ茶を飲むに旨しこの茶は 河原由美子
21 日を集め千鳥ヶ池に花盛る蓮ひとむらに安穏を乞う 神林 正惠
2 風光る笑み爛漫と曾孫新一年生親の手かりず軽かろと行く 久保田一恵
3 上を見る息を吐ききる手を開く 怒鳴りたきこと堪えんとして 智理 北杜
4 楡若葉戦ぐ国道のはて遠く十勝岳の尾根に残雪は見ゆ 石山 宗晏
5 子育てに迷ひ間違ひあるなれどまわりの人の眼温くあれかし 井上 敬子
6 グランドに運動靴の棄てられて三年間を汚しゆくらし 土蔵 寛二
7 朴の木に藤づるからみこんもりと枝もたわみて花しだれ咲く 遠藤 貞子
8 夜をこめし雨の雫をこぼしやる指に触れてさむき牡丹 橘 幹子
9 病床に届けし水仙首かしげなぐさめられると友が喜ぶ 山田恵美子
10 戦没者の流す涙か護国神社招魂祭に今年も雨ふる 上野 節子
11 安宿も過ぎしと思ふわが旅ぞスイートルームが常の人はや 鎌田 章子
12 ちらほらとほころびはじむ牡丹花クマンバチ寄り来とき惜しみいる 白岩 常子
13 セールスマン我が家の外壁直せとう共に朽ちると丁寧に断つ 金子 美恵
14 陽がさせば誘われるごと人らい出稚内の街に初夏近づけり 杉本稚勢子
15 けんめいに母ガモを追いし子ガモらのその後は知らず アカシア匂う 柊 明日香
16 六月の野にそよぐ風サワサワと草食む牛らとなにを語りぬ 櫻井 若子
17 くれないの花の輪あまた石楠花に蜂一匹の羽音し弾かる 丹呉ますみ
18 香しき花の香運ぶ薫風よ悪しき噂は連れてくるなよ 清水紀久子
19 除雪車が役場の車庫に並びいて冬を迎うる日まで眠れり 桑原憂太郎
20 来し方は問わず互いの時うめるただ茶を飲むに旨しこの茶は 河原由美子
21 日を集め千鳥ヶ池に花盛る蓮ひとむらに安穏を乞う 神林 正惠