長尾景虎の戯言

読んだり聞いたりして面白かった物語やお噺等についてや感じたこと等を、その折々の気分で口調を変えて語っています。

北村薫著【中野のお父さん】

2017-06-27 17:05:25 | 本と雑誌

田川美希は文宝出版の編集者、学生時代バスケットをやっていた体育会系人間、就職して都心のマンションに引っ越したが、中野に実家がある。
その中野の父は定年間際の国語の教師、どうしてそんなこと知ってるの?と、いいたくなる百科事典タイプの人間だ。
中野のお父さんが快刀乱麻、謎を解く!
{夢の風車}
新人賞最終選考に残った候補者からの思いがけない一言、「応募していませんよ、わたしは」…。
{幻の追伸}
古書店の店主がいう「実は、扱いに困っている手紙がありましてね…」と、ある大物作家に充てた女性作家の手紙には愛の告白?…。
{鏡の世界}
亡くなって十年以上経つ大物作家、その作家は画集も出す。
その作家の子息から未発表の画帳があったとの話がくるが…。
{闇の吉原}
落語好きのミステリ作家と、歌謡曲好きな若手落語家との対談を担当する美希。
対談の後の雑談で「闇の夜は、吉原ばかり月夜かな」とするか「闇の夜は吉原ばかり、月夜かな」切りかたで明暗を分ける…。
{冬の走者}
中堅時代小説家の誘いで、文宝出版から数名、北関東の地方都市で行われる、市民マラソンに参加することになった。
もちろん、体育会系の美希も参加する。
たまたま、その場所が編集長の出身地であったから、編集長も参加することになったが…。
{謎の献本}
会社の机が新しくなるで、今の机を整理しなければならない。
美希の机の上には、国岡学先生の新刊が置いてあった。
出たばかりの中国古代を舞台にする大作で、その第7巻である。開けば、田川美希様 国岡学と書かれている。
第6巻は机の中に入れてあったはずが…。
{茶の痕跡}
定期購読者の話を聞いているうちに思いもよらない事態に。
「わたしは殺人事件の現場に行き合わせることになったわけです」
{数の魔術}
美希の後輩虎谷紫苑ことトラちゃんが、「宝くじおばさん」の記事を書いた。
おばさんは、三十年も同じ人気売り場で買い続けていた。
当たりの、最高額は百万円。
その「宝くじおばさん」が襲われた…。
以上八編からなる連作短編集。
前回の「太宰治の辞書」より、もっと緩く、ユーモアもきいてぐっと馴染み安い。
これはなかなか面白い、北村薫は新たなキャラクターを生み出したようだ。
体育会系な文芸編集者の娘&定年間際の高校国語教師の父。
「あの、おかしなこと、いいだすとお思いでしょうけど…わたしには父がいるんです。
定年間際のお腹の出たおじさんで、家にいるのを見ると、そりゃあもうパンダみたいにごろごろしている、ただの<オヤジ>なんですけど…謎をレンジに入れてボタンを押したら、たちまち答えが出たみたいで、本当にびっくりしたんです。お願いです。
このこと…父にだけ、話してもいいでしょうか。」{幻の追伸}より

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