風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

もしも

2013-03-07 | 風屋日記
今日になって考えてみると下らない妄想だと思うが
昨夜眠れない蒲団の中で
「もしも1時間だけ過去に戻れるなら」
いつに戻りたいかをふと考えてみた。

いくつか思い浮かぶ中で真っ先に思いついたのは
学生時代の高円寺のボロアパートの部屋。
万年床になっていた中古で買ったベッドに腰掛けて
ぼんやりとひとりタバコを1服するだけでいい。
周囲を見渡してその頃の空気や思いを
もう一度噛み締めたい。

15年前に戻って子どもたちと野球もしたい。
2人の息子たちとワイワイキャッチボールだけでもいい。
ネットに向かってティーバッティングの相手でもいい。
あの時の子どもたちの笑顔を思い出すだけで
今もひとりで微笑みが浮かんでくる。

子どもたちといえば
もっと前、幼い息子たちと過ごす団欒も。
「おかあさんといっしょ」のテープに合わせて踊ったり
ヒーローになりきって家の中を走り回る子どもたちを
ニコニコ笑顔で眺めていたい。

高校時代、買ったばかりの文庫本を持って
時々通ったジャズ喫茶にも行ってみたい。
ゆっくり流れる時間、まったりした空気、
流れるピアノ、アクセントをつけるウッドベース、
熱いコーヒーの湯気・・・。
もう一度そんな中に浸ってみたい。

そして・・・
昨秋の沖縄旅行にももう一度。
なかでも最後の夜の豊見城の海岸にもう一度戻りたい。
煌煌と光る月、さざ波の音、三線と笛の旋律、
古人の思いのこもった寂し気な島唄。
今思い出しても涙腺が熱くなってくる。
あの瞬間はきっと一生忘れない。

いろんなことを思い出しながら
これまでの人生が楽しいものであったとつくづく感じた。
後悔がまったく無いわけじゃない。
できればやり直したいと身悶えしながら思うこともある。
でもね、それも含めてみんな自分の人生。
その時別の道を選んでいたら
その後の別な幸せを感じることができなかったかもしれない。
今の自分があるのは、これまでの人生があったからこそだ。
いろんなことに改めて感謝。
コメント
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