医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

誰も知らない

2016-10-05 06:03:59 | 薬局
見えてこないけど始まった。

この10月1日から「健康サポート薬局」制度が始まった。
ところで「健康サポート薬局」についての説明はあったのだろうか。
何となくそれらしい内容の説明はあったようだが、伝える側の理解が問題だ。
さらに国民へのアピールが全くない。

どうも厚生労働省から出ている資料などもあるが、何のために必要なのかが見えてこない。
従って、大手調剤チェーンやドラッグストアでも扱いがまちまちのようだ。
積極的なのはツルハHDで3年後には全店舗で実施したいそうだ。
これにはかなりの無理があるし、「健康サポート薬局」の意義をはき違えているような気もする。
それに比べて大手調剤チェーンの見方は冷ややかである。
10月中の届出がアインHDで17店舗、その他は5~6店舗と少ない。
特に日本調剤などは今のところ無いとのこと。
私からすると、この「健康サポート薬局」はドラッグストアが対応するよりも大手調剤チェーンが対応しないと難しいと思っている。
これも主旨徹底のなさなのか、それとも戦略的に意図することなのか。

私は以前からセミナーでも、このブログでも「健康サポート薬局」はある程度の規模がないと難しいと伝えてきた。
しかも収益性がないので、”健康サポート機能“を支えるだけの余力がないと出来ないと考えている。
元々は中学校区に1つあればと言うことで、全国に1万5,000軒ほどの話だった。
私の勝手な想像では、これからの「地域包括ケア」に欠かせない「地域ケア会議」に出席できる薬局であり、薬剤師の存在を作る目的だったような気がしている。
だから平日に「地域ケア会議」に出席でき、地域の医療や介護、行政との連携に向けた動きが出来る余裕がある薬局を求めていると考えている。

先ず、「健康サポート薬局」には「基準調剤加算」の算定の有無は問われていないが、その施設基準には「基準調剤加算」そのままである。
報酬がない中での施設基準の維持はかなり大変である。
また、“かかりつけ薬剤師“がいることが要件にある。
しかも「患者が選択できること」の条件付きである。
但し、この要件は一部地域では求められないとの情報もある。
要は1人の”かかりつけ薬剤師”でも認めてくれるそうだ。
このあたりが行政も混乱しているところじゃないだろうか。

さらに、「有効は健康サポート薬局に係わる研修修了者」の存在がある。
こちらは「常駐」となっている。
先ほどの”かかりつけ薬剤師“も”研修修了者“も1人では対応が難しい。

ハードルはそれだけではない。
月に一度くらいは薬局内で地域の人を集めての健康相談や健康教室などの開催も必須となる。
店舗には48カテゴリーのOTCを陳列し、医療材料や介護用品なども必要になる。
かなりの店舗面積がなければ出来ない。

そう言う面ではドラッグストアが有利かもしれない。
「基準調剤加算」の有無が問われないのも有利である。
ただ、複数の”かかりつけ薬剤師“や”研修修了者“の店舗への配置は至難の技である。
ここを曖昧にするとドラッグストアはこぞって「健康サポート薬局」の金看板を取りに来るかもしれない。
でも、本来の主旨が違うんじゃないのか。

大手調剤チェーンはOTCなどの陳列がネックになる。
きっと陳列しても期限切れで廃棄になる可能性が高い。
はっきり言ってOTCは必要なんだろうか。

さて、さて、どうなることやら…

そうそう「健康サポート薬局」の金看板は自前で作るそうだ。
何と統一感のない仕組みだろうか。
国民へのアピールは、国民への認知はどこに行ったのか。






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2 コメント

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OTC必要では? (naritoro)
2016-10-05 09:34:13
 OTCがあるから、院外薬局の存在価値が高まるのではないでしょうか? 
 処方箋だけなら、院内薬剤師がお薬手帳など確認して調剤すれば十分かと。 
 軽医療なら薬局で完結できる体制にしていくことが、保険財政の維持に必要ではないでしょうか?
それもある (駒形和哉)
2016-10-06 07:17:48
と、思います。

ただ、一般薬は高すぎます。
特に、スイッチOTCなどはジェネリックもありません。
あのジェネリックの薬価からするともうけ過ぎじゃないでしょうか。

4日に行われた財政制度等審議会でも問題になっています。

いつも言っていますが、なぜ「処方箋以外の医薬品」を薬局で販売できないのでしょうか。
どこかから圧力がかかっているとしか思えません。
それに対して無言の薬剤師会もおかしなものです。

また、自前の処方箋だけなら院内でも十分かもしれません。
手帳を見ると他からの薬も分かるかもしれません。
ただ、院内には薬歴がありません。
これは継続的、一元管理になるんじゃないでしょうか。

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