医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

命の重さ

2017-09-14 05:33:00 | 薬局
老後への備え。

来年度に向けた社会保障費の増加分は概算要求から6,300億円になる。
ところが2015年の段階で財務省から出されている提案は、2016年から18年の3年間の増額を1.5兆円としている。
実際に2016年は6,700億円の概算要求に対し、ぴったり5,000億円に抑えた。
もちろん2017年度は6,400億円だったが、こちらも5,000億円とした。
2018年度は6,300億円で5,000億円まで圧縮されるのは目に見えている。

社会保障費の中で大きな存在が年金と医療費である。
それぞれが約38%前後ある。
次は介護で約10%とまだ小さいが膨らむ要素は大きい。
この中で年金はコントロールが難しい。
法律から変えなければならない。
しかも高齢者が猛反対する。
ここが怒ると政権も吹っ飛ぶ。
それに比べて医療と介護はそれぞれ定期的に改定があり、その度、ある程度のコントロールが可能となっている。

さて、その医療であるが厚生労働省の2012年の推計によると、1人の人が生涯で必要となる医療費は2,522万円になるそうだ。
医療費は高齢になってから急増する。
現在70歳の人の場合なら、その後、生涯医療費の50%程度(約1,261万円)が必要となる。
現在60歳くらいの人の場合なら、その後、生涯医療費の60%程度(約1,513万円)が必要となるらしい。
私もこれから今まで支払った医療保険分の元を取り戻すことになる。
もちろん、この金額は自己負担割合が10割の場合である。
これが3割にしても1割にしてもかなりの金額が必要になる。

因みに、この医療費は病気になったときの診断や治療のための費用で、直接医療費と呼ばれるものだ。
ここには、初再診料、入院料、検査料、診断料、注射料、処置料、手術料、入院時に特別な部屋を希望した場合の費用や食事代など、通院や入院した際に医療機関の窓口で支払う医療費、調剤薬局で支払う薬剤料などが含まれる。
この他に、病気になれば医療機関に通院するための交通費、家族の看護に伴う交通費などもろもろの間接医療費が必要になる。
生きていくって言うことはお金を費やすることだ。

健康保険組合連合会の集計によると患者1人当たりの医療費が1ヶ月で千万円以上だった例が、2016年度は484件もあったそうだ。
これは前年の3割以上増加になる。
1億円を超えた人は2人いて、フォンウィルブランド病と呼ばれる血液疾患の治療に月約1億700万円、2番目は血友病で1億200万円となっている。
月1億円を超える医療費が記録されたのは2011年度以来だそうだ。

千万円以上の件数は2006年が116件だったそうだ。
そう考えるとここ10年で約4倍に増えている。
この傾向はますます続くと思われる。

実は、これも医療費抑制が喫緊の課題で、どこを引き下げるのかは入院医療費と調剤医療費と薬価となる。
人の命は何よりも重い。
なんだか宿命みたいなものを感じる。





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