歌舞伎蔵(かぶきぐら)

歌舞伎を題材にした小説、歴史的時代背景を主に、観劇記録、読書ノート、随想などを適宜、掲載する。

平戸へ3

2017-07-15 09:13:44 | 女歌舞伎襤褸鑑4

 商人は噂でしか聞いたことはないようであった。どうやら長介一行は翌慶長十六年、二条城でおこなわれた秀頼さまと家康の会見に立ち会うために都にのぼった清正公に随ったようだ。それまで精力的に諸事につとめていた清正公は突如、病いに倒れ熊本に帰ってきた時には余命いくばくもなかったとのことだ。家康の陰謀により毒を飲まされたという話しは以前から幾度も聞いていた。長介はそのまま都での傾城づとめにもどったのであろう。ならば、熊本にいたのは半年にみたぬ間にちがいない。そしてそのあいだに両親を尋ねあてたのだ。
 「ご家老さまの家来と名のる侍がやってきて、お城に同道せよといわれた時にゃ、またいかなる罰を受けることになるかと覚悟して、村人に別れを告げて妻とふたり、村を出たのでござり申す」

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