捨石拾遺の桜梅桃梨   

桜梅桃梨の花は、何れも白や濃淡のピンクの色をした美しい花を咲かせ、それぞれが個性的な花であり、私の心を癒してくれる。

食べることの意味 6 「食の飢えは、愛の飢え」

2017-03-21 03:56:44 | 老いの風景

 

「食の飢えは、愛の飢え」

 

一人暮らしでなく息子夫婦が同じ屋根の下に暮らしていても、

食が十分に満たされていない老人もいる。

「家」があっても「家族」の絆が希薄になってきている。

長男夫婦は、どちらも医療従事者の仕事をされ、朝早く夜遅くと家に居る時間が少ない。

学校から帰ってくる二人の孫が、東登志子さん(88歳)にとって唯一の楽しみでもあった。

日中、一人暮らしの状態となり、

台所までようやく歩き辿り着くことは出来ても、

数分でも台所に立つことができない。

Coopから配達された食材は、

レトルトや海苔、缶詰などの食材で、

手にかけなくても食べられるものばかり。

それを日々口にしても食欲はでるものではない。

栄養も偏り、食事量も少なくなり栄養不足になってしまう。

 

 

前述したように同じ屋根の下に住んでいても、

おかず一つ運んでくれる訳ではないから、

彼女が37.0台の熱を出したときには、

布団から這い出すこともできず、

空腹のままじっとしている。

37.4℃あり赤らんだ顔し、

千鳥足のような歩きで登志子さんは呟く。

「北登リ町(デイサービス)に辿り着いた。これでようやく食事にありつけることができた」

と、安堵の表情を見せる。

普通高熱があるときは、食欲は湧かず箸をつけることはないのだが、

残すことなく完食した彼女の姿に、心の痛みを感じてしまう。

 

十分な栄養や水分が摂れていないことから

基礎代謝はバランスを崩し、体は悲鳴を上げた。

家族愛の枯渇は、食の飢えをもたらす。

「これでようやく食事にありつけた」の声が耳に残る。

 

 

 

 

 

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