風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

黙ってはいられない

2006-07-11 | 風屋日記
ミサイル問題は国連の安全保障理事会マターになっている。
それはいい。各国よく話し合って対応を決めればいい。
一番大切なのは特定の国同士がバーサス構造にならないこと。
そのために国連はあるのだから。

ライス国務長官の対応もお見事。
中国、ロシアの決議反対を強引に押し切るのではなく、
ある程度プッシュした上で「それなら任せてみる」という対応。
日本・アメリカと中国・ロシアの対立に困っていた他の国々も、
それなら何の問題もなく同意できるはず。
しかも中国はとりあえず単独で北朝鮮と交渉するという
とんでもなく重大な任務を帯びることになる。
その交渉に失敗したら国連決議に反対もできなくなる。
押して、引いて・・・緩急をつけた交渉術に拍手(笑)

さて、それはそれでいい。
今日私が黙っていられなくなったのは、
「ミサイル基地への攻撃」論議だ。
額賀防衛庁長官は「憲法の範囲内でも可能かどうか検討を」。
冗談じゃないよ。
「一切の武力を放棄」している国が
どうして先制攻撃できるのか理解に苦しむ。
彼は日本語が読めないのか?
武部幹事長は
「攻撃されるのが分かっていて手を拱いていられない」。
日本を攻撃しようとしているかどうか、誰が分かってる?
排他的水域にミサイル打ち込まれたのは
日本じゃなくてロシアだぜ。

例えば今回のミサイルについて
「日本海に打ち込まれ・・・」と報道すると
あたかも日本が攻撃されたかのような印象を受ける。
「ウラジオストク沖に打ち込まれ・・・」だと
印象がまったく違ってくる。
そうやって国民にジワジワ危機感をあおるやり方は
かつてもよくあったと半藤一利さんの本にもあったよ。
世論操作の常套手段だ。
ミサイル問題をチャンスと捉え、
軍備拡張、果ては憲法改正にもっていこうとする
プロパガンダに感じるんだけど。

何もエキセントリックになる必要はない。
もっと鷹揚に構えていなくちゃいけないと思う。
彼の国は私たちの国がかつて経験したような体制の国。
追い込めば追い込むほど吠えて噛み付く。
かといって、自分達の破滅を招くことを知りながら
直接攻撃に出られるわけがない。
韓国政府の考え方が、今回は正しいと私は思う。

教室の中でひとり浮いているヤツが
他のみんなを睨みつけ、あらぬ方へ物を投げたからといって
積極的にこちらから頭を殴りつけることもなかろう。
先に殴った方が悪者になっちゃうよ。


それにしても酔流亭さんの話は可笑しかった。
私が今日、記事をエントリーしようと思ったのは、
もちろん「黙っていられない」からでもあるが、
酔流亭さんにトラックバックしたかったからでもあるよ(笑)
コメント (5)
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