鍼灸如何に学ぶべきか~科学的鍼灸論の構築のために~

鍼灸の理論と術にかかわる初歩的・基本的な問題を中心に、科学的=論理的に唯物論を把持して説(解)いて行きたいと思います。

T先生実技試験対策(膝部痛)〜形あるいは約束組手の必要性について〜

2017-07-13 22:18:47 | 鍼灸学校での学び・国試勉強・受験勉強
T先生の実技試験のための症例について考えていると、ここが鍼灸の学びに欠けた部分である、と思える。

入学以来の鍼灸学校での鍼灸の学びというものは、例えば、鍼の打ち方、灸のすえかた、またその施術点の決め方(トリガーポイント、経絡経穴等)であり、実際の患者にどのように施術するのか?の授業は皆無に等しかった。にも関わらず、夏の終わりごろには、下級生を患者として、実際に施術しての試験がある。

これは空手で言えば、基本の技を学び、初心者用の約束組手で「突きはこう突いて、それに対して上段受けでこう受けて、こう反撃する」ということを学んだだけに等しいレベルであり、にも関わらず次の段階として闘うことを求められているに等しい、と思える。

長くなるので、詳細は改めてとしたいと思うが、その基本技と試合・実際の闘いの間隙・ギャップを埋めてくれるものが、T先生の実技授業であり、今回の実技試験の内容である、と思える。

さて、「膝部痛」の症例。

83歳男性、K・Hさん(マンションで一人暮らし、食事や身の回りの世話は家政婦を雇って任せている。)右膝内側部の痛みがあり、リハビリのため来院。3ヶ月前に、デイケアの施設でトレーニング中(腰痛の既往歴があり本人希望で介護保険で週一回の筋力維持の為のトレーニングを行なっていたが、施設の指導員から歩行時に右脚がまっすぐ出ていないと指摘され、その矯正のための歩行訓練中)に「ブチッ」と右膝内側部から音がして、膝が痛くなって歩行不能となる。

翌日、整形外科受診して、右膝のレントゲン撮影を行うが骨には異常無し。直後は腫れ上がって痛みがあったが、現在は、階段昇降時の痛みがあり通常歩行時も膝に突っ張り感があるが、腫れはほとんど無い。医師よりは、四頭筋訓練の指示。

「問診:痛み、可動域制限の聴取」
どうされましたか?〜右脚が歩く時に外へ向くのを直そうとしてトレーニングしていて痛めたんですね。

右膝の内側が痛い、んですね。

曲げ伸ばしは出来ますか?〜曲げ伸ばしは出来るけれど、右膝が突っ張って正座は出来ない、んですね。

「患部の観察:圧痛、可動域確認」
ちょっと見せてくださいね。

仰臥位〜鵞足部に圧痛

伏臥位〜屈曲130度ぐらいで膝の突っ張りを訴える。

右大腿下1/3=膝の近位に筋肉の張り。

臀部の筋の量に左右差。右が痩せている。

「徒手検査:マックマレー、下肢アライメント」
マックマレー〜痛み違和感無し。

下肢アライメント〜下腿外旋位

「損傷部の理解」
人間の膝は曲げ伸ばしの時に、まっすぐ曲がって伸びるだけじゃあなくて、一緒に膝から下が伸ばすと外へ、曲げると内へ回旋しているんですよ。それに合わせて、その力を打ち消す様に股関節が内へ外へと回旋しているんですが、Kさんの場合、股関節を運動させているお尻の筋肉が、弱って硬くなってしまってしっかりと動いてくれない、回旋してくれないから、多分、その力を逃すために右脚をまっすぐ出さない形で歩いていたのですね。曲がって脚を出すにはそれなりの理由があったんですね。

その右脚を、股関節周りのお尻の筋肉が弱く硬くなっているままで、曲がって出している形だけ無理矢理修正したから、その負担が膝にかかって痛めてしまったんですね。

「治療方針:SHM」
ですから、膝から下が内旋、外旋するのに合わせて、股関節が外旋、内旋出来るように筋肉(大腿筋膜張筋、中臀筋、外旋6筋)を緩めていきますね。(触診して、筋肉が硬くなっている大腿筋膜張筋に鍼を打つ)
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