無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

リバーズ・エッジ

2018-02-20 | 2018日本語映画評


「リバーズ・エッジ」 R15+ 行定勲監督 ☓☓☓ PPマルボロ緑ライター

 1993年に連載されていた岡崎京子原作の漫画が原作です。
 都内の高校生ハルナ(二階堂ふみ)は元彼の神崎(上杉柊平)の残酷な虐めにあっていた山田(吉沢亮)を助けます。それがきっかけとなっていじめられ続けている山田の唯一の「安定剤」となっている河原の秘密を共有することになります。もうひとり共有している摂食障害の同級生吉川(SUMIRE)、そして山田に一方的な恋をしている田島(森川葵)、性的にだらしがないルミ(土屋志央梨)などの「さわやか」とか「純情」とかの美しい言葉とは無縁の青春を描きました。
 高校生の物語がR15+と言うこと自体に自己矛盾があるのではないでしょうか。表現は「成人指定」してほしいくらいの内容で観客に何を伝えたいのかわからず不愉快さだけが残りました。二十歳を数年過ぎている俳優には新鮮さがなく高校生に見えません。原作者には熱烈なファンがいるようですが、なぜ今映画化する意義があるのか理解できませんでした。
 唯一評価できたのは高校の授業の場面で「自由」について教師が語っていた内容とテレビに写った温室効果ガスについてのニュース画面は「今」の問題として理解できました。これこそ未成年者にも伝えたい事でR指定はますます意味がなくなってしまうのではないでしょうか。
 タバコは、主役の二階堂ふみが殆どの場面で喫煙します。高校生の喫煙は歪んだ仲間意識で「みんなで吸う」ことがきっかけになるようですが今作ではほとんど彼女ひとりだけが吸っていました。(SUMIREが1度「タバコ頂戴」といって一緒に喫煙。)完全な依存症で「ちょっと一服するわ」などおじさんのようなセリフまでありました。
 また、酒を飲んだり、ドラッグを吸ったりする場面もありました。
 R指定されていれば何をやってもいいのでしょか。せめて、「演出上高校生が喫煙飲酒する場面がありますが、法律で禁じられています。真似をしないでください。」の警告くらいはあってもいいのではないでしょうか。映倫に問い合わせたい作品です。
こういう作品が日本代表として海外のコンクールに出品されるのはなんだか恥ずかしい。


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