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国連は「主体」ではなく「舞台」です:国連人権委員会の正体 国連は日本を非難しないと出世しない組織 (追補あり)

2017年05月18日 12時37分33秒 | 日々感じたこととか

 

このブログ友の記事(↓)を読んで複雑な感想を抱きました。
 
・国連人権委員会の正体 国連は日本を非難しないと出世しない組織
 http://ameblo.jp/sikihanana156/entry-12275239781.html
 
それは、保守派の間でも日本では「国連」や「国連の委員会」なるものに
対する誤解があるのではいかということ。
 
日本では「国連中心主義」とかいう言葉とともに、「国連」をなんか超国家組織の萌芽とか、すくなくとも、国際政治における当事者たる「主体」と考える雰囲気があるように思います。これは、国連憲章上も完全な誤解です。国連は、国際政治における唯一の「主体」たる各主権国家が恒常的に意見を交換し、なんらかの--国際行政法や、安全保障政策なりの--案件について合意を行う<常設の国際会議場組織>なのです。
 
而して、所謂「国連PKO/PKF」もその<常設の国際会議場組織>のお仕着せの「袢纏」を羽織ってはいるものの、それは、突き詰めれば<常設の国際会議場組織>での取り決めに基づき、各主権国家がその人員なり装備なりを--ときには、そ<常設の国際会議場組織>の経理手続きを介して--出しているものでしかないのです。実は、これ、もうすぐ始まるかもしれない第二次朝鮮戦争の前の、あの第一次朝鮮戦争(1950 - 1953)の際の「国連軍」もパラレル。ちなみに、法的には「朝鮮戦争は休戦中」であるとか述べる<識者>も日本ではすくなくないようですが、--要は、その是非は「法的に戦争が終結する」ということの定義問題に収斂するのではありますが--戦争の終結は戦時国際法の適用が解除された時点と解する国際法の通説からは、第一次朝鮮戦争は法的に終結しています(だって、そうでなければ、第三国に求められる中立義務とか、交戦国に認められる敵性艦船の臨検・捕獲とかも現在行われているはずでしょう。それがないということは「戦争は終結」している)。しかし、戦争にともなう損害の補償なり領土の線引きなりの--普通は「平和条約」で行われる--戦後処理が終わっていないというだけのことですから、為念。
 
而して、国連は常設の国際会議場組織にすぎない。 
それは、結婚式場の玉姫殿とか葬儀場の公益社さんに近しい存在、鴨。
 
こう書くと、ここは保守系ブログだから国連を誹謗中傷、すくなくとも、過小評価しているだけじゃんとか思われる方もおられる、鴨。
 
違います。
 
いま、国連があるからみんな国連の値打ちを--もう空気のようなもと感じて--評価できないのかもしれませんが、国際政治の歴史において「常設の国際会議場」が存在しなかった時代のことを考えれば--会議が躍ったウィーン会議や、それが現在のパレスチナ問題の原因となったと悪名高い「英国の二枚舌・三枚舌外交=フサイン=マクマホン協定+サイクス・ピコ協定+バルフォア宣言」等々のあまたの秘密条約・協定のことを想起するだけでも--、その前身の国際連盟にせよ国際連合にせよ、それが、国際政治の透明化・予測可能性--よって、違法な行為を「ならずもの国家」に思いとどまらせる効果--を格段と高めたことは十分に評価できると私は思ってます。
 
・完版:保守派のための海馬之玄関ブログ<自家製・近代史年表>みたいなもの
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/a3221c77ea0add17edf737d21088cf96
 
けどね、所詮「国連」は「舞台」であって、ゲゼルシャフト的にせよゲマインシャフト的にせよ、ある<社会>が成立していて、--「国連安保理」の決議だけはある種例外ですがそれについて下記拙稿をご参照ください--そこでの多数決なりが、その案件を容認しないメンバー国をも拘束するようなタイプの--株主総会やスイスのランツゲマインデ(Landsgemeinde)のような--「法的な=主体」ではないのです。きっぱり。ちなみに、だから、私は朝日新聞などがよく使う「国際社会」という4文字熟語の意味がよくわかりません。どなたか教えていただけますか。閑話休題。
 
ちなみに、リベラル派の弁護士、海渡雄一氏も認めているように、例えば、国際人権規約にもとづく「自由権規約委員会、社会権規約委員会、拷問禁止委員会、女性差別撤廃委員会、子どもの権利委員会、人種差別撤廃委員会などの・・・委員会は、・・・厳密に言えば、国連そのものではない」のです(『世界』2014年9月号所収「日本の人権状況に示される国際的懸念--国連人権規約委員会の勧告をめぐって」p.217)。
 
ならば、まして、その各種委員会に出入りする国際NPO/NGOなるものなどは、所謂「国連人権理事会の周辺」というのは、「制度的」というより、文字通り「地理的」とか、「人脈的」や「注文主-納品業者の関係」の如きイメージ。要は、「築地の朝日新聞や神保町の岩波書店の周辺に屯するリベラル派」のフリーターとこの語感はパラレル、鴨。
 
>国連=玉姫殿
>国連の委員会=国連の出入り業者
>国連委員会に参加するNPO/NGO=その出入り業者に納品する孫請け業者
 
 
少し混乱しましたか。敷衍します。その玉姫殿じゃなかった「国連=玉姫殿」の「委員会」なるものは「常設の会議場組織」に出入りする業者さんにすぎない。簡単に言えば、ある玉姫殿の駐車場に出入り許可をもらっている業者さんが「国連委員会」なるものなのです。ならば、さらに、国際NPO/NGO等は、それまた、そこに出入りを認められたその出入り業者さんの車の運転を委託され/荷物の搬出をその出入り業者から委託された孫請けさんなのです。
 
而して、そんなNPO/NGO等も「非国家主体」とか呼ぶ国際法研究者も日本にはまだおられる。けれども、この「非国家主体」の中の「主体」の意味は、主権国家=国家主体だけが、現在でも唯一の国際政治のプレーヤーである法原則を曖昧にし、少なくとも、紛らわしいので、「非国家国連出入り業者の孫請け業者」とか呼ぶべきだと私は考えています。どうですか、早稲田大学の最上敏樹さん(笑)
 
・国連憲章における安全保障制度の整理
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/9a5d412e9b3d1021b91ede0978f0d241 
 
・資料-国際法のプチレクチャー付:対話が招いた北の核危機…瀬戸際外交“不敗神話”に幕
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/12dc718c3afc09dc57c950a906437c76
 

そして、

・韓国の市民団体の拡声器「国連拷問禁止委員会」は国連の機関では無い
 http://ameblo.jp/kiyosiro-e/entry-12275876819.html

 
<追補-応用問題>
▼共謀罪 プライバシー制約の恐れ 国連報告者、政府に書簡
プライバシーの権利に関するケナタッチ国連特別報告者は19日までに、衆院法務委員会で可決された「共謀罪」法案について、「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と懸念を示す書簡を日本政府に送った。対象となる犯罪が幅広く、テロや組織犯罪と無関係なものも含まれる可能性があることなどを理由に挙げた。 書簡は18日付で、安倍晋三首相宛て。法案にある「計画」や「準備行為」の定義があいまいで、恣意的に適用される可能性があると指摘。いかなる行為が処罰の対象となるかも明記されておらず問題があるとしている。
 
特別報告者は特定の国やテーマ別の人権状況について事実調査・監視を実施。ケナタッチ氏はマルタ出身のIT法の専門家で、2015年に国連人権理事会により任命された。(毎日新聞2017年5月19日)
↑この人「玉姫殿」とどんな関係の人なのでしょうか(笑)
 
★ヒント:「委員会」と「理事会」??
国連人権理事会(United Nations Human Rights Council:UNHRC)は、国連総会の「補助機関=国連機関」の1つです。国連経済社会理事会の機能委員会の一つであった国連人権委員会(United Nations Commission on Human Rights:UNCHR)を改組・発展させた組織(2006年6月19日)。而して、本編で述べている「委員会」――就中、日本語では同じになりかねない「国連人権(規約)委員会:United Nations Human Rights Committee」は――その更に下の階層のsomethingなのです。

国連事務総長「総意でない」 「共謀罪」法案懸念の書簡
朝日新聞デジタル 5/28(日) 22:57配信

安倍晋三首相は27日午前(日本時間同日夜)、訪問先のイタリア南部シチリア島タオルミナでグテーレス国連事務総長と会談し、国際組織犯罪防止条約の締結に向けた取り組みや、国会で審議中の「共謀罪」法案について説明した。

日本政府の説明によると、グテーレス氏は、法案に懸念の意を示す書簡を安倍首相に送った国連の特別報告者ジョセフ・カナタチ氏について、「個人の資格で活動しており、その主張は必ずしも国連の総意を反映するものではない」などと述べたという。(タオルミナ=内田晃)

朝日新聞社

 
 
 
・・・かえれ、国連人権委!
・・・にどとくんな、国連人権委!
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