風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

アジア子ども文化祭2

2004-10-13 | 風屋日記
以前書いたように、
ベトナムはハノイの「ザメー」はストリートチルドレンを保護する団体。
「ザメー」とは「遠いお母さん」という意味であり、哀しい名前だ。
ACCF2004のパンフレットによると、
もともとハノイ駅前の小さな食堂だったらしい。
ストリートチルドレン達に夕方食事を与えていたが、
その人数の増加に問題を感じ、
食堂の経営者が自前で子供達を保護し始めたのが始まりとのこと。
数十人の子供達が肩を寄せあって生活し、
勉強や職業訓練の他、民族文化も学んでいる。

ベトナムは基本的に中国系の文化の国だが、
様々な少数民族も共存する多民族国家でもある。
私はそれぞれの民族的特徴を知っている訳ではないので、
あくまで見た目の感じだが、
ザメーの子達の中に淡い茶色い瞳と髪を持つ女の子もいた。
おばあさんがベトナム戦争中に色んな意味で犠牲になり、
それが母親から孫にまで伝わっているのかも知れない。
その子に関しては単なる想像でしかないが、
その子ではなくとも、ベトナム国内にはそういう子が間違いなくいる。
哀しい歴史が何代にもわたって続いている。
もちろん、よく知られる枯葉剤の影響もそうだ。
戦争の被害はその時だけでは終わらない。

この写真を見て欲しい。
交流キャンプで親しくなり、ともにACCFを成功に導いた子供達。
さよならパーティーで、感動とともに別れを惜しむ涙の瞬間だが、
抱き合っているのはベトナムとカンボジアの子ども。
歴史をひも解くと、
カンボジア内戦はベトナムによるカンボジア侵攻に端を発している。
更に歴史をさかのぼると、
ベトナム戦争時、米軍機はカンボジア国内の基地から空爆に出撃した。
当時のカンボジアはアメリカの傀儡政権だったのだ。
大国に振り回され、互いに傷つけあった両国民だが、
今、この瞬間に、両国の子供達が別れを惜しんで抱き合っている。
このシーンだけで充分じゃないか!?
今度はこちらが感動を味わう番だ。

ACCFは子供達のためだけのイベントではない。
コメント (10)
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